補助金・助成金の勘定科目と税金【2026年】仕訳・消費税・圧縮記帳
補助金・助成金の勘定科目、収益計上時期、未収入金の仕訳、法人税・所得税、消費税、仕入控除税額の報告・返還、固定資産の圧縮記帳を2026年の公式資料に基づいて整理します。
この記事でわかること
- 補助金・助成金は、会計の勘定科目、法人税・所得税、消費税、補助制度上の返還を分けて判断します。「補助金は非課税」だけでは説明が足りません。
- 一般的な勘定科目は雑収入や補助金収入ですが、収益計上日は入金日とは限りません。支給決定、額の確定、費用が発生した年度等、制度の性質と権利確定の状況を確認します。
- 設備取得に使った補助金では圧縮記帳等を検討できますが、すべての補助金・資産に使える制度ではなく、税の免除でもありません。適用要件、経理方法、申告書類を税理士または税務署へ確認します。
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補助金の会計・税務は五つに分けて判断する
補助金や助成金を受け取ったときは、「何の勘定科目を使うか」だけで処理を決められません。会計上の収益認識、法人税または所得税、消費税、補助制度上の仕入控除税額報告、固定資産を取得した場合の圧縮記帳等を別々に確認します。
たとえば、補助金の受領自体は商品販売やサービス提供の対価ではないため、通常は消費税の課税対象外です。一方、法人税では原則として益金に、個人事業のために受ける補助金は原則として事業所得等の総収入金額に関係します。さらに、補助対象経費の消費税を仕入税額控除した場合、交付要綱に基づいて補助金の一部を返還する制度があります。
| 判断 | 確認すること | 主な確認先 |
|---|---|---|
| 会計 | 勘定科目、収益計上日、未収入金、返還時の処理 | 会計方針、支給通知、顧問税理士 |
| 法人税・所得税 | 益金・総収入金額への算入、非課税・不算入の特例 | 税法、国税庁、税理士 |
| 消費税 | 受領の対価性、購入経費の仕入税額控除 | 消費税法、国税庁 |
| 補助制度上の返還 | 消費税等仕入控除税額の報告・返還 | 交付要綱、事務局 |
| 固定資産・圧縮記帳 | 対象補助金、対象資産、圧縮限度額、申告書類 | 法人税法・所得税法、税理士 |
勘定科目は雑収入が一般的だが固定ではない
営利企業が事業に関して受ける補助金・助成金は、本業の売上と区別して「雑収入」で記帳する例が一般的です。金額が大きい場合や継続的に管理する場合は、「補助金収入」「助成金収入」「国庫補助金受贈益」等の独立科目を設ける方法もあります。
税法がすべての会社に「雑収入」という勘定科目を強制しているわけではありません。勘定科目名より、何の制度を、いつ、いくら受ける権利が確定し、どの費用や資産に対応するかを追跡できることが重要です。同じ性質の受給は毎期同じ方針で記帳し、補助事業別の補助科目や管理番号を付けます。
売上高へ混ぜず補助事業ごとに管理する
通常の商品・役務の対価ではない補助金を売上高へ混ぜると、売上総利益率や月次推移が読みにくくなります。自社の表示区分は会計基準と重要性を踏まえて決め、補助金名、年度、交付決定番号、対象経費を補助台帳で管理します。
個人事業主も事業用と生活支援を分ける
個人が受け取る給付金には、事業収入の補填、固定資産の取得支援、生活支援、損害補償等があります。名称だけで事業所得・一時所得・非課税を決めず、根拠法令、支給目的、事業との関係を確認します。
収益計上日は入金日だけで決めない
補助金の入金日は、普通預金が増えた日です。しかし、決算上の収益を認識する日は、受給する権利と金額がいつ確定したかによって入金日より前になる場合があります。採択通知、交付決定通知、実績報告、額の確定通知、支給決定通知、入金日を時系列で保存します。
採択通知は審査通過の通知にすぎず、交付申請、交付決定、補助事業の実施、実績報告、確定検査を経て金額が確定する制度があります。採択されたから直ちに全額を未収計上する、と一律に処理しません。
| 日付・通知 | 意味の例 | 会計上の確認 |
|---|---|---|
| 採択通知 | 審査結果として候補に選ばれた | 受給権・金額が確定したとは限らない |
| 交付決定 | 対象事業・上限・条件が承認された | 実績により減額・取消しがあるか確認 |
| 事業・費用発生 | 補助対象の雇用、訓練、休業、購入等が発生 | 費用補填型では原因年度との対応を確認 |
| 額の確定・支給決定 | 実績審査後に支払額が確定 | 未収入金と収益の認識時点になり得る |
| 入金 | 現金預金を回収 | 既に未収計上済みなら未収入金を消し込む |
雇用関係の給付金には原因年度で見積計上する例外がある
法人税基本通達2-1-42は、休業手当、賃金、職業訓練費等を補填するため法令に基づいて受ける給付金等について、原因となる休業、就業、職業訓練等があった事業年度末に金額が具体的に確定していなくても、受給見込額を見積もり、その事業年度の益金へ算入するとしています。
同通達の注書きは、定年延長や高齢者・障害者雇用等の雇用改善により受ける奨励金等を、支給決定日の属する事業年度の益金へ算入するとしています。同じ「助成金」でも、費用補填型と雇用改善の奨励金で時期が違うため、「すべて支給決定日」「すべて入金日」と説明できません。
個人の所得税基本通達にも、休業手当、賃金、訓練費等を補填する給付金と、雇用改善に伴う奨励金の帰属時期に関する考え方があります。決算・年末をまたぐ雇用関係助成金は、申請中の金額を含めて税理士へ共有します。
仕訳は支給決定・額確定と入金を分ける
次の仕訳は、額の確定または支給決定によって受給権と金額が確定したと判断する場合の単純な一例です。実際の収益計上時期、科目名、金額は制度と会計方針で異なります。
| 時点 | 借方 | 貸方 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 100万円の支給額が確定 | 未収入金 100万円 | 補助金収入 100万円 | 決定通知と対象期間を保存 |
| 後日100万円が入金 | 普通預金 100万円 | 未収入金 100万円 | 入金時に収益を二重計上しない |
| 費用補填型給付金を期末に80万円と見積計上 | 未収入金 80万円 | 助成金収入 80万円 | 法人税基本通達2-1-42等の対象か確認 |
| 翌期に90万円で支給決定 | 未収入金 10万円 | 助成金収入 10万円 | 見積額との差額を決定期に調整する一例 |
同じ期に確定・入金しても根拠日を残す
決算をまたがず実務上まとめて記帳する場合でも、どの通知で金額が確定したかを摘要や証憑へ残します。入金日だけを根拠にすると、期末前に確定した未収分を落とすおそれがあります。
交付決定額と確定額の差を確認する
交付決定が上限300万円でも、実績報告後の確定額が240万円なら、原則として240万円を基に処理します。対象外経費、値引き、未実施、消費税、補助率計算による差額を記録します。
法人税は補助金そのものではなく課税所得で決まる
法人が受ける補助金・助成金は、特別な規定を適用しない限り、原則として法人税の所得計算上の益金に関係します。ただし、補助金額へ税率を掛けた額が必ず追加納税になるわけではありません。補助対象の人件費、外注費、減価償却費等の損金、繰越欠損金、税額控除等を含めた課税所得に対して法人税等を計算します。
「補助金に税金がかかる」という表現は、消費税と法人税を混同しやすいため注意が必要です。受領自体に消費税が上乗せされなくても、法人税の益金へ算入されることはあります。決算前に受給見込額と対象経費を損益予測へ反映します。
個人事業主は支給目的と事業との関係を確認する
個人事業主が事業の売上減少、経費、雇用、設備投資等に関して受ける補助金・助成金は、原則として事業所得等の総収入金額に関係します。一方、法律により非課税とされる給付金や、固定資産取得に係る国庫補助金等の総収入金額不算入を適用できる場合があります。
個人向けだから非課税、自治体からの給付だから非課税、という判断はできません。公募要領や支給通知に税務上の案内があっても、最終的な所得区分と特例適用は国税庁資料や税務署・税理士へ確認します。
事業用固定資産の不算入制度は申告手続きが必要
所得税法42条等の要件を満たす国庫補助金等を使って目的に適合する固定資産を取得・改良した場合、補助金相当額を総収入金額へ算入しない制度があります。ただし、固定資産の取得価額は補助金相当額を控除した金額とみなされ、以後の減価償却費が小さくなります。
2026年の国税庁回答は年度をまたぐ個人の設備取得を扱う
東京国税局は2026年2月18日、個人事業主が固定資産取得のための区の補助金を受け、返還不要が確定した年の翌年に対象資産を取得する事例について文書回答を公表しました。照会事実を前提に、対象資産の取得が見込まれ、確定申告書へ所定事項を記載する場合の総収入金額不算入を認めています。
この回答は、すべての期またぎ補助金について自動的に不算入を認める一般回答ではありません。固定資産取得が交付目的であること、返還不要が確定していること、翌年の取得が見込まれること、明細書の記載等、照会事実と手続きがあります。自社案件へ当てはめる前に税務署または税理士へ確認します。
補助金の受領自体は通常、消費税の課税対象外
消費税は、国内で事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、貸付け、役務提供等を基本的な課税対象とします。補助金・助成金は通常、商品やサービスを提供した対価ではないため、受領自体は消費税の課税対象外として扱います。
会計ソフトでは「対象外」「不課税」等の税区分名が使われることがありますが、税法上の非課税取引と課税対象外を厳密に区別する必要があります。名称が補助金でも、実質が販売奨励金、委託料、役務提供の対価等であれば課税関係が異なるため、契約内容を確認します。
| 論点 | 一般的な考え方 | 例外・注意 |
|---|---|---|
| 法人税 | 補助金等は原則として益金に関係 | 圧縮記帳等の特例を検討 |
| 個人の所得税 | 事業関連なら原則として総収入金額に関係 | 法定非課税・国庫補助金等の不算入を確認 |
| 消費税の受領 | 通常は対価性がなく課税対象外 | 実質が委託・販売対価なら内容で判定 |
| 補助対象の購入 | 購入取引自体の税区分で処理 | インボイス、課税売上割合等で控除額が変わる |
補助金で購入した経費の消費税は別に処理する
補助金の受領が消費税の課税対象外でも、機械、ソフトウェア、広告、外注等の購入には取引内容に応じて消費税が含まれます。本則課税の課税事業者が仕入税額控除を受けられるかは、課税売上げとの対応、帳簿・請求書の保存、インボイス発行事業者か、控除制限の有無等で判断します。
補助金で支払ったから仕入税額控除できない、または必ず全額控除できる、のどちらも一律にはいえません。国税庁の消費税ルールで税額控除を計算した後、補助制度の交付要綱に基づく報告・返還を別に確認します。
消費税等仕入控除税額の報告・返還は補助制度側の手続き
補助対象経費に含まれる消費税等について仕入税額控除を受けると、消費税分を実質的に負担していないのに、その部分まで補助を受ける状態になる場合があります。この重複を調整するため、交付要綱が消費税等仕入控除税額の報告と補助金返還を定めています。
報告期限、計算式、返還対象、提出不要となる条件は制度ごとに異なります。静岡労働局は働き方改革推進支援助成金について、助成事業完了の翌々年度6月30日までの報告を案内しています。これは当該制度の期限であり、すべての補助金へ一般化できません。
| 順番 | 確認すること | 保存する資料 |
|---|---|---|
| 1 | 申請額を税抜・税込のどちらで算定したか | 交付申請、経費明細 |
| 2 | 自社が免税・簡易課税・本則課税のどれか | 消費税申告書、届出 |
| 3 | 対象経費の仕入控除税額が確定したか | 請求書、仕訳、申告計算 |
| 4 | 交付要綱が報告・返還を求めるか | 交付要綱、様式、事務局案内 |
| 5 | 期限までに報告し返還通知へ対応したか | 報告控え、返還通知、振込記録 |
申請時に消費税を対象経費へ含められるか確認する
補助制度によって、補助対象経費を税抜額で申請する、課税事業者は消費税等を除外する、免税事業者・簡易課税事業者等は税込申請を選べる、税込申請後に仕入控除税額を報告する等、取扱いが異なります。
免税事業者なら必ず税込申請できる、課税事業者なら必ず税抜申請になる、と決めつけません。申請する年度・回次の公募要領、交付要綱、経費明細の入力案内を確認し、自社の消費税区分を証明する書類が必要か調べます。
公共・公益法人等には特定収入の調整がある
国・地方公共団体、公共法人、公益法人等、人格のない社団等には、消費税法60条に基づく特定収入の調整があります。国税庁は、補助金、寄附金、会費等の対価性のない収入を特定収入として、特定収入割合が5%を超える場合等に仕入控除税額を調整する仕組みを案内しています。
このルールを一般の株式会社や通常の個人事業主へそのまま適用してはいけません。また、特定収入の調整と、交付要綱に基づく消費税等仕入控除税額の返還は別の制度です。法人の種類と制度上の返還を分けて確認します。
インボイス後の取戻し対象特定収入にも注意する
国税庁は、別表第三法人等が使途を特定された補助金を受ける場合について、適格請求書発行事業者からの購入、経過措置の対象仕入れ、人件費等を分けた取戻し対象特定収入の判定例を公表しています。該当法人は最新の申告様式と税理士の確認を受けます。
固定資産を購入したら取得価額と減価償却を確認する
補助金で機械、車両、建物附属設備、ソフトウェア等を購入しても、購入取引自体は通常の固定資産取得として記帳します。取得価額、事業供用日、耐用年数、償却方法を確認し、補助金収入と資産購入を直接相殺して記録を消さないようにします。
圧縮記帳を適用しない場合、原則として通常の取得価額を基に減価償却し、補助金収入は益金・収入として扱います。適用する場合は税務上の圧縮額によって償却の基礎が下がり、将来の減価償却費も減ります。
圧縮記帳は税の免除ではなく課税の繰延べ
圧縮記帳は、固定資産取得等に使った一定の国庫補助金等について、受給年度に生じる課税を調整する制度です。直接減額方式では、補助金収入を計上した上で固定資産圧縮損を計上し、資産の帳簿価額を減額する処理例があります。
資産の取得価額を圧縮すると、その後の減価償却費が小さくなります。受給年度の税負担をなくして終わる制度ではなく、将来の費用が減ることで課税が繰り延べられる性質があります。キャッシュフロー、利益表示、将来の償却を含めて検討します。
| 項目 | 圧縮記帳なし | 直接減額方式の例 |
|---|---|---|
| 補助金収入 | 収益・益金へ計上 | 収益・益金へ計上 |
| 圧縮損 | なし | 要件・限度額の範囲で計上 |
| 資産の帳簿価額 | 通常の取得価額 | 圧縮額分を減額 |
| 将来の減価償却 | 通常の取得価額が基礎 | 圧縮後の価額が基礎 |
| 税効果 | 受給期に課税所得が増え得る | 受給期の課税を将来へ繰り延べ |
すべての補助金・資産が圧縮記帳の対象ではない
法人税法42条の国庫補助金等による圧縮記帳は、国または地方公共団体の補助金等を受け、その交付目的に適合する固定資産の取得または改良に充て、返還を要しないことが確定する等の要件があります。運転資金、人件費、広告費等の補填へ同じ処理を使う制度ではありません。
自治体から受ける名称上の補助金でも、実質的に地方税の減免に代えて交付される工場誘致奨励金等は、法人税基本通達上、国庫補助金等に該当しないとされる場合があります。名称ではなく根拠条例と目的を確認します。
圧縮限度額は補助金額だけで決めない
対象資産へ実際に充てた額、固定資産の取得価額、返還不要が確定した補助金額、法令上の限度等を確認します。補助上限額や交付決定額をそのまま圧縮額にしません。
申告書・明細書・経理方法を事前に確認する
圧縮記帳には所定の経理と法人税申告書の別表・明細書等が必要です。個人の総収入金額不算入にも確定申告書への記載や明細書が必要です。申告後に気付いても同じ処理ができるとは限らないため、補助金申請時から税理士へ共有します。
圧縮記帳の仕訳例は金額確定後に作る
次は、税抜500万円の機械を購入し、固定資産取得に充てる国庫補助金等200万円の返還不要と適用要件が確定し、法人が直接減額方式を採ると仮定した説明用の一例です。実際の消費税、取得付随費用、限度額、事業供用日、減価償却、申告調整は含めていません。
| 取引 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 機械を取得 | 機械装置 500万円 | 普通預金・未払金 500万円 |
| 補助金額が確定 | 未収入金 200万円 | 国庫補助金受贈益等 200万円 |
| 圧縮損を計上 | 固定資産圧縮損 200万円 | 機械装置 200万円 |
| 補助金が入金 | 普通預金 200万円 | 未収入金 200万円 |
仕訳だけで適用要件を満たすわけではない
圧縮損を会計ソフトへ入力するだけでは足りません。対象補助金、返還不要の確定、資産取得・改良、交付目的への適合、圧縮限度額、経理方法、申告書添付を一体で確認します。
補助金と設備取得が決算期をまたぐ場合
補助金の交付、返還不要の確定、固定資産の取得、事業供用が別の事業年度になると、特別勘定等を含む追加検討が必要になる場合があります。受領期だけの仕訳例をコピーせず、各日付と見込みを税理士へ伝えます。
法人と個人では根拠条文と申告手続きが異なります。2026年の東京国税局文書回答は個人の特定事実に関する回答であり、法人の期またぎ処理を直接示すものではありません。
補助金を返還するときは理由と年度を確認する
対象経費の減額、事業中止、交付決定取消し、消費税等仕入控除税額、財産処分等により補助金を返還する場合があります。返還理由、返還額が確定した日、元の収益計上年度、加算金・延滞金の有無によって会計・税務処理が変わります。
過年度の収益を単純に削除したり、当期の雑損失へ一律計上したりせず、返還通知、原因、重要性、過年度申告への影響を税理士へ確認します。消費税等仕入控除税額の返還は、補助制度への返還であり、売上値引きの仕訳と同じとは限りません。
| 情報 | 内容 |
|---|---|
| 制度・根拠 | 交付要綱、返還条項、返還通知 |
| 原因 | 対象外経費、未実施、取消し、仕入控除税額、財産処分等 |
| 日付 | 交付決定、額確定、入金、返還決定、返還日 |
| 金額 | 元金、加算金、延滞金、消費税相当額 |
| 過年度処理 | 元の仕訳、申告年度、圧縮記帳・償却の有無 |
決算前に補助金台帳を作る
補助金の申請担当、事業担当、経理担当が別の場合、決算時に未収計上や返還義務が漏れやすくなります。採択前から補助金台帳を作り、受給年度だけでなく取得財産の管理・処分制限が終わるまで更新します。
ここで確認するポイント
- 制度名、年度、回次、実施機関、交付決定番号
- 申請額、交付決定額、額の確定額、入金額、返還額
- 採択日、交付決定日、事業期間、額確定日、入金日
- 対象経費、請求書、支払日、固定資産番号
- 税抜申請・税込申請、課税区分、仕入控除税額報告期限
- 収益計上年度、勘定科目、未収入金の消込
- 圧縮記帳・総収入金額不算入の適用有無と申告書類
- 返還、財産処分、書類保存、事後報告の期限
よくある誤りを会計処理前に止める
検索上位の記事や会計ソフトの仕訳例は入口として役立ちますが、自社の制度と日付へそのままコピーしないようにします。特に次の説明は条件を省くと誤りになります。
| 危険な説明 | 確認を加えた説明 |
|---|---|
| 補助金は非課税 | 受領自体は通常、消費税の課税対象外。法人税・所得税は別に確認 |
| 入金時に雑収入 | 勘定科目は一例。収益計上時期は権利確定や制度の性質で確認 |
| 支給決定日に計上 | 一般例はあるが、費用補填型の雇用給付金等には原因年度の見積計上がある |
| 設備を買えば圧縮記帳 | 対象補助金・固定資産・返還不要確定・経理・申告要件を確認 |
| 圧縮記帳で非課税 | 受給期の課税を将来へ繰り延べ、将来の減価償却費が減る |
| 課税事業者は必ず消費税を返還 | 申請方法、仕入控除税額、交付要綱の計算・報告要件で判断 |
税理士・税務署・補助金事務局の相談内容を分ける
補助金事務局は、対象経費、申請額、税込・税抜、仕入控除税額報告、返還手続きを確認する窓口です。法人税・所得税・消費税の申告方法や圧縮記帳の適用判断は、税理士または所轄税務署へ確認します。
問い合わせるときは「補助金の税金を教えてください」ではなく、法人・個人、制度名、交付目的、対象経費、通知日、決算日、消費税区分、固定資産の取得日、返還不要の確定日を伝えます。口頭回答だけでなく、照会日、担当窓口、回答内容を記録します。
補助金の勘定科目・税金に関するFAQ
一般的な判断の入口を整理します。個別の仕訳・申告は、申請した制度の資料と自社の事実に基づいて確認してください。
補助金の勘定科目は必ず雑収入ですか
雑収入は一般的な例ですが、必須の科目名ではありません。補助金収入、助成金収入、国庫補助金受贈益等を使う場合もあります。継続性と追跡可能性を重視します。
採択された日に収益計上しますか
採択だけでは交付額が確定しない制度があります。交付決定、実績報告、額確定、支給決定、原因費用の発生等を確認します。
入金日に雑収入を計上すればよいですか
既に支給決定等で未収入金と収益を計上している場合、入金時は未収入金の消込みです。決算をまたぐときは特に計上漏れと二重計上へ注意します。
補助金に法人税・所得税はかかりますか
原則として法人の益金や個人事業の総収入金額に関係しますが、課税所得は経費や欠損等を含めて計算します。法定非課税や圧縮記帳・総収入金額不算入の要件も確認します。
補助金に消費税はかかりますか
受領自体は通常、資産の譲渡等の対価ではなく消費税の課税対象外です。ただし、補助金で購入した経費の消費税と、交付要綱上の仕入控除税額返還は別に確認します。
課税事業者は必ず消費税分を返還しますか
一律ではありません。税込・税抜の申請方法、実際の仕入控除税額、簡易課税等の区分、交付要綱の報告・計算方法を確認します。
設備を買えば圧縮記帳できますか
設備取得だけでは足りません。対象となる国庫補助金等、交付目的への適合、返還不要の確定、圧縮限度額、所定の経理・申告要件を確認します。
圧縮記帳は節税ですか
一般に税の免除ではなく繰延べです。受給年度の課税を調整する一方、資産の税務上の価額が下がり、将来の減価償却費が小さくなります。
個人事業主も圧縮記帳できますか
所得税法には国庫補助金等の総収入金額不算入制度があります。法人の仕訳例をそのまま使わず、個人用の要件・明細書・取得価額の調整を確認します。
補助金を返還したらどの科目にしますか
返還理由、決定日、元の計上年度、重要性、圧縮記帳の有無で処理が異なります。過年度の仕訳を自己判断で削除せず、返還通知を税理士へ渡します。
決算・申告前の最終チェックリスト
以下をそろえ、制度の担当者と経理担当者で確認した後、必要な事項を税理士・税務署・事務局へ分けて照会します。
ここで確認するポイント
- 採択、交付決定、額確定、支給決定、入金の日付を区別した
- 補助金名・年度・対象経費が分かる勘定科目・補助科目を使った
- 期末未収額と入金後の消込みを確認した
- 雇用・訓練等の費用補填型給付金の見積計上要否を確認した
- 法人税・所得税と消費税を分けて判断した
- 税込・税抜の申請方法と自社の消費税区分を確認した
- 消費税等仕入控除税額の報告期限・返還要否を確認した
- 固定資産の取得価額、供用日、耐用年数を記録した
- 圧縮記帳・総収入金額不算入の適用要件を確認した
- 圧縮限度額と将来の減価償却への影響を確認した
- 必要な別表・明細書・添付書類を準備した
- 返還・変更・財産処分があれば税理士と事務局へ共有した
申請前チェックリスト
- 会計・法人税等・消費税・制度上の返還・圧縮記帳を分けた
- 採択から入金までの日付と収益計上根拠を記録した
- 消費税等仕入控除税額の報告・返還要否を確認した
- 圧縮記帳の対象補助金・資産・申告要件を確認した
- 制度事務局と税理士・税務署へ相談内容を分けた
次に確認するページ
公式情報・出典
制度内容や日程は改定される場合があります。申請前に最新版をご確認ください。
