補助金の採択後に必要な手続き【2026年】交付決定から実績報告・入金まで
補助金の採択後に行う交付申請、交付決定、契約・発注、納品、支払い、計画変更、実績報告、確定検査、精算払請求、入金、事後報告を時系列で解説します。
この記事でわかること
- 採択通知は補助金の入金確定ではありません。交付決定前の契約・発注・支払を対象外とする制度があるため、通知を受けた直後は事業を開始せず、交付申請と交付決定の条件を確認します。
- 交付決定後は、見積、契約・発注、納品・検収、請求、振込、成果物を取引ごとにつなぎ、申請時の計画と異なる変更や遅延が生じる前に事務局へ確認します。
- 事業完了後は実績報告、確定検査、補助額の確定、精算払請求、入金へ進みます。実績報告期限、事後報告期間、取得財産の管理期間は制度ごとに異なります。
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補助金に採択されたら交付決定まで発注を止める
補助金の採択通知を受け取っても、すぐに設備を発注したり、委託契約を締結したりしてよいとは限りません。採択は審査結果として補助金交付候補になった段階、交付決定は交付申請の内容を事務局が確認し、補助事業を始める条件と補助上限を正式に通知する段階です。
ミラサポplusは、採択通知の段階を内定状態として説明し、採択後に交付申請を行い、交付決定を受けてから事業を開始する流れを示しています。デジタル化・AI導入補助金2026も、交付決定後に発注・契約・支払いを行い、交付決定前に行った場合は補助金を受けられないと案内しています。
したがって、採択後の最初の判断は「いつ買うか」ではなく、「交付決定通知を受けるまで、どの行為を止める必要があるか」です。公募要領、交付規程、採択者向け手引き、交付申請マニュアルを開き、例外的な事前着手制度の有無も含めて確認します。
採択通知と交付決定通知を別ファイルで保存する
採択通知には審査結果、交付決定通知には交付決定日、認められた経費、補助上限、事業期間、条件等が記載されます。ファイル名に受領日と段階を入れ、担当者が両者を取り違えないようにします。
取引先には発注保留を明確に伝える
見積依頼や仕様相談は認められても、注文書の発行、契約締結、着手指示、前払金の支払いが事業開始と扱われる場合があります。取引先へは、交付決定まで正式発注できないことを伝え、口頭で先行着手させないようにします。
採択・交付決定・額の確定・入金の違い
採択後の手続きで混乱しやすいのは、同じ金額が複数の通知に現れることです。申請額、交付決定額、確定額、入金額は同じとは限りません。交付決定額は制度上の上限であり、実績報告で対象と認められた支出が少なければ確定額も下がります。
経済産業省の補助事業事務処理マニュアルは、事業終了後の確定検査で事業成果と経理処理を確認し、補助金額を確定する流れを示しています。審査を通過した時点で、申請額全額が受け取れると資金計画へ入れないことが重要です。
| 段階 | 意味 | この時点で決まっていないこと |
|---|---|---|
| 採択 | 申請が審査を通過し、交付候補になった段階 | 正式な事業開始日、最終的な補助額、入金日 |
| 交付決定 | 交付申請が確認され、事業開始の条件と補助上限が通知された段階 | 実績報告後に認められる対象経費と確定額 |
| 額の確定 | 実績報告と検査を経て、対象として認める補助額が決まった段階 | 精算払請求の処理日と実際の入金日 |
| 入金 | 確定額について請求手続きを行い、指定口座へ支払われた段階 | 制度によって残る事業化報告や財産管理等の事後義務 |
採択通知を受けた当日に行う初動
採択通知を受けたら、申請担当者だけで処理を抱えず、代表者、事業責任者、経理担当、購買担当へ結果と禁止事項を共有します。通知メールの転送だけでは、交付決定前に別部署が発注してしまう可能性があります。
当日は、採択者向け資料のダウンロード、交付申請期限、補正事項、交付決定前着手の可否、事業実施期限、実績報告期限、登録口座、システム通知先を一覧にします。申請時から見積価格や納期が変わっている場合も、この段階で差分を洗い出します。
ここで確認するポイント
- 採択通知と採択者向け資料を保存する
- 交付決定前に止める契約・発注・支払を社内共有する
- 交付申請と実績報告までの公式期限を工程表へ入れる
- 申請時の見積、仕様、納期、取引先に変更がないか確認する
- 申請システムと登録メールを毎営業日確認する担当を決める
通知・手引き・様式を採択回ごとに固定する
制度サイトの資料は更新されることがあります。採択年度、回次、版数、ダウンロード日をファイル名や管理表へ残し、自社が従う資料一式を固定します。過年度や別回次の手引きと混ぜません。
期限は一つの工程表へ集約する
交付申請、事業開始、納品、支払い、事業完了、実績報告、修正対応、請求、事後報告を一列に並べます。期限日は制度の公式資料から転記し、担当者と社内期限を併記します。
交付申請で事業内容と経費を確定する
採択後の交付申請では、申請時の事業計画を基に、実施内容、経費明細、見積、事業期間等を事務局が確認します。採択時の申請額がそのまま交付決定されるとは限らず、対象外経費の削除、価格妥当性の確認、資料の追加提出を求められる場合があります。
交付申請では、名称が同じ経費でも、何を、何個、どの仕様で、誰から、いくらで購入するのかを追える状態にします。「設備一式」「システム一式」のような見積は、対象範囲や価格を確認しにくいため、型番、数量、単価、作業内容、対象期間を分けます。
補正依頼は期限と修正理由を記録する
事務局から差し戻しや補正依頼を受けた場合は、修正箇所、指摘内容、回答、再提出日時を残します。担当者の判断で計画の意味まで変えず、必要なら事務局へ質問してから修正します。
相見積が必要かを発注前に確定する
一定額以上の経費について複数見積を求める制度や、特命発注の理由書を求める制度があります。採択後に慌てて形だけ見積を集めず、公募要領と採択者向け手引きに沿って選定過程を記録します。
交付決定通知は金額だけでなく条件を読む
交付決定通知を受けたら、交付決定日、補助事業期間、費目別の認定額、補助上限、付された条件、変更手続き、実績報告期限を読みます。通知日の翌日から自由に計画を変えられるわけではありません。
交付申請時より金額が減っている、費目が削除されている、事業期間が想定より短い場合は、発注前に計画を組み直します。申請時の古い経費明細を購買担当へ渡すと、認められていない品目を発注するおそれがあります。
| 確認欄 | 転記する内容 | 社内での使い方 |
|---|---|---|
| 交付決定日 | 契約・発注が可能になる基準日 | 注文書と契約書の日付を照合 |
| 補助事業期間 | 開始日、事業完了期限 | 納品・支払いの最終日を設定 |
| 交付決定額 | 制度上の補助上限 | 受取保証額ではなく上限として管理 |
| 費目別認定額 | 認められた経費区分と内訳 | 発注前の予算統制に利用 |
| 交付条件 | 個別に付された条件・留意事項 | 責任者と対応期限を設定 |
補助事業専用の管理体制を作る
補助事業は、通常の社内購買より細かい証拠管理が必要です。事業責任者、発注担当、検収担当、経理担当、提出責任者を決め、誰がどの書類をいつ保存するかを手順化します。
経済産業省の事務処理マニュアルは、交付申請、交付決定、進捗報告、計画変更、概算払、事故・遅延報告、実績報告、取得財産管理等の関係書類を、時系列に整理する例を示しています。メールや紙、会計システムに分散させず、取引番号でつなぎます。
補助事業用のフォルダと採番を用意する
費目または取引ごとに番号を付け、見積、選定記録、契約・発注、納品・検収、請求、振込、成果物を同じ番号で保存します。ファイル名には日付、取引先、書類種別、金額を入れます。
会計上も補助事業を区分する
部門、プロジェクト、補助科目等を使い、補助対象候補と通常経費を区分します。補助事業専用口座が求められるか、既存口座からの振込でよいかは制度資料を確認します。
見積から振込まで証拠を一本につなぐ
確定検査では、支出したという事実だけでなく、補助事業に必要な取引だったか、承認された期間・内容・金額に沿っているか、申請者が実際に支払ったかを確認します。書類が一枚あっても、前後の証拠と一致しなければ説明が難しくなります。
基本の流れは、見積、選定、契約・発注、納品、検収、請求、支払い、成果物・利用開始です。品名、型番、数量、金額、取引先、日付が各書類で一致するかを、支払前と実績報告前の二回確認します。
| 段階 | 主な証拠 | 照合するポイント |
|---|---|---|
| 価格確認 | 見積書、相見積、仕様書、選定理由書 | 品名・仕様・数量・価格・見積期限 |
| 契約・発注 | 契約書、注文書、注文請書、発注メール | 交付決定後の日付、対象範囲、納期 |
| 納品・検収 | 納品書、検収書、写真、作業報告書 | 現物・成果物、数量、完了日、検収者 |
| 請求 | 請求書、内訳書 | 契約・納品との一致、請求先名義 |
| 支払い | 振込依頼、銀行明細、通帳、領収書 | 申請者から取引先への金額と日付 |
| 成果確認 | 設備写真、画面、成果物、利用記録 | 補助事業で実際に使われたこと |
支払いは申請者名義と対象期間をそろえる
対象経費は、申請者が負担し、対象期間内に支払いまで完了することを求める制度があります。代表者個人のカード、従業員の立替、現金払い、手形、相殺、ポイント利用等は、制度によって認められない、または追加証明が必要になる場合があります。
振込手数料、クレジットカードの引落日、分割払い、海外送金の為替差、消費税の扱いも確認します。経済産業省の事務処理マニュアルは、経済性・効率性や法令・内部規程に沿った経理処理を検査の観点として示しています。
クレジットカードは決済日と引落日を確認する
カード利用を認める制度でも、カード名義、利用日、引落日、対象期間、カード明細、口座明細の条件が定められることがあります。交付決定前の利用や事業期間後の引落しにならないか、購入前に確認します。
現金払いは事務局へ先に確認する
現金払いを不可とする制度や、やむを得ない場合に理由書・領収書等を求める制度があります。支払後に相談するのではなく、振込以外の方法を使う前に可否を確認します。
計画変更は実施前に承認・届出の要否を確認する
採択後に価格、機種、数量、取引先、実施場所、事業期間、成果目標が変わることはあります。しかし、申請時より良い機種へ変更する場合でも、事前承認なしで対象になるとは限りません。
変更が分かった時点で、元の計画、変更後の内容、理由、金額・効果・日程への影響を一枚に整理し、事務局へ連絡します。「軽微な変更は何%まで」といった一律の基準を第三者記事から当てはめず、採択された制度の交付規程と手引きで承認・届出・報告の区分を確認します。
減額変更でも手続きが不要とは限らない
総額が下がる変更でも、主要な設備、取組内容、経費区分、成果目標が変われば承認等が必要な場合があります。金額の増減だけで自己判断しません。
取引先変更は選定記録を作り直す
納期や価格を理由に取引先を変える場合は、相見積、選定理由、仕様の同等性を確認し、事務局の指示に沿って変更します。旧見積と新見積を混在させません。
遅延・中止・事故が分かったら期限前に連絡する
納期遅延、工事遅延、災害、取引先の倒産、許認可の遅れ等で事業期間内に完了できない可能性が出たら、完了期限を過ぎる前に事務局へ連絡します。期限後の報告で自動的に延長されるわけではありません。
制度によって、事故等報告、遅延承認、計画変更、中止・廃止承認等の様式があります。原因、現在の進捗、回復策、変更後の日程、経費への影響を整理し、必要な手続きと提出期限の指示を受けます。
納期回答を定期的に取り直す
設備やシステムの納期が長い場合は、発注時だけでなく途中でも納期回答を取得します。事業完了期限から検収、修正、支払いに必要な日数を引き、社内の警戒日を設けます。
完了できない経費を別取引へ流用しない
余った予算を未承認の品目へ振り替えると、対象外になる可能性があります。計画変更や減額の扱いを事務局へ確認し、承認前に代替発注しません。
中間報告・中間検査に備える
制度や事業規模によっては、事業期間中に遂行状況報告、中間報告、中間検査を求められます。経済産業省の事務処理マニュアルは、中間検査と確定検査を補助事業の実施・経理状況を確認する機会として示しています。
中間時点で、予算の執行率、契約・納品状況、成果指標、変更事項、今後の見込み、証拠書類の不足を確認します。最終報告の直前まで証拠整理を先送りしないことが、差し戻しや対象外判定を減らします。
検査対応者と原本の場所を決める
検査日程が決まってから書類を探さず、事業内容を説明する担当者、経理を説明する担当者、設備や成果物を見せる担当者を決めます。紙原本と電子データの保存場所も一覧化します。
事業完了日は納品だけで判断しない
補助事業の完了は、物品が届いた日だけを指すとは限りません。契約した事業内容の実施、納品、検収、利用開始、請求、支払い等をどこまで終える必要があるかを、制度の定義で確認します。
デジタル化・AI導入補助金2026は、実績報告までに導入した全ITツールの利用・運用を開始する必要があると案内しています。システムが納品されても、設定やデータ移行が終わらず運用できない状態では、完了と扱えない可能性があります。
| 対象 | 確認する事実 | 主な証拠 |
|---|---|---|
| 物品・設備 | 納品、設置、検収、稼働 | 納品書、検収書、設置写真、稼働記録 |
| システム | 開発完了、受入、利用開始 | 仕様書、検収書、画面、アカウント、ログ |
| 工事 | 施工完了、検査、引渡し | 契約書、工程表、工事写真、完了報告 |
| 広告・展示会 | 制作・掲載・出展・配布 | 成果物、掲載画面、開催記録、写真 |
| すべての取引 | 請求内容と支払い完了 | 請求書、振込記録、口座明細 |
実績報告書は計画と実績の差を説明する
実績報告は、領収書をまとめて送る手続きではありません。交付決定された事業をどのように実施し、何を完成させ、どの経費を支払い、計画との差がなぜ生じたかを、証拠と数値で報告します。
基本構成は、事業の実施内容、実施期間、成果、経費明細、契約・納品・支払いの証拠、取得財産、変更承認等です。申請書の目標値と実績値を並べ、未達や変更がある場合は事実と理由、今後の対応を説明します。
経費明細の番号を証拠ファイルと合わせる
実績報告の経費番号と、見積から振込までのフォルダ番号を一致させます。検査担当者が一つの番号から取引全体を追える形にすると、追加提出や説明の負担を減らせます。
成果は申請時の指標で報告する
売上、工数、処理件数、エネルギー使用量等、申請時に置いた指標と同じ定義で実績を記録します。都合のよい別指標へ差し替えず、測定期間と算出根拠を示します。
実績報告期限は制度固有の資料から転記する
実績報告期限を「事業完了から30日以内」と一律に扱うことはできません。たとえば中小企業新事業進出補助金の公式案内は、事業完了日から30日以内または補助事業完了期限日のいずれか早い日までとしていますが、これは同制度のルールです。
申請する制度では、交付規程、採択者向け手引き、交付決定通知、システム上の期限を確認し、最も早い期限から逆算します。実績報告後に差し戻しが起こることを想定し、公式期限より前に社内提出日を設定します。
期限計算の起点を確認する
事業完了日、支払完了日、交付決定通知に記載された完了期限、事務局が指定する日など、制度によって起点が異なります。休日の扱いやシステム受付時刻も確認します。
差し戻し中でも最初の提出記録を残す
申請システムのステータス、提出日時、受付メール、差し戻し内容、再提出日時を保存します。送信したつもりで下書きのままになっていないか、提出後に担当者が確認します。
確定検査で確認されるポイント
確定検査では、補助事業が交付決定の内容と条件に沿って実施されたか、支出が補助事業に必要だったか、対象期間内か、他の資金や通常経費と混在していないか、法令・社内規程に沿っているか等が確認されます。
書面検査だけでなく、現地確認、オンライン確認、追加資料の提出を求める制度もあります。提出済みの書類だけで足りると考えず、設備、成果物、会計記録、原本、担当者の説明を準備します。
| 検査論点 | 確認する内容 | 不足時の対応 |
|---|---|---|
| 必要性 | 事業計画と支出の関係を説明できる | 目的・利用状況・成果を整理 |
| 期間 | 契約、納品、支払いが対象期間に収まる | 例外・変更承認の記録を確認 |
| 実在性 | 物品、サービス、成果物が存在する | 写真、画面、報告書、利用記録を準備 |
| 金額 | 見積、請求、振込額が一致する | 値引き、手数料、差額の理由を説明 |
| 区分経理 | 通常経費や他制度の経費と分けている | 会計帳簿と経費台帳を照合 |
| 手続き | 変更・遅延等の承認を受けている | 通知、申請、承認の履歴をそろえる |
補助額が減る主な理由を把握する
補助額は、交付決定額を上限として、実績報告で認められた対象経費と補助率から確定します。実際の支出が見積より安くなった、対象外経費が含まれた、証拠が不足した、期間外に支払った、未承認変更があった場合は、申請時より減る可能性があります。
一部経費が対象外になっても、取引全体が自動的に認められるとは限りません。対象部分と対象外部分を請求書や内訳で分け、共通費は制度の方法に沿って按分します。値引き、ポイント、返金、仕入先からの還流等があれば実負担額を正しく報告します。
補助上限を売掛金のように扱わない
額の確定前は、交付決定額全額が入る前提で支払予定を組まないようにします。対象外判定や追加資料対応に備え、自己資金の余裕を持たせます。
自己判断で不足書類を作り直さない
後日作成した書類を当時の書類のように扱うと、事実関係を誤らせるおそれがあります。不足が判明した場合は事務局へ状況を説明し、代替資料や追加説明の方法を確認します。
額の確定後に精算払請求を行う
確定検査を経て補助金額の確定通知を受けた後、精算払請求書や電子申請システム上の請求手続きを行います。確定通知が届いただけで自動入金されるとは限らないため、請求の要否、提出方法、口座情報、期限を確認します。
中小企業新事業進出補助金の公式手引きも、実績報告、確定検査、補助金額の確定、精算払請求、支払いという順序を示しています。デジタル化・AI導入補助金2026では、申請者が確定検査結果を確認・承認しなければ補助金は交付されないと案内しています。
登録口座の名義と変更手続きを確認する
申請者名義と口座名義が一致するか、口座変更時に事前手続きが必要かを確認します。合併、法人名変更、代表者変更等があった場合も、必要書類を事務局へ確認します。
入金額を確定通知・請求額と照合する
入金後は、確定通知額、請求額、通帳の入金額を照合し、会計処理と補助事業台帳へ記録します。差額がある場合は事務局へ確認します。
補助金は原則後払いとして資金繰りを組む
経済産業省の事務処理マニュアルは、補助金の支払いを原則として補助事業完了後の精算払いとしています。申請者は、設備代、外注費、工事費等をいったん支払い、実績報告と検査を経てから補助金を受け取る想定が必要です。
制度によって概算払・前払いの仕組みが設けられる場合はありますが、利用できる制度、条件、回数、必要書類は個別に決まります。資金不足を理由に利用できると決めつけず、担当部署へ相談します。
| 時点 | 資金の動き | 管理するリスク |
|---|---|---|
| 交付決定前 | 原則として対象経費を発注しない | 先行契約・先行支払いによる対象外 |
| 事業実施中 | 申請者が取引先へ支払う | 納期遅延、価格上昇、追加費用 |
| 実績報告後 | 検査・修正対応中は未入金 | 対象外経費、確定額の減額 |
| 額確定後 | 精算払請求を行う | 請求漏れ、口座情報不備 |
| 入金後 | 補助金を会計処理する | 税務・消費税・返還義務の確認 |
入金後も事後報告と財産管理が残ることがある
補助金の入金で手続きがすべて終わるとは限りません。制度によって、事業化状況・効果報告、収益納付、取得財産の管理、財産処分承認、書類保存、現地調査への協力等が定められます。
中小企業新事業進出補助金では、補助事業終了後5年間の事業化状況・知的財産権等報告が案内されていますが、5年間という期間を全補助金へ一般化できません。採択された制度の交付規程と手引きで、報告期間、提出時期、対象財産、保存期間を確認します。
取得財産を無断で売却・廃棄しない
補助金で取得・改良した設備等は、一定期間、目的外使用、譲渡、交換、貸付、担保設定、廃棄等に承認が必要な場合があります。固定資産台帳へ補助事業名と管理番号を記録します。
担当者退職後も報告期限を引き継ぐ
事後報告が年単位で続く制度では、申請担当者の退職・異動で期限を失念しやすくなります。会社の共有カレンダーと法定・契約期限台帳へ登録し、引継ぎ責任者を置きます。
Jグランツを使う場合はステータスと通知を確認する
Jグランツ対応制度では、交付申請、通知文書、計画変更、実績報告等を電子化できる場合があります。ただし、制度によって利用する手続きや外部システムが異なり、すべての採択後手続きがJグランツだけで完結するとは限りません。
登録メールだけでなく、Jグランツのマイページで申請状況、通知文書、差し戻し、提出済み日時を確認します。GビズIDの担当者変更、メンバー権限、退職者アカウントの整理も、提出期限より前に行います。
提出前に添付ファイルと最終送信を確認する
ファイルをアップロードしただけ、入力を保存しただけでは提出にならない場合があります。送信後のステータス、受付日時、提出内容の控えを保存し、別担当者が確認します。
制度固有ポータルとの役割分担を確認する
交付申請はJグランツ、実績報告は制度固有システムなど、入口が分かれる場合があります。採択者向け案内に記載された提出先と操作マニュアルを優先します。
採択後の手続きで起こりやすい失敗
採択後の失敗は、制度を知らないことより、社内の購買・経理・現場が同じ条件を共有していないことで起こります。交付決定前発注、未承認変更、証拠不足、期限超過、口座名義不一致を、工程ごとのチェックで防ぎます。
申請支援者や取引先に任せていても、申請者の確認責任がなくなるわけではありません。提出前に、事業責任者と経理責任者が実施内容、金額、日付、証拠を相互確認します。
| 失敗 | 起きる理由 | 予防策 |
|---|---|---|
| 採択通知後すぐに発注 | 採択と交付決定を同じと考えた | 交付決定日を購買システムへ登録 |
| 機種・取引先を無断変更 | 金額が同じならよいと判断した | 変更前に事務局へ承認・届出を確認 |
| 支払い証拠が不足 | 請求書と領収書だけを保存した | 見積から振込まで取引番号で連結 |
| 実績報告が期限直前 | 事業完了後に書類整理を始めた | 月次で証拠を点検し社内期限を設定 |
| 確定後の請求漏れ | 確定通知で自動入金と思った | 精算払請求と口座確認を工程表に追加 |
| 事後報告を失念 | 担当者異動で引継ぎが切れた | 会社の期限台帳へ複数年登録 |
補助金の採択後手続きに関するよくある質問
ここでは採択後の一般的な考え方を整理します。最終的な期限、対象経費、支払方法、変更手続きは、採択された年度・回次の公式資料と事務局の指示を優先してください。
採択通知が来たら設備を発注できますか
採択と交付決定が分かれている制度では、交付決定前の契約・発注・支払が対象外になる場合があります。採択者向け手引きと交付決定通知を確認し、正式発注は条件を満たしてから行います。
交付決定額はそのまま入金されますか
交付決定額は上限であり、実績報告と確定検査で対象と認められた経費に基づいて補助額が確定します。支出減、対象外経費、証拠不足等で確定額が下がる場合があります。
採択後に機種や取引先を変えられますか
変更できる場合はありますが、事前承認や届出が必要なことがあります。変更後に報告するのではなく、発注前に変更内容と理由を事務局へ伝えます。
実績報告は事業完了後30日以内ですか
制度によって異なります。30日以内または完了期限のいずれか早い日とする制度もありますが、全制度共通ではありません。交付規程、手引き、交付決定通知の期限を確認します。
補助金はいつ入金されますか
一般に、事業実施と支払い、実績報告、確定検査、額確定、精算払請求の後です。各工程の修正対応や事務局処理に要する期間があるため、固定日を想定せず資金余裕を持たせます。
入金後は手続きが終わりますか
制度によって、事業化状況報告、取得財産管理、書類保存、収益納付等が残ります。報告期間を全制度一律と考えず、採択された制度の資料で確認します。
採択後から入金までのチェックリスト
次の項目を、採択通知受領時、交付決定時、毎月末、実績報告前、入金後に確認します。該当しない項目は理由を記録し、不明な項目は実施前に事務局へ確認してください。
ここで確認するポイント
- 採択通知と交付決定通知を別の段階として管理した
- 交付決定前に止める契約・発注・支払を社内共有した
- 採択年度・回次・版数が一致する公式資料を保存した
- 交付申請、事業完了、実績報告、請求の期限を工程表へ入れた
- 交付決定日、事業期間、認定経費、交付条件を転記した
- 見積、契約・発注、納品・検収、請求、振込、成果物を採番した
- 申請者名義と支払口座・カード名義を確認した
- 変更、遅延、中止の手続きを実施前に確認した
- 月次で予算、納期、証拠、成果指標を点検した
- 事業完了の定義と実績報告期限を制度資料で確認した
- 実績報告の経費番号と証拠ファイル番号を一致させた
- 確定検査で設備・成果物・帳簿・原本を提示できる
- 額の確定後に精算払請求の要否を確認した
- 入金額を確定通知と照合し会計処理した
- 事後報告、取得財産管理、書類保存の期間を台帳へ入れた
申請前チェックリスト
- 採択と交付決定、額の確定、入金を別の段階として管理した
- 交付決定前の契約・発注・支払を止めた
- 見積から振込・成果物まで証拠を取引番号でつないだ
- 変更・遅延は実施前に事務局へ確認した
- 実績報告・精算払請求・事後報告の制度固有期限を確認した
次に確認するページ
公式情報・出典
制度内容や日程は改定される場合があります。申請前に最新版をご確認ください。
