ものづくり補助金の事業計画書の書き方
ものづくり補助金の事業計画書の書き方を、2026年7月30日時点の制度移行、現行の新事業進出・ものづくり商業サービス補助金第1回の記載事項・書面審査、旧23次との違いに沿って解説します。
この記事でわかること
- 旧ものづくり補助金は2026年5月で公募を終了し、現在は新事業進出補助金と統合した「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」へ移行しています。
- 現行第1回へ申請する場合は、旧23次の参考様式を流用せず、現行公募要領の事業計画書への記載事項と書面審査から構成を逆算します。
- 定性的・定量的な根拠、経営戦略との整合性、市場・顧客・競合、実施体制、数値目標の算出根拠を一つの因果関係で示します。
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結論:ものづくり補助金の事業計画書は現行の審査項目から逆算する
2026年7月30日時点で、旧「ものづくり補助金」は2026年5月をもって公募を終了しています。今後は、新事業進出補助金と統合した「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」として実施されます。
旧ものづくり補助金の第23次は、2026年5月8日17時に申請を締め切りました。現行の新制度第1回は2026年8月31日に申請受付を開始し、9月30日18時が応募締切です。これから申請準備をする場合は、新制度第1回の公募要領を正本にしてください。
現行公募要領は、事業計画書の具体的内容について書面審査を十分確認し、審査項目を網羅するよう求めています。文章量を増やすより、経営課題、取組、必要経費、市場性、実施体制、数値目標を、定性的・定量的な根拠でつなげることが重要です。
審査で確認したいポイント
- 旧23次へ申請済みの場合:23次公募要領・参考様式・FAQを基準に記録を残す
- これから申請する場合:新制度第1回の公募要領と電子申請マニュアルを使う
- 旧23次の事業計画書を、新制度第1回へそのまま流用しない
- 申請する枠の固有審査項目まで確認する
ものづくり補助金から新制度への移行と申請回を最初に確認する
事業計画書を書く前に、どの制度・公募回・枠へ申請するのかを特定します。制度名が似ていても、旧ものづくり補助金第23次と現行の新事業進出・ものづくり商業サービス補助金第1回では、様式、枠、要件、審査項目が異なります。
旧23次の公式サイトには、第23次公募要領、FAQ、事業計画書の参考様式が掲載されています。ただし、その参考様式は第23次の申請準備用です。現行第1回へ申請する場合は、現行公募要領と電子申請システムの記載項目を優先します。
現行第1回は、革新的新製品・サービス枠、新事業進出枠、グローバル枠で計画書に示す固有事項が変わります。自社の取組がどの枠の目的・要件に合うかを決めてから、見出しと根拠資料を設計してください。
| 確認対象 | 現在の状況 | 計画書で使う正本 |
|---|---|---|
| 旧ものづくり補助金 第23次 | 2026年5月8日17時に申請受付終了 | 第23次公募要領・参考様式・FAQ |
| 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回 | 2026年8月31日受付開始、9月30日18時締切 | 第1回公募要領・電子申請マニュアル・最新FAQ |
| 申請枠 | 革新的新製品・サービス、新事業進出、グローバル | 共通審査に加え、選んだ枠の固有審査項目 |
| 外部支援 | 助言は可能だが、計画は申請者自身が作成 | 支援者名・支援内容・報酬・契約期間も申請時に記載 |
ものづくり補助金の事業計画書を構成する4つの要素
現行第1回の公募要領は、中長期ビジョンにおける本事業の位置づけ、市場の規模と成長性、外部・内部環境と顧客ニーズに基づく競争優位性、実施体制・スケジュール・財務状況、数値目標の算出根拠を具体的に示すよう求めています。
ものづくり補助金の事業計画書は、項目を別々に埋めるのではなく、現状の課題から実施後の成果までを一つの流れで読めるようにします。
自社の現状・経営課題、新製品・新サービスの革新性、市場性と販売計画、投資効果・付加価値・賃上げ計画の内容が食い違うと、投資の必要性や目標の実現可能性を説明できません。文章、表、図、数値計画の役割を分けて整理します。
| 構成要素 | 記載する内容 | 確認点 |
|---|---|---|
| 自社の現状・経営課題 | 会社の現状、強み、経営課題、課題が生じている原因 | 公募回の審査項目 |
| 新製品・新サービスの革新性 | 新たな取組の内容、既存事業との違い、顧客への価値 | 数値の根拠資料 |
| 市場性と販売計画 | 対象市場、顧客、競合、販売方法、需要の根拠 | 設備と事業計画の因果関係 |
| 投資効果・付加価値・賃上げ計画 | 売上、付加価値、賃金、投資回収、実施体制と工程 | 実行体制とスケジュール |
自社の現状・経営課題
自社の現状・経営課題では、沿革を並べるだけでなく、現在の売上構成、顧客、工程、設備、人員を整理し、なぜ今この補助事業が必要なのかを示します。
公募回の審査項目を確認できる資料を用意し、計画書の記載と出典・見積・工程を一致させてください。
新製品・新サービスの革新性
新製品・新サービスの革新性では、導入設備や外注内容の説明だけでなく、誰のどの課題を、従来と何が違う方法で解決するのかを示します。
数値の根拠資料を確認できる資料を用意し、計画書の記載と出典・見積・工程を一致させてください。
市場性と販売計画
市場性と販売計画では、市場規模だけでなく、狙う顧客層、競合との違い、価格、販売チャネル、受注までの行動を具体化します。
設備と事業計画の因果関係を確認できる資料を用意し、計画書の記載と出典・見積・工程を一致させてください。
投資効果・付加価値・賃上げ計画
投資効果・付加価値・賃上げ計画では、売上・付加価値・賃金等の目標を、数量、単価、原価、人員、稼働率などの前提から計算します。
実行体制とスケジュールを確認できる資料を用意し、計画書の記載と出典・見積・工程を一致させてください。
ものづくり補助金で補助事業の具体的取組内容を書く
ものづくり補助金で実施する設備導入や開発内容は、名称・仕様・金額の説明だけでは足りません。現在のどの工程や顧客課題を、導入後にどのように変えるのかを記載します。
設備、システム、外注、専門家等の役割を分け、見積書の各項目と事業計画を対応させます。補助対象外の通常業務や既存事業の更新が混在する場合は区分してください。
実施工程は、交付決定後の発注、設計・開発、納品、試運転、販売開始、実績報告までを月単位で示します。担当者と外部協力先も明記します。
ここで確認するポイント
- 現在の工程・課題と導入後の変化
- 設備・システム・外注ごとの役割
- 見積項目と対象経費区分の対応
- 交付決定後から実績報告までの工程
ものづくり補助金の将来展望と数値計画を作る
将来の展望は、期待や目標だけでなく、誰に何をどれだけ販売するかを数値で示します。売上は顧客数×単価×購入回数などへ分解し、既存売上と補助事業による増加分を区別します。
付加価値、賃金、投資回収等の計画では、数値の根拠資料を示します。決算書、試算表、受注実績、市場調査、見積、社内の生産実績など、計算の前提を説明してください。
楽観・標準・慎重の複数ケースを作ると、売上が計画を下回った場合の資金繰りや返済可能性を確認できます。補助上限を受給予定額として計上しないでください。
ここで確認するポイント
- 売上を顧客数・単価・回数等へ分解する
- 既存事業と新規事業の売上を分ける
- 付加価値・賃上げの計算式を残す
- 慎重ケースでも継続できる資金計画にする
計画を具体化する3つの想定ケース
以下は事業計画を整理するための想定ケースです。採択を保証する事例ではなく、自社の課題・取組・成果のつながりを確認するために使います。
自社の事実と異なる数値や表現を採択事例から流用しないでください。設備仕様、市場、顧客、実施体制を自社の資料で置き換えます。
ケース1: 生産工程のボトルネックを解消する
作業時間、不良率、外注費、納期遅延など現在の課題を計測し、ものづくり補助金で導入する設備がどの工程を改善するか示します。
導入後の処理能力だけでなく、受注増加や付加価値へのつながりを説明します。
ケース2: 新製品・新サービスを開発する
顧客課題、既存製品との差、試作・検証方法、販売先を整理します。技術的な新しさだけでなく、顧客が選ぶ理由を示します。
開発、テスト、量産、販売開始の工程と担当者を明記します。
ケース3: 新市場・海外市場へ展開する
対象地域、顧客層、競合、価格、販売チャネル、規制を整理し、市場データと商談実績等を根拠にします。
広告や展示会だけで終わらず、見込み客獲得から受注までの計画を示します。
ものづくり補助金の事業計画書を作る7つの手順
公募要領と審査項目の確認、現状分析、補助事業の設計、見積取得、市場・競合調査、数値計画、第三者レビューの順で作成します。
文章から書き始めず、審査項目、主張、根拠資料を一覧にした構成表を先に作ります。重複と抜けを減らし、ページ数や文字数の制限にも対応しやすくなります。
最終版では、申請フォーム、事業計画書、見積書、決算書の数字と名称を照合します。PDF化後の文字切れや図表の読みにくさも確認してください。
- STEP1
1-2
- 行うこと
- 公募要領確認と現状分析
- 成果物
- 審査項目表、課題一覧
- STEP2
3-4
- 行うこと
- 補助事業設計と見積取得
- 成果物
- 取組内容、経費表、工程
- STEP3
市場・顧客・競合調査
- 成果物
- 出典付き市場データ
- STEP4
売上・付加価値・賃金計画
- 成果物
- 計算式付き数値計画
- STEP5
第三者レビューと整合確認
- 成果物
- 提出用PDF、確認記録
主張を裏付ける根拠資料
事業計画書の説得力は、表現の強さではなく、記載内容を確認できる資料で決まります。申請時に添付しない資料も、問い合わせへ回答できるよう保存します。
公募回の審査項目、数値の根拠資料、設備と事業計画の因果関係、実行体制とスケジュールを、社内資料・外部資料・見積・数値計算へ分けて管理してください。
社内の実績資料
決算書、試算表、顧客別売上、工程時間、不良率、見積実績などを使います。
計画書へ記載する数値と資料の期間・単位を一致させます。
市場・顧客・競合の資料
公的統計、業界団体、調査資料、顧客ヒアリング、商談記録等を使います。
出典名、URL、発行日、参照日を記録します。
設備・経費・工程の資料
見積書、仕様書、図面、カタログ、実施工程、担当体制を使います。
設備の性能と計画上の成果がどの計算でつながるか説明します。
評価を下げやすい5つの書き方
会社紹介が長く経営課題が分からない、設備の説明だけで成果が見えない、市場規模と自社売上がつながらない、数値の根拠がない、実施体制が曖昧な計画は読み手が実現可能性を判断できません。
抽象語を増やすのではなく、対象、数量、単価、期間、担当者を具体化します。「革新的」「大幅に向上」などの表現には比較対象と数値を添えてください。
過去の採択事例をそのまま写すと、自社の決算・設備・顧客と矛盾します。構成を参考にしても、事実と根拠は自社資料から作ります。
ここで確認するポイント
- 課題と補助事業の因果関係が弱い
- 設備導入が目的になっている
- 市場・顧客・競合の根拠がない
- 売上・付加価値・賃上げの計算がない
- 担当者・工程・資金計画が曖昧
専門家へ相談するときの確認点
商工会・商工会議所、よろず支援拠点、認定経営革新等支援機関などへ相談する場合も、計画を丸投げせず、自社の課題・顧客・設備・数値を説明します。
第三者には、審査項目の抜け、因果関係、数値根拠、工程の実現可能性を確認してもらいます。文章表現だけを整えても、根拠資料の不足は解消しません。
申請代行や採択保証をうたう説明には注意し、契約範囲、報酬、申請主体、採択後支援を確認してください。
現行第1回では外部支援者から助言を受けること自体は認められますが、事業計画は申請者自身が作成する必要があります。作成支援者がいる場合は、申請システムで支援者名、支援内容、報酬予定額、契約期間を記載します。
ものづくり補助金の現行様式・記載事項・書面審査を確認する
まず、中小企業庁とミラサポplusで旧制度の公募終了と新制度への統合を確認します。次に、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金第1回の公募要領を保存し、更新版がないか申請直前にも確認してください。
現行第1回の公募要領では、事業計画書は電子申請システム操作マニュアルに従って入力し、書面審査の項目を網羅する必要があります。定性的・定量的な情報、具体的な理由・根拠、必要に応じた図表・写真を使います。
共通の書面審査では、補助対象事業としての適格性、経営戦略との整合性、事業の実現可能性などが確認されます。さらに申請枠ごとの審査があるため、共通の事業計画テンプレートだけで完結させないでください。
旧第23次の参考様式は、申請時に電子申請システムへ入力する項目を準備するための資料でした。旧様式を参考にする場合も、現行第1回の記載事項と審査項目へ一項目ずつ対応させ、不要項目の削除と不足項目の追加を行います。
| 観点 | 計画書に示す内容 | 主な根拠 |
|---|---|---|
| 経営戦略との整合性 | 中長期ビジョン、経営課題、本事業の位置づけ | 経営計画、決算・実績、内部・外部環境分析 |
| 市場性・競争優位性 | 市場規模・成長性、顧客ニーズ、競合との差 | 公的統計、業界資料、顧客・商談記録 |
| 実現可能性 | 体制、工程、技術・販売方法、資金調達 | 担当表、工程表、見積、仕様書、資金繰り |
| 成果目標 | 付加価値・給与・最低賃金等の目標と計算 | 基準値、計算式、売上・原価・人員の前提 |
ものづくり補助金の事業計画書でよくある質問
事業計画書を作成するときに多い質問を整理します。個別の審査判断は公募要領と実施機関の案内を優先してください。
何ページ・何文字書けばよいですか?
指定様式のページ数・文字数制限を優先します。長さではなく審査項目へ必要な情報が対応しているかを確認します。
図表を使う場合も、文字が小さくならないようにします。
図や表を入れた方がよいですか?
工程、数値推移、競合比較、設備配置など文章より図表が適する情報に使います。
図表にもタイトル、単位、出典を付け、本文で読み取るポイントを説明します。
専門家に作成を任せてもよいですか?
申請内容の責任は申請者にあります。事実・数値・実行計画を自社で確認してください。
採択後の照会や実績報告へ自社で回答できる状態にします。
ものづくり補助金の事業計画書を提出する前の最終チェック
公募回の審査項目、数値の根拠資料、設備と事業計画の因果関係、実行体制とスケジュールが事業計画書と根拠資料で確認できるかを見直します。
自社の現状・経営課題、新製品・新サービスの革新性、市場性と販売計画、投資効果・付加価値・賃上げ計画が一つの因果関係としてつながり、見積・工程・数値と矛盾していないか確認します。
最後に申請フォームとの名称・金額・日付を照合し、PDFの文字切れ、添付漏れ、提出期限を確認してください。
申請前チェックリスト
- 旧ものづくり補助金第23次か、現行の新制度第1回かを特定した
- 申請する公募回・枠の最新公募要領、電子申請マニュアル、FAQを保存した
- 書面審査の各項目と、計画書の見出し・主張・根拠資料を対応させた
- 定性的な説明だけでなく、実績値・市場データ・見積・計算式を示した
- 経営戦略、課題、補助事業、顧客価値、数値成果が一つにつながっている
- 申請枠ごとの固有要件と固有審査項目を確認した
- 外部支援を受けた場合も申請者自身で内容を理解し作成した
- 作成支援者の情報、見積、工程、申請フォームの名称・金額を照合した
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公式情報・出典
制度内容や日程は改定される場合があります。申請前に最新版をご確認ください。
