ホテル・旅館が使える補助金【2026年】宿泊施設の省力化・改修を比較
ホテル・旅館・簡易宿所が使える2026年の補助金を解説。自動チェックイン、PMS、清掃ロボット、施設改修、バリアフリー、多言語対応、人材育成について、単独申請と地域連携、民泊の扱い、受付状況、補助上限を整理します。
この記事でわかること
- 宿泊施設が単独で申請する制度と、宿泊事業者を含む地域の共同事業体・DMO等が申請する制度は別です。設備を決める前に申請主体を確定します。
- 2026年7月29日時点では、地域一体となった観光産業の効率化支援事業の二次公募が8月18日12時まで、観光地経営の高度化事業の三次公募が10月30日17時まで受付中です。
- 旅館業法の許可を要件とし、住宅宿泊事業法上の民泊を対象外とする国制度があります。旅館・ホテル、簡易宿所、民泊を同じ『宿泊施設』として判断しないことが重要です。
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地域や目的を選び、対象になりそうな制度の公式情報を確認してください。
結論:設備より先に申請主体と営業許可を確認する
ホテル・旅館向けの補助金は、施設単独で申請できる制度、複数の観光事業者が共同利用する制度、自治体・DMO等が主導する制度に分かれます。自動チェックイン機や清掃ロボットを導入したいという設備名だけでは、申請先を決められません。
最初に、旅館・ホテル営業、簡易宿所営業、住宅宿泊事業のどの許可・届出で営業しているかを確認します。次に、施設単独の省力化か、複数施設で共同利用する設備か、地域の人材育成プログラムかを分けます。
2026年度は受付終了済みの国制度もあります。前年記事の上限額だけを見て発注せず、申請回の公募状況、参加申込期限、計画申請期限、交付決定前着手を公式ページで確認してください。
| 制度・支援 | 申請主体 | 補助上限・率 | 受付状況 |
|---|---|---|---|
| 観光産業の省力化投資 | 旅館業法の許可を受けた宿泊事業者 | 最大1,000万円・2分の1 | 一次公募終了 |
| 地域一体の効率化支援 | 宿泊事業者を含む観光関係事業者 | 最大5,000万円・2分の1 | 二次公募は8月18日12時まで |
| ユニバーサルツーリズム | 宿泊施設・観光施設の事業者 | 最大1,500万円・2分の1 | 一次公募終了 |
| 観光地経営人材の育成 | 地方公共団体、DMO、民間事業者等 | 最大1,000万円・2分の1 | 三次公募は10月30日17時まで |
| 自治体の宿泊施設支援 | 対象地域の宿泊事業者 | 地域ごとに異なる | 所在地ごとに確認 |
今申し込める制度と終了済み制度を分ける
観光庁の公募は、年度内に複数回実施される場合と、一回だけで終了する場合があります。受付終了後も制度ページは検索結果に残るため、制度名だけで『現在も申請できる』と判断しないでください。
2026年7月29日時点で、地域一体となった観光産業の効率化支援事業は二次公募中です。観光地経営の高度化事業は三次公募中ですが、これは個々の宿泊施設が自社従業員の一般研修費を申請する制度ではなく、観光地を牽引する人材育成プログラム等を支援する制度です。
宿泊施設単独の省力化投資とユニバーサルツーリズムは一次公募が終了しています。次回公募が決まっていない段階で、前年と同じ日程・条件を前提に契約しないでください。
| 表示 | 意味 | 次に行うこと |
|---|---|---|
| 募集中 | 申請受付期間内 | アカウント作成・参加申込の別期限も確認 |
| 募集終了 | その回次は申請不可 | 二次公募・次年度の発表を待つ |
| 採択結果 | 審査結果の公表 | 新規申請ページではない |
| 実施予定 | 条件・日程が未確定の場合がある | 公募要領公開前に発注しない |
宿泊事業者が単独で使う省力化投資補助事業
観光地・観光産業における省力化投資補助事業は、宿泊業の人手不足や業務効率化に対応する設備・サービスの導入を支援する国制度です。2026年度実施分の補助上限は最大1,000万円、補助率は2分の1です。
対象は、旅館業法第3条第1項の許可を受けた宿泊事業者です。住宅宿泊事業法の届出で営業する民泊は、この国制度の対象ではありません。申請者が複数施設を運営する場合は、一事業者につき3施設までで、施設ごとに申請します。
2026年度の参加申込は5月22日17時、計画申請は5月29日17時で終了しました。事業計画が特定されても交付決定ではなく、その後の交付申請審査を経て交付決定となります。
フロント・予約業務の省力化
自動チェックイン機、予約管理システム、AI機器等が公式の支援例です。現状のチェックイン件数、1件当たりの処理時間、夜間対応人数、予約転記時間を測り、設備導入後に何時間減るかを示します。
自動チェックイン機は、施設の運営方法によって旅館業法上の手続きや本人確認体制の確認が必要です。補助対象可否と営業許可上の運用可否を別々に確認します。
清掃・配膳・バックヤードの省力化
清掃ロボット、献立管理システム、配膳ロボット、シフト管理システム、インカム等が支援例として示されています。購入した機器の台数ではなく、清掃面積、配膳回数、移動距離、引継ぎ時間等の削減効果を計画へ落とします。
老朽設備の単純更新や、導入しても人手不足の改善につながらない高機能機器は、制度目的とのつながりを説明しにくくなります。現場の工程図と導入前後の配置人数を作成します。
地域一体の効率化支援は単独施設の設備購入ではない
地域一体となった観光産業の効率化支援事業は、地域内の複数の観光関係事業者が設備等を共同利用し、観光地全体のサービス水準と労働生産性を高める取組を支援します。2026年度二次公募は7月8日10時から8月18日12時までです。
補助率は2分の1、補助上限は5,000万円です。申請主体または連携先に宿泊事業者を1者以上含める必要があり、宿泊事業者、飲食事業者、交通事業者、観光施設、観光協会、DMO等が候補になります。
一つのホテルが自施設だけで使うPMSや清掃ロボットを購入する計画ではなく、共同配送、共同清掃、共同リネン、地域予約・在庫連携等、複数事業者が利用する仕組みとして設計します。二次公募では一次公募から要領・様式が変更されているため、古い様式を再利用しないでください。
| 比較 | 宿泊施設単独の省力化 | 地域一体の効率化 |
|---|---|---|
| 利用者 | 申請する宿泊施設 | 複数の観光関係事業者 |
| 申請主体 | 旅館業許可を持つ宿泊事業者 | 共同体、法人、観光協会、DMO等 |
| 上限 | 最大1,000万円 | 最大5,000万円 |
| 補助率 | 2分の1 | 2分の1 |
| 中心課題 | 自施設の人手不足 | 地域全体の共同利用・生産性 |
| 2026年7月29日現在 | 募集終了 | 8月18日12時まで二次公募 |
ユニバーサルツーリズムは改修理由と利用者像を示す
観光地・観光産業におけるユニバーサルツーリズム促進事業は、高齢者、障害者、訪日外国人等が安心して利用できる宿泊施設・観光施設を整備する制度です。補助率は2分の1、補助上限は1,500万円です。
2026年度は3月31日から5月15日17時までの一次公募が終了しています。宿泊事業者は2026年3月1日時点で旅館業法の許可を受けていること、観光事業者は同日時点で対象施設を所有または運営していることが要件です。
段差解消、客室・浴室改修、貸出用車椅子、折り畳み式スロープ、案内表示等が候補ですが、設備名だけでは足りません。現在の課題、対象とする利用者、利用者からの要望、改修後の利用者数・利用単価・リピート率等を計画します。
備品単価と施設数の上限を確認する
送迎車以外の備品は、自費で超過分を負担する場合でも、1品当たり税抜50万円未満という扱いが示されています。同一事業者の申請は原則3施設までです。
税抜50万円以上の取得財産等には処分制限が生じる場合があります。改修後に施設を売却・閉鎖する可能性がある場合は、財産処分の条件も確認します。
事業後5年間の効果測定を見込む
事業完了年度の翌年から原則5年間、少なくとも年1回のフォローアップ調査へ対応し、利用者数、利用単価、営業利益、リピート率、人件費等を報告する必要があります。申請時だけのKPIではなく、予約・会計システムから継続取得できる指標を選びます。
観光地経営の高度化は人材育成プログラムを支援する
観光地経営の高度化事業は、観光地を牽引する経営人材を育成するプログラム等を支援する制度です。2026年度三次公募は7月10日から10月30日17時までで、申請があったものから随時審査され、予算上限に達すると早期終了する場合があります。
事業形態は直接補助で、上限1,000万円、下限100万円、補助率2分の1です。対象は地方公共団体、DMO、民間事業者等ですが、自社の新人研修や接客研修を一社だけで行う費用をそのまま申請する制度とは限りません。
地域の経営課題、受講対象、育成する能力、カリキュラム、講師、修了後の実践、観光地への波及を設計します。個社の従業員研修は、人材開発支援助成金や自治体の宿泊人材支援と比較します。
自治体制度は所在地と宿泊区分で探す
自治体の宿泊施設向け補助金は、国制度より小規模でも、地域の課題に合わせて多言語、災害対応、バリアフリー、DX、魅力向上、採用等をまとめて支援する場合があります。本店所在地ではなく、宿泊施設の所在地が対象判定に使われます。
自治体によって民泊を含むかが異なります。国の省力化制度では対象外だった住宅宿泊事業者が、札幌市や帯広市等の地域制度では対象候補になる例があります。『民泊は補助金対象外』と一律に判断しないでください。
宿泊税を導入している自治体では、特別徴収義務者の登録や宿泊税の申告・納入が要件になる場合があります。市税滞納の有無、営業継続意思、施設ごとの申請上限も確認します。
| 地域・制度 | 対象例 | 補助上限・率 | 主な注意 |
|---|---|---|---|
| 札幌市 宿泊施設受入環境整備 | 多言語、省エネ、災害、文化対応、省力化、簡易バリアフリー | 旅館等100万円、民泊30万円・2分の1 | 12月21日まで、予算到達で終了 |
| 東京都 宿泊施設経営力向上 | 客室化、長期滞在対応、客単価向上の改修 | 募集要領で確認 | 事前の専門家助言と経営改善計画 |
| 東京都 観光DX・経営力強化 | DX、新サービス、経営力強化 | 募集要領で確認 | 都内で許可を受けた中小観光事業者 |
| 帯広市 受入環境整備 | インバウンド、災害、DX、バリアフリー | 募集要領で確認 | 宿泊税の申告と市税要件 |
ホテル・旅館の使い道から候補制度を選ぶ
補助金は、設備名称ではなく、解決する経営課題で選びます。同じ自動チェックイン機でも、自施設の省力化、地域の共同受付、多言語受入、バリアフリー対応では申請制度と審査の観点が変わります。
見積を取る前に、改善する工程、対象となる利用者、共同利用者、施設の許可区分を一文で書きます。制度を先に決めて不要な設備を足すのではなく、現場課題に必要な投資だけを残します。
| 使い道 | 候補 | 計画で示す数値 |
|---|---|---|
| チェックイン・予約の自動化 | 宿泊業省力化、IT・DX、自治体DX | 処理時間、夜勤人数、転記件数 |
| 清掃・配膳・搬送 | 宿泊業省力化、省力化投資、自治体支援 | 清掃時間、移動距離、稼働室数 |
| 複数施設の共同設備 | 地域一体の効率化 | 参加施設数、共同利用率、地域全体の削減時間 |
| 客室・浴室のバリアフリー | ユニバーサルツーリズム、自治体改修 | 対象客数、利用率、客単価、要望件数 |
| 多言語・災害・食習慣対応 | 自治体受入環境、観光庁の安全安心支援 | 外国人比率、対応時間、訓練回数 |
| 地域の経営人材育成 | 観光地経営の高度化 | 受講者数、修了率、実践プロジェクト数 |
PMS・予約システムは機能と契約期間を分ける
PMS、サイトコントローラー、予約エンジン、CRM、レベニューマネジメント、会計・勤怠等を導入する場合、宿泊業向け省力化制度のほか、デジタル化・AI導入補助金や自治体DX支援が候補です。
ソフトウェア本体、クラウド利用料、初期設定、データ移行、外部予約サイト連携、決済連携、研修、保守を明細化します。PC・タブレット、通信回線、既存契約の更新、対象期間外の月額料まで同じ扱いとは限りません。
導入前後で、予約転記、客室割当、売上集計、問い合わせ、精算にかかる時間を測ります。稼働率やADRだけでなく、現場の削減時間と残業時間へつなげます。
施設改修は単純な美装と高付加価値化を分ける
壁紙、床、家具等を交換するだけの老朽更新は、観光政策上の目的と結び付かず対象外になりやすい費用です。収益力向上、長期滞在、客室単価向上、バリアフリー、災害対応等、改修で変わる顧客体験と経営指標を示します。
東京都の宿泊施設経営力向上推進事業では、事前に専門家の助言を受け、課題抽出と経営改善計画を策定することが求められます。使われていない広間の客室化、長期滞在向け整備、客室貸切露天風呂、ドミトリーの個室化等が想定例です。
建築確認、消防、旅館業許可の変更、バリアフリー条例、用途変更等が必要な改修は、補助金申請と許認可の工程を一つのスケジュールにします。交付決定後に許可が取れない事態を避けます。
多言語・食習慣・災害対応は運用まで計画する
翻訳した案内、音声翻訳機、災害時の多言語発信、ベジタリアン・ヴィーガン・ハラル等のメニュー対応は、自治体の受入環境整備で対象例になる場合があります。
翻訳物を作るだけでなく、更新責任者、対応言語、緊急時の連絡手順、アレルギー表示、スタッフ研修、機器の保管・充電まで決めます。通常の広告制作や、外国人対応と直接関係しないウェブ制作を混ぜないでください。
札幌市の2026年度制度では、多言語広報、音声翻訳機、外国語研修、緊急時マニュアル、文化・食習慣への対応、自動チェックイン、清掃ロボット、簡易バリアフリー等が対象例として示されています。
旅館・簡易宿所・民泊の対象可否を確認する
旅館業法の旅館・ホテル営業と簡易宿所営業は、同じ許可制度の中でも営業形態が異なります。住宅宿泊事業法の民泊は届出制度で、観光庁の省力化投資補助事業では対象外です。
一方、自治体制度では民泊を明示的に対象へ含む場合があります。札幌市の宿泊施設受入環境整備補助金は、旅館・ホテル等と民泊で補助上限を分けています。帯広市の制度も、旅館業と住宅宿泊事業の双方を対象候補としています。
許可証・届出番号、施設名称、営業所在地、許可名義、申請法人を一致させます。運営受託者、建物所有者、ブランド本部のどこが費用を支払うかによって、申請者と取得財産の扱いが変わります。
| 区分 | 根拠 | 確認すること |
|---|---|---|
| 旅館・ホテル営業 | 旅館業法の許可 | 許可名義、施設所在地、営業継続 |
| 簡易宿所営業 | 旅館業法の許可 | 制度が簡易宿所を含むか |
| 民泊 | 住宅宿泊事業法の届出 | 国制度の対象外規定と自治体の明示 |
| 運営受託 | 運営契約・許可名義 | 申請者、支払者、設備所有者 |
| 開業前施設 | 取得予定の許認可 | 申請時・事業完了時の許可要件 |
見積書は施設・工程・対象外費用を分ける
宿泊施設の見積は、工事一式、システム一式、省力化機器一式とまとめず、施設名、設置場所、品名、型番、数量、単価、工事内容、利用期間、保守期間を分けます。複数施設を申請する場合は施設別に作ります。
建築工事では、補助目的に直接必要な部分と通常修繕を区分します。システムでは、ライセンス、初期設定、データ移行、連携、研修、保守、端末を区分します。ロボットや機器は本体、搬入、設置、操作研修、保守を区分します。
相見積が必要な制度では、仕様と数量をそろえて比較します。価格が大きく違う場合は、機能、工期、保証、耐用年数、保守範囲の差を説明できるようにします。
補助額は上限ではなく対象経費から計算する
補助上限1,000万円や5,000万円は、採択されればその金額を受け取れるという意味ではありません。対象経費に補助率を掛けた額と、制度上限を比較し、低い方が補助額の基礎になります。
たとえば、宿泊業の省力化投資で税抜対象経費1,200万円、補助率2分の1なら、単純計算は600万円です。見積総額に消費税、対象外の通常修繕、対象期間外の利用料が含まれる場合は、先に除外します。
補助金は実績報告と額の確定後に精算される制度が多いため、事業者は契約・納品・支払の資金を先に用意します。減額、不採択、工事追加、稼働停止中の売上減も資金計画へ入れます。
| 項目 | 金額例 | 確認点 |
|---|---|---|
| 税抜見積総額 | 1,400万円 | 対象外費用を含む |
| 対象外の通常修繕 | 200万円 | 補助目的と直接関係しない部分 |
| 税抜対象経費 | 1,200万円 | 対象設備・工事のみ |
| 補助率2分の1 | 600万円 | 制度上限1,000万円以内 |
| 自己負担の基礎 | 800万円 | 対象外200万円と対象経費負担600万円 |
申請前に現場の作業時間と経営指標を測る
省力化の申請では、現在の作業量が分からなければ導入効果を説明できません。最低2週間、繁忙日と閑散日を含めて、フロント、予約、清掃、配膳、会計、シフト作成の作業時間を記録します。
施設改修では、稼働率、ADR、RevPAR、平均滞在日数、客室単価、リピート率、口コミの指摘、バリアフリー客室の問い合わせ件数を記録します。地域一体型では、参加施設合計の利用量と地域全体の効果を示します。
補助金で設定したKPIを取得できるよう、PMS、会計、勤怠、清掃管理、アンケートのどこから数字を出すかを決めます。事業後の報告だけ手作業になる設計は避けます。
省力化は削減時間の使い道まで決める
削減した時間を接客、商品開発、販売、教育、休暇取得へどう振り向けるかを示します。設備導入後に人員配置や業務手順を変えなければ、効果が出ない場合があります。
改修は休館・売止めの影響を入れる
改修期間の客室売止め、騒音、搬入動線、繁忙期回避、仮設対応を工程へ入れます。補助対象工事費とは別に、休館中の売上減と追加運営費を資金計画へ入れます。
申請スケジュールは三つの決定を区別する
観光庁の省力化投資では、参加申込、計画申請、交付申請の段階があります。計画の特定は交付決定ではありません。交付決定前に契約・発注・着工すると対象外になる可能性があります。
地域一体型では、参加事業者の合意、共同利用ルール、費用負担、設備所有者、運営主体、個人情報の取扱いを申請前に決めます。締切直前に名前だけ連携先へ追加しないでください。
採択後も、交付申請、交付決定、実施、変更承認、完了実績報告、確定検査、額確定、請求、入金が続きます。設備や工事内容を変更する前に事務局へ確認します。
| 段階 | 行うこと | 止めること |
|---|---|---|
| 課題整理 | 作業時間、許可、施設、KPIを確認 | 設備の先行契約 |
| 参加・計画申請 | ID、計画、連携、見積を提出 | 計画特定を交付決定と誤認 |
| 交付申請 | 対象経費と事業内容を確定 | 通知前の発注・着工 |
| 交付決定後 | 契約、導入、支払、記録 | 無断変更・現金払い |
| 実績報告 | 成果物、証憑、KPIを提出 | 証拠書類の廃棄 |
| 額確定・請求 | 確定額を請求 | 申請額の満額入金を前提化 |
宿泊施設向け申請で準備する書類
基本書類に加えて、旅館業許可証、住宅宿泊事業の届出、施設の登記・賃貸借、宿泊税の登録、平面図、改修図、設備配置図、作業工程表等が必要になる場合があります。
地域一体型では、参加事業者一覧、役割分担、共同利用規程、費用負担、設備所有、地域全体のKPIを準備します。人材育成では、カリキュラム、講師、受講者、修了基準、地域への展開を準備します。
許可名義と申請法人、見積の宛名、支払口座、設備の設置施設が一致するかを確認します。所有者と運営者が異なる場合は、契約関係と改修同意も整理します。
書類の確認ポイント
- 旅館業許可証または住宅宿泊事業の届出資料
- 施設別の課題、作業時間、利用者要望、経営指標
- 品名・型番・数量・単価・工事範囲を分けた見積書
- 平面図、配置図、工程表、許認可の確認記録
- 共同事業では参加者、役割、所有、利用、費用負担の合意
- 交付決定後の契約・納品・請求・振込・検収の保存方法
申請可否を分ける三つの想定ケース
制度名へ当てはめる前に、申請主体、許可、利用者、設備、実施時期を事実で整理します。次のケースは判断方法の例であり、採択を保証するものではありません。
旅館が清掃ロボットを単独導入するケース
旅館業法の許可を持つ旅館が、清掃時間と人員不足を測定し、清掃ロボットを自施設へ導入する計画です。宿泊業向け省力化制度の目的には近いものの、2026年度一次公募は終了しています。次回公募を待つか、省力化投資補助金・自治体制度の現行公募を比較します。
温泉地で共同リネン設備を整備するケース
複数の旅館、運送事業者、観光協会が共同利用するリネン設備と配送計画を作るケースです。地域一体型の候補ですが、宿泊事業者を1者以上含め、所有者、利用料、参加施設数、地域全体の削減時間を示します。
民泊が無人チェックイン機を導入するケース
住宅宿泊事業法の届出で営業する民泊は、観光庁の宿泊業省力化制度では対象外です。ただし、民泊を明示的に含む札幌市・帯広市等の自治体制度では候補になり得ます。所在地と当年度要領を確認します。
対象外・減額になりやすい七つの落とし穴
宿泊業向けと書かれているだけで、施設の許可、申請主体、共同利用、費目、開始日が要件へ合うとは限りません。特に設備販売会社の説明だけで交付決定前に契約する行為は避けます。
見落としやすい注意点
- 旅館業許可が必要な国制度へ住宅宿泊事業の民泊で申請する
- 地域一体型へ一施設だけで利用する設備を申請する
- 老朽化した内装・設備の単純更新を高付加価値化として扱う
- 計画の特定や採択通知を交付決定と誤認して契約・着工する
- 複数施設の費用を一式見積にまとめ、施設別に追跡できない
- 補助対象工事と通常修繕、対象システムとPC・回線を分けない
- 事業後の利用者数・削減時間・利益等を継続して測定できない
ホテル・旅館の補助金でよくある質問
公募回や自治体によって条件は変わります。以下は2026年7月29日時点の公式情報に基づく確認方針です。
民泊は宿泊施設向け補助金を使えますか
制度ごとに異なります。観光庁の2026年度省力化投資補助事業は住宅宿泊事業を対象外としています。一方、札幌市や帯広市の2026年度制度は民泊を対象候補に含みます。
自動チェックイン機なら必ず対象ですか
必ずではありません。制度目的、旅館業許可、設備の仕様、削減効果、申請時期を確認します。施設の運営方法によって、保健所等への事前相談も必要です。
客室改装はどこまで対象ですか
単純な美装・修繕ではなく、収益力向上、長期滞在、バリアフリー、受入環境等の目的へ直接必要な工事かを確認します。対象部分と通常修繕を見積で分けます。
国と自治体の補助金を併用できますか
同じ経費へ国費を重複充当できない制度があります。札幌市のように他補助金予定額を控除して算定する制度もあります。対象設備・請求書・支払を明確に分け、両方の事務局へ確認します。
地域一体型は旅館一社でも申請できますか
2026年度二次公募は、観光関係事業者による共同利用を前提とし、実施主体または連携先に宿泊事業者を1者以上含めます。一社の自施設だけで使う設備とは分けて検討します。
補助金はいつ入金されますか
一般に、交付決定後に事業を実施・支払い、完了実績報告、確定検査、額確定、請求を経て入金されます。申請時点や採択時点の入金ではないため、先に立替資金を準備します。
申請前チェックリスト
次の項目を一つでも説明できない場合は、設備の契約より先に公式要領と事務局へ戻ります。現在の公募状況は観光庁の募集中一覧と所在地の自治体サイトで確認してください。
手続きを進めるポイント
- 旅館・ホテル、簡易宿所、民泊の営業区分を確認した
- 施設単独、共同利用、人材育成のどの申請主体かを決めた
- 募集中・募集終了・採択結果を区別した
- 参加申込と計画申請の両方の期限を確認した
- 作業時間、稼働率、客単価、利用者要望を導入前に測った
- 設備・工事・システム・通常修繕を見積で分けた
- 許可名義、申請者、支払者、設置施設を一致させた
- 交付決定前の契約・発注・着工を止めた
- 補助終了後の保守費、運用人員、効果測定を決めた
- 入金前の立替資金と不採択時の対応を用意した
申請前チェックリスト
- 旅館業許可・住宅宿泊事業の営業区分を確認した
- 単独申請と地域連携型を区別した
- 2026年の受付状況と締切時刻を公式ページで確認した
- 設備ごとの削減時間・利用者・経営効果を測定した
- 交付決定前の契約・発注・着工を止めた
- 補助後の運用費と入金前の立替資金を確認した
次に確認するページ
公式情報・出典
制度内容や日程は改定される場合があります。申請前に最新版をご確認ください。
