製造業が使える補助金【2026年】設備投資・省力化・省エネを比較
製造業が2026年に確認したい補助金を、設備投資、新製品開発、省力化、省エネ、研究開発、DX、大規模投資に分けて比較。公募状況、補助上限、対象経費、選び方、資金繰り、申請前の注意点を公式資料から整理します。
この記事でわかること
- 製造業という業種だけで制度を選ばず、新製品開発、省力化、省エネ、研究開発、DX、工場新設のうち、今回の投資で解決する課題を先に決めます。
- 従来のものづくり補助金は2026年5月をもって公募を終了し、現行の新規申請は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」などの最新制度から検討します。
- 補助上限より、対象経費、補助率、発注可能日、納期、賃上げ・付加価値要件、入金までの月別資金繰りを確認する方が、実行可能な候補を選べます。
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補助金・助成金の候補を、診断と検索から確認できます
地域や目的を選び、対象になりそうな制度の公式情報を確認してください。
結論:製造業の補助金は設備名ではなく投資目的で選ぶ
製造業向けの支援策は、工作機械、ロボット、検査装置、空調、基幹システムなどの設備名だけでは選べません。同じロボットでも、人手不足を解消する投資、新製品を作るための投資、エネルギー使用量を減らす投資では、候補制度と審査項目が変わります。
最初に「現状のどの工程を、何から何へ変えるのか」を一文で書きます。そのうえで、生産量、作業時間、不良率、段取り時間、電力・燃料使用量、付加価値額、賃金の現状値を測り、制度の目的と一致する候補だけを残します。
2026年は制度再編があるため、古い解説記事の名称や上限額をそのまま使えません。公募中、公募予定、受付終了、次回未定を分け、申請する回次の公募要領へ戻ることが重要です。
| 投資目的 | 主な候補 | 最初に測る数値 |
|---|---|---|
| 新製品・新サービス開発 | 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 | 市場規模、売上、付加価値、開発工程 |
| 人手不足・自動化 | 中小企業省力化投資補助金 | 作業人数、作業時間、生産量、残業 |
| 省エネ・燃料転換 | 省エネ・非化石転換補助金 | 電力・燃料使用量、原油換算量、設備性能 |
| 大学等との研究開発 | Go-Tech事業 | 技術課題、研究期間、事業化計画 |
| ERP・MES・クラウド導入 | デジタル化・AI導入補助金2026 | 処理時間、在庫差異、入力工数 |
| 工場新設・大規模増設 | 大規模成長投資補助金 | 投資額、雇用、賃上げ、資金調達 |
2026年7月29日時点の公募状況
締切の近い制度を上に並べるだけでは、自社に合う順番になりません。受付終了後も実績報告が続く制度、次回公募を予定する制度、日程がまだ公表されていない制度を分けて管理します。
下表は2026年7月29日に公式サイトを確認した状態です。公募日程は変更されることがあるため、申請前に公式ページの更新日と公募要領の版を再確認してください。
| 制度 | 7月29日時点の状態 | 次に確認すること |
|---|---|---|
| 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 | 第1回は9月30日受付開始、2026年10月30日18時締切予定 | 3枠のどれに該当するか |
| 省力化投資補助金・一般型 | 第7回は2026年7月31日17時締切 | 次回公募とGビズID |
| 省力化投資補助金・カタログ注文型 | 登録製品を対象に随時申請 | 製品・販売事業者の登録状態 |
| 省エネ・非化石転換補助金 | 第3回公募の詳細待ち | 最新の公募要領と性能要件 |
| Go-Tech事業 | 2026年度募集終了、6月26日に採択結果公表 | 次年度予定と研究体制 |
| 大規模成長投資補助金 | 第6次は7月下旬開始・8月下旬締切の目安 | 正式日程と投資規模 |
| デジタル化・AI導入補助金2026 | 複数枠・複数締切で運用 | 対象ITツールと申請回 |
従来のものづくり補助金は現行制度と分けて読む
ものづくり補助金は2026年5月をもって公募を終了しました。従来制度の23次締切は2026年5月8日17時であり、過去記事にある申請枠、補助上限、締切を現行の新規申請へ転用できません。
2026年の新規計画では「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」が主要候補です。名称に「ものづくり」が残っていても、旧制度と同一ではなく、新事業進出補助金も統合された別制度として、3つの枠と共通要件を読み直します。
旧制度の採択結果や事例は計画づくりの参考にはなりますが、対象経費、補助率、賃上げ、受付日程の根拠には使いません。検索結果に旧制度の記事が出たら、記事の更新日とリンク先の公募回を確認します。
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の3枠
新制度は、革新的新製品・サービス枠、新事業進出枠、グローバル枠の3区分です。単に新しい機械を買うのではなく、何を開発し、どの市場へ届け、どのように付加価値と賃金を上げるかが中心になります。
第1回は公募開始済みですが、申請受付は2026年9月30日、締切は2026年10月30日18時へ変更されました。GビズID、見積、投資内容、事業計画、資金調達を締切直前にそろえるのではなく、枠の適合確認から始めます。
| 枠 | 計画の中心 | 通常の最大上限 |
|---|---|---|
| 革新的新製品・サービス枠 | 技術的革新性のある新製品・新サービス | 2,500万円 |
| 新事業進出枠 | 自社にとって新しい製品と新しい顧客市場 | 7,000万円 |
| グローバル枠 | 新たな海外市場に向けた国内輸出体制 | 7,000万円 |
| 3枠共通 | 3〜5年の付加価値・賃上げ等の事業計画 | 補助額は対象経費・補助率・従業員区分で決定 |
革新的新製品・サービス枠
自社の技術力等を生かし、顧客へ新たな価値を提供する新製品・新サービスの開発が対象です。既存の製品・サービスの生産等のプロセスを改善するだけの事業や、機械導入だけで新製品開発を伴わない事業は対象外です。
補助率は中小企業者が原則2分の1、小規模企業・小規模事業者等は3分の2です。従業員数により上限が異なり、通常の最大は2,500万円、賃上げ特例では最大3,500万円です。機械装置・システム構築費は必須です。
新事業進出枠
自社にとって新しい製品等を、自社にとって新しい顧客市場へ提供する計画が対象です。日本初・世界初である必要はありませんが、以前製造していた製品の再製造や、既存顧客へ既存製品を増産するだけでは要件に合いません。
補助率は原則2分の1で、通常の最大は7,000万円、賃上げ特例では最大9,000万円です。機械装置・システム構築費または建物費のいずれかを含める必要があります。
グローバル枠
自社製品を使い、新しい海外市場へ自発的に販路を開拓するため、国内の製造・輸出体制を強化する取組が対象です。取引先から設備導入を求められただけの受け身の計画では対象になりません。
補助率は3分の2で、通常の最大は7,000万円、賃上げ特例では最大9,000万円です。国内拠点の機械・建物等に加え、枠固有の海外旅費や通訳・翻訳費も対象候補になります。
新制度は付加価値・賃上げ・最低賃金を3〜5年追う
3枠に共通して、補助事業終了後3〜5年の事業計画を作ります。付加価値額の年平均成長率が4.0%以上、一人当たり給与支給総額の年平均成長率を3.5%以上、事業場内最低賃金を毎年、地域別最低賃金より30円以上高い水準にすることなどが基本要件です。
賃上げと事業場内最低賃金の目標が未達の場合、補助金返還義務が生じる要件があります。高い上限を使うために賃上げ特例を選ぶのではなく、売上総利益、人員計画、給与原資を年度別に試算します。
一般事業主行動計画の策定・公表、子育て等に関する職場環境整備への取組も必要です。金融機関から資金提供を受ける場合は、その金融機関による事業計画の確認も求められます。
ここで確認するポイント
- 付加価値額は補助金申請用の数字だけでなく決算・計画と一致させる
- 賃上げ目標は対象事業だけでなく会社全体の雇用計画と照合する
- 最低賃金改定を見込み、毎年の事業場内最低賃金を確認する
- 設備代金、消費税、対象外経費を含む資金調達を金融機関と共有する
工程改善だけなら省力化投資補助金を先に比較する
既存ラインの搬送、検査、包装、保管、洗浄等を自動化し、人手不足を解消する計画は、新製品開発枠より中小企業省力化投資補助金が合う場合があります。判断の分かれ目は「新しい顧客価値を持つ製品を開発するか」「既存工程の必要人員・時間を減らすか」です。
省力化投資補助金には一般型とカタログ注文型があります。似た名称でも、設備選定、計画作成、補助上限、申請頻度が異なるため、同じ制度として一括りにしません。
| 比較 | 一般型 | カタログ注文型 |
|---|---|---|
| 設備 | 現場に合わせた設備・システム構築 | 登録カタログの汎用製品 |
| 向く計画 | 複数工程を含む個別設計・高度な自動化 | 比較的導入しやすい登録製品 |
| 通常上限 | 従業員数により750万円〜8,000万円 | 従業員数により200万円〜1,000万円 |
| 賃上げ時の最大 | 最大1億円 | 最大1,500万円 |
| 補助率 | 中小企業は原則2分の1、小規模等は3分の2 | 2分の1以下 |
| 受付 | 公募回制 | 随時申請 |
省力化投資補助金・一般型の確認ポイント
一般型は、人手不足に悩む中小企業等が、個別の現場に合わせたIoT・ロボット等の設備やシステムを導入し、売上拡大、生産性向上、賃上げにつなげる計画を支援します。2026年7月29日時点の第7回は2026年7月31日17時が締切です。
従業員5人以下の通常上限は750万円、6〜20人は1,500万円、21〜50人は3,000万円、51〜100人は5,000万円、101人以上は8,000万円です。大幅な賃上げを行う場合は上限が引き上げられ、最大1億円になります。
設備を入れれば省力化とみなされるわけではありません。導入前後の工程図を作り、どの作業を何人・何分から何人・何分へ変え、削減した時間をどの高付加価値業務へ振り向けるかを示します。
省力化投資補助金・カタログ注文型の確認ポイント
カタログ注文型は、公式カタログに登録された汎用製品を、登録販売事業者と共同で導入する仕組みです。一般の通販カタログやメーカーの製品一覧にあるだけでは対象になりません。申請時点の製品、型番、販売事業者の登録を確認します。
2026年3月19日以降の制度改定後は、通常上限が従業員5人以下200万円、6〜20人500万円、21人以上1,000万円です。賃上げ要件達成時はそれぞれ300万円、750万円、1,500万円へ引き上げられ、補助率は2分の1以下です。
簡易で即効性のある省力化投資が目的ですが、購入済みの機器や中古品、登録外型番を後から申請できるとは限りません。販売事業者の説明だけで契約せず、交付決定前の発注・支払い可否を公募要領で確認します。
電気・燃料使用量を下げるなら省エネ補助金を確認する
老朽設備の更新理由が故障リスクだけではなく、電力・燃料使用量の削減や非化石転換にある場合は、省エネ・非化石転換補助金を確認します。高効率設備、工場・事業場全体の改善、電化・燃料転換など、申請タイプごとに性能要件と補助率が異なります。
2026年7月29日時点では、第3回公募の詳細待ちです。公式特設サイトに表示される第2回資料を次回条件として決め打ちせず、第3回の公募要領、指定設備、基準年度、エネルギー計算方法が公開されてから判定します。
省エネ効果はカタログ値だけでなく、稼働時間、生産量、負荷率、既存設備の能力、更新後の運用条件をそろえて計算します。単純更新や将来用の過剰能力と見られないよう、現状データと設備容量の根拠を残します。
工場・事業場型
工場全体のエネルギー使用量や原単位を改善する計画に向きます。複数設備、EMS、プロセス変更を含む場合は、設備単体ではなく事業全体の省エネ量と投資効果を整理します。
設備単位型
指定設備を高効率機器へ更新する計画に向きます。既存設備と導入設備の型番、性能、台数、稼働条件をそろえ、対象設備の指定・登録状態を確認します。
大学・公設試との研究開発はGo-Tech事業を検討する
Go-Tech事業は、中小企業等が大学・公設試等と連携して行う、研究開発と事業化を支援する制度です。完成した量産設備の購入だけではなく、技術課題、研究体制、役割分担、知的財産、事業化までを複数年度で計画します。
2026年度は2026年2月16日から4月17日17時までe-Radで受け付け、6月26日に採択結果が公表されました。申請284件に対し採択は122件で、内訳は通常枠117件、大規模研究開発枠5件です。本年度の追加採択は予定されていません。
通常枠は単年度4,500万円、2年間合計7,500万円、3年間合計9,750万円が上限です。大規模研究開発枠は単年度1億円、2年間合計2億円、3年間合計3億円です。次年度を目指す場合は、公募開始前から大学・公設試等との研究体制を組みます。
ERP・MES・在庫管理はデジタル化・AI導入補助金を確認する
製造設備そのものではなく、受発注、原価、在庫、工程、品質、会計等をつなぐITツールを導入する場合は、デジタル化・AI導入補助金2026が候補です。AIという名称が製品に付いているだけでは対象になりません。
申請者はGビズIDプライムとSECURITY ACTIONを準備し、登録されたIT導入支援事業者と、登録ITツールを使って申請します。ERPやMESという製品区分だけで判断せず、ソフトウェアの業務プロセス、機能、導入費、クラウド利用料の登録範囲を確認します。
生産設備とソフトウェアを一体導入する場合は、一つの制度へすべて入れられると決めつけません。補助対象経費を機械、システム、クラウド、設定、保守へ分け、他制度との同一経費の重複を避けます。
20億円以上の工場投資は大規模成長投資補助金を比較する
工場・倉庫・販売拠点の新設・増築、先端機械、省力化設備、ソフトウェア・情報システムを含む大規模投資では、中堅・中小企業の大規模成長投資補助金が候補になります。
一般企業向けは投資額20億円以上が基本で、補助上限50億円、補助率3分の1以下です。常時使用する従業員数2,000人以下の会社等が対象で、補助事業終了後3年間の対象事業に関わる従業員1人当たり給与支給総額を年平均5.0%以上上げる要件があります。
第6次公募は2026年7月29日時点で公募開始が7月下旬頃、締切が8月下旬頃の目安です。補助金ありきで用地・建物・設備契約を進めず、正式日程、対象投資額、資金調達、賃上げ未達時の返還を確認します。
自治体の工場立地・設備投資支援も所在地別に探す
国の制度に加え、都道府県・市区町村には工場立地、設備取得、固定資産、雇用、研究開発、認証取得等を支援する制度があります。本店所在地ではなく、工場の設置場所、操業開始日、土地・建物・設備の取得時期が要件になる場合があります。
自治体制度は予算上限で早期終了する場合があり、土地売買、建築確認、設備契約、操業開始より前の認定・申請が必要なこともあります。候補地を決定する前に、立地自治体の企業誘致・商工担当窓口へ計画を共有します。
国と自治体の制度を併用できる場合でも、同じ設備・請求書の同じ金額を二重に補助対象へできるとは限りません。対象経費、補助対象財産、財源、併用制限を双方の窓口へ確認します。
補助金だけでなく税制・融資も同じ表で比較する
設備投資の実行時期が公募と合わない場合は、中小企業投資促進税制、先端設備等導入計画に関連する税制、設備資金の融資等を比較します。補助金は返済不要でも原則後払いであり、審査・交付決定を待つ必要があります。
中小企業投資促進税制は2027年3月31日までの対象期間が案内されていますが、対象業種、設備の種類・価額、税額控除・特別償却の適用条件を確認します。税制は補助金ではなく、設備代金が先に入る仕組みでもありません。
補助金と税制を併用できる場合でも、取得価額、圧縮記帳、税額計算へ影響します。設備の契約前に、公募要領、税理士、金融機関の三者で扱いを確認します。
対象経費は設備本体だけでなく内訳で確認する
制度により、機械装置・システム構築費、建物費、運搬費、技術導入費、外注費、専門家経費、原材料費、クラウドサービス利用費等が対象候補になります。ただし、経費区分名が一致しても、自社計画に必要で、価格妥当性を証明できることが必要です。
見積書の「設備一式」を、本体、付帯装置、設置工事、電気工事、運搬、試運転、ソフトウェア、保守へ分けます。対象外部分を切り分けられない一式見積は、申請時と実績報告時の確認を難しくします。
建物費は全制度共通ではありません。新事業進出枠やグローバル枠、大規模投資のように対象候補になる制度と、設備単位の制度を混同しないでください。
| 内訳 | 確認内容 | 証拠の例 |
|---|---|---|
| 機械本体 | メーカー、型番、数量、仕様、能力 | 見積、仕様書、カタログ |
| 付帯工事 | 設備稼働に直接必要か | 工事内訳、図面、写真 |
| ソフトウェア | 対象機能・利用期間・登録範囲 | 機能表、契約、登録情報 |
| 運搬・据付 | 対象経費区分と対象期間 | 運搬明細、納品書、検収 |
| 保守・消耗品 | 対象期間と対象外範囲 | 契約期間、費目別内訳 |
単純更新・中古・汎用品は対象外リスクを先に見る
古い機械を同等能力の新しい機械へ置き換える単純更新は、制度の新製品、省力化、省エネ等の目的と結び付かず、対象外になりやすい取組です。故障しそうだから交換するという理由だけでなく、工程と成果がどう変わるかを示します。
中古設備、予備機、将来用の過剰設備、社外でも使える汎用品、交付決定前に発注した設備は、制度によって対象外です。リース、割賦、共同申請を認める制度も条件が異なります。
販売会社の「補助金が使える」という説明は採択・交付を保証しません。申請者自身が最新の公募要領、FAQ、登録製品・登録事業者を確認し、契約前の状態を保ちます。
見落としやすい注意点
- 既存設備と同じ能力・同じ工程の置換えになっていないか
- 中古・リース・割賦・共同申請を制度が認めているか
- 生産量に対して設備能力が過大ではないか
- 交付決定前の予約、内金、注文書が発注に当たらないか
- 補助対象外の保守、消耗品、撤去、処分を分けたか
補助上限ではなく対象経費と補助率から試算する
補助上限3,500万円と書かれていても、対象経費が3,000万円、補助率2分の1なら、単純計算の補助見込は1,500万円です。さらに対象外経費、消費税、実績確認による減額を考慮します。
見積総額、補助対象経費、補助率、従業員規模別上限、特例の順に計算します。賃上げ特例の上限を使う場合は、上限増額だけでなく追加の賃上げ目標と未達時の返還リスクを資金計画へ入れます。
| 項目 | 金額例 | 注意 |
|---|---|---|
| 税込見積総額 | 5,500万円 | 消費税を含む例 |
| 税抜対象経費 | 4,000万円 | 対象外工事等を除外 |
| 補助率 | 2分の1 | 自社区分の適用率を確認 |
| 補助見込 | 2,000万円 | 上限以下でも確定額ではない |
| 自己負担・対象外・消費税 | 3,500万円以上 | 入金前に支払いが必要 |
採択前から月別資金繰りを作る
多くの補助金は、採択後すぐに入金されません。交付決定後に契約・発注し、納品、検収、支払い、実績報告、確定検査、額の確定、請求を経て入金するため、設備代金を先に支払う資金が必要です。
月別資金繰りには、手付金、中間金、納品時残金、消費税、付帯工事、運転資金、補助金入金予定を分けて入れます。補助金が不採択、減額、入金遅延になっても、給与と仕入れを止めない最低現預金を残します。
金融機関へ相談するときは、補助上限額ではなく、採択前、交付決定後、納品、入金後の借入残高と返済原資を示します。補助金入金だけを返済原資にしない計画が必要です。
製造業の申請は設備納期から逆算する
申請締切だけを管理しても、設備納期が事業完了期限を超えれば実行できません。メーカーの製造期間、輸送、基礎工事、電源工事、据付、試運転、検収、支払い、実績報告を一つの工程表にします。
GビズIDプライム、決算書、見積・相見積、設備仕様、現状工程、導入後工程、投資効果、賃上げ計画、資金調達を準備します。外部支援者を使う場合でも、事業計画は申請者自身が作成し、数値と取組を説明できる状態にします。
採択後に機種、台数、設置場所、取引先、金額、納期が変わる場合は、変更後に報告するのではなく、変更前に事務局へ承認・届出の要否を確認します。
| 段階 | 行うこと | 止めること |
|---|---|---|
| 候補選定 | 目的、対象者、経費、公募状況を確認 | 制度未確認の契約 |
| 申請準備 | ID、計画、見積、資金繰りを作成 | 拘束力のある予約・内金 |
| 採択後 | 交付申請と交付決定を確認 | 交付決定前の発注 |
| 事業実施 | 承認内容どおり納品・検収・振込 | 無断の機種・金額変更 |
| 実績報告 | 証拠、成果、支払いを提出 | 対象外経費の混在 |
| 入金後 | 財産・事業化・賃上げ等を管理 | 無断処分・報告放置 |
工場のKPIは生産量だけでなく分母も固定する
補助事業の成果を「生産性が上がる」とだけ書かず、設備導入前の計測期間と計算式を固定します。生産量が増えて作業時間も増えた場合、総生産量だけでは省力化を説明できません。
同じ品種、ロット、稼働時間、良品率で比較できる指標を選びます。多品種少量生産では、段取り時間、仕掛在庫、リードタイム、再加工時間、検査工数等を組み合わせます。
| 課題 | 導入前後で比べるKPI | 測定資料 |
|---|---|---|
| 人手不足 | 製品1個当たり作業時間、必要人数 | 作業日報、動画、工程表 |
| 生産能力 | 時間当たり良品数、設備稼働率 | 生産実績、設備ログ |
| 品質 | 不良率、再加工時間、検査見逃し率 | 検査記録、不良集計 |
| 段取り | 品種切替時間、停止時間 | 設備ログ、日報 |
| 省エネ | 製品1個当たり電力・燃料使用量 | 請求書、計測器、稼働記録 |
| 在庫 | 在庫回転、棚卸差異、リードタイム | 在庫台帳、ERP記録 |
製造業の4つの想定ケース
制度名から入らず、実際の投資目的で候補を分けます。以下は判断手順を示す想定例であり、採択や交付を保証する事例ではありません。
ケース1:協働ロボットで搬送を自動化する
既存製品の搬送工程を自動化し、2人作業を1人へ減らす計画なら、省力化投資補助金を先に比較します。登録製品で対応できるならカタログ注文型、周辺装置やシステム連携を含む個別設計なら一般型を確認します。
導入前後の作業時間、人数、生産量、安全対策、削減時間の再配置先を測ります。新製品開発を伴わないなら、革新的新製品・サービス枠へ無理に当てはめません。
ケース2:新素材を使った部品を開発する
自社にない機能・性能の部品を開発し、新しい顧客へ販売する計画は、革新的新製品・サービス枠が候補です。技術的課題、試作、性能評価、市場ニーズ、量産・販売までを一つの計画にします。
大学等との共同研究が不可欠で複数年度の研究体制を組む場合はGo-Techも比較します。設備購入が主目的か、研究開発と事業化が主目的かで制度を分けます。
ケース3:老朽ボイラーを高効率設備へ更新する
故障対策だけなら単純更新と見られます。燃料使用量、蒸気量、稼働時間、更新設備の効率からエネルギー削減を計算できるなら、省エネ・非化石転換補助金を確認します。
第3回の公募要領が公開されるまで、前回の補助率・上限・指定設備を次回条件として確定しません。設備納期と事業完了期限も同時に確認します。
ケース4:新工場と生産ラインを一体整備する
既存事業と異なる新市場へ進出する中規模投資なら新事業進出枠、20億円以上の工場・設備投資なら大規模成長投資補助金を比較します。建物が対象候補でも、土地代や対象外工事まで補助されるとは限りません。
補助率・上限だけでなく、従業員数、投資下限、賃上げ、付加価値、金融機関確認、用地・建築・設備の契約時期を照合します。
申請前に確認する製造業の落とし穴
設備の納期を優先して先に発注すると、交付決定前着手で補助対象外になる可能性があります。発注書を出していなくても、拘束力のある予約、内金、キャンセル料付きの合意が契約とみなされるか確認します。
採択されても申請額がそのまま交付・入金されるとは限りません。交付申請や実績確認で対象経費が減り、賃上げ等の事後要件を満たせなければ返還が生じる制度もあります。
手続きを進めるポイント
- 旧制度の記事を2026年の現行条件として読んでいる
- 補助上限を受給予定額として資金繰りへ入れている
- 設備能力が現状生産量に対して過大になっている
- 現状KPIを設備導入前に測っていない
- 賃上げの原資を売上・利益計画へ反映していない
- 設備納期と実績報告期限をメーカーへ共有していない
- 支援者任せで自社が事業計画を説明できない
製造業の補助金に関するよくある質問
制度横断で迷いやすい点を整理します。個別の対象可否は、申請回の公募要領と事務局の回答を優先してください。
古い工作機械の更新だけでも対象ですか
同等品への単純更新だけでは対象になりにくい制度があります。新製品開発、省力化、省エネ等の政策目的と、導入前後の数値変化を説明できるか確認します。
ものづくり補助金へ今から申請できますか
従来制度の23次公募は2026年5月8日に締め切られました。新規計画では、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金や省力化投資補助金等の現行制度を確認します。
補助上限3,500万円なら3,500万円もらえますか
いいえ。認められた対象経費に補助率を掛けた額と、自社の従業員区分・特例の上限を比較して決まります。対象外経費、消費税、減額も自己負担へ入れます。
設備を先に予約してもよいですか
予約が契約・発注に当たる場合があります。納期確保のためでも、交付決定前着手を認めない制度では対象外になり得るため、拘束力のある合意や内金の前に確認します。
工場建屋も補助対象ですか
制度によります。新事業進出枠、グローバル枠、大規模成長投資補助金等では建物が対象候補ですが、土地、すべての工事、既存建物の一般修繕まで対象になるとは限りません。
個人事業主の製造業も申請できますか
個人事業主を含む制度がありますが、業種・規模、確定申告、事業実態、従業員、賃上げ等の条件を満たす必要があります。制度ごとの補助対象者定義を確認します。
複数の補助金へ同じ設備を申請できますか
同じ設備・同じ経費の重複補助は制限される場合があります。候補を比較する段階と、実際に併用・重複申請する段階を分け、双方の公募要領と窓口で確認します。
設備販売会社へ申請を任せてもよいですか
資料準備の支援を受けても、申請内容の責任は申請者にあります。新制度では外部支援者が申請者に代わって事業計画を作成することは認められていないため、自社で内容と数値を説明できる状態にします。
製造業が制度を選ぶ最終チェックリスト
候補制度を二つまでに絞ったら、次の項目を設備の稟議書と一緒に確認します。締切に間に合うかではなく、採択後に実行・報告・資金返済まで完了できるかで判断してください。
ここで確認するポイント
- 投資目的を新製品、省力化、省エネ、研究、DX、工場新設から一つ選んだ
- 公募中、公募予定、終了、次回未定を区別した
- 2026年の最新公募要領と更新日を確認した
- 既存工程と導入後工程を図にした
- 作業時間、生産量、不良率、エネルギー等の現状値を測った
- 設備のメーカー、型番、台数、設置場所、納期を確認した
- 単純更新、中古、リース、建物、付帯工事の可否を確認した
- 交付決定前の予約、契約、発注、支払いを止めている
- 補助率と上限から補助見込額を試算した
- 対象外経費、消費税、減額を自己負担へ入れた
- 設備代金を先に支払う月別資金繰りを作った
- 付加価値、賃上げ、最低賃金の事後要件を年度別に試算した
- 設備納期と事業完了・実績報告期限が収まる
- 採択されない場合の代替投資・融資・税制を決めた
申請前チェックリスト
- 設備名ではなく投資目的から候補を選んだ
- 旧制度と2026年の現行制度を分けて確認した
- 発注前に対象経費・公募状況・事業期間を確認した
- 補助上限ではなく補助率と対象経費から試算した
- 賃上げ・返還・入金までの月別資金繰りを確認した
次に確認するページ
公式情報・出典
制度内容や日程は改定される場合があります。申請前に最新版をご確認ください。
