職場の熱中症対策に使える補助金【2026年】義務化と対象設備
2026年に職場の熱中症対策へ使える補助金・奨励金を、エイジフレンドリー補助金と自治体制度に分けて解説。WBGT28度・気温31度の法令基準、対象事業者、補助率・上限、対象設備、対象外品、申請順を整理します。
この記事でわかること
- WBGTが28度以上または気温が31度以上の場所で、継続して1時間以上または1日当たり4時間を超える作業が見込まれる場合は、報告体制、対応手順、関係者への周知を補助金の採否にかかわらず整えます。
- 2026年度エイジフレンドリー補助金の熱中症対策コースは、1年以上事業を行い、60歳以上の労災保険適用労働者を常時1人以上雇用する中小企業が主な対象です。補助率は2分の1、補助上限は100万円です。
- 対象品は条件付きです。電動ファン付き作業服や移動式で熱排気できるスポットクーラー等は候補ですが、2026年度のWBGT指数計、扇風機、保冷剤、飲料、遮熱塗装等は同コースの補助対象外です。
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職場の熱中症対策は法令対応と補助金申請を分けて進める
職場の熱中症対策を進めるときは、最初に安全衛生上の対応を整え、その後で設備費の一部を補助金や奨励金へ当てはめます。補助金へ申請中だから対策を待つ、採択されなかったから報告体制を作らないという進め方はできません。
2025年6月1日施行の改正労働安全衛生規則が義務付けた中心事項は、すべての職場へ一律に空調服やスポットクーラーを買うことではありません。一定の暑熱作業について、異常を早期に報告できる体制、症状悪化を防ぐ実施手順、関係作業者への周知をあらかじめ整えることです。
一方、2026年度エイジフレンドリー補助金の熱中症対策コースは、60歳以上の高年齢労働者が暑熱作業へ就く中小企業を対象とした設備導入支援です。法令上の対象範囲と補助金の対象者は一致しないため、「義務があるか」と「補助を受けられるか」を別々に判定します。
| 判断 | 確認する基準 | 結論 |
|---|---|---|
| 法令対応が必要か | 暑さ、作業時間、作業場所、従事者 | 報告体制・手順・周知を先に整備 |
| 国の補助対象か | 中小企業、事業年数、60歳以上の労働者、暑熱作業 | エイジフレンドリー補助金を確認 |
| 地域制度があるか | 本社・事業所所在地、企業規模、対象期間 | 都道府県・市区町村の制度を確認 |
| 買いたい物が対象か | 機器の用途、仕様、台数、発注時期 | 年度のQ&Aと見積仕様を照合 |
2026年7月29日時点で確認できる主な支援制度
全国制度では、2026年度エイジフレンドリー補助金の熱中症対策コースが5月20日から10月31日まで申請を受け付けています。ただし、予算額に達した場合は受付期間中でも終了することがあるため、10月末まで待てるとは限りません。
東京都の暑さに配慮した職場環境づくり奨励金は、都内小規模企業等を対象に20万円を定額支給する制度です。第1回と第2回の事前エントリーは終了し、第3回は8月24日から8月28日、第4回は10月19日から10月23日が予定されています。
自治体制度は短期間で終了する例があります。佐賀市職場の熱中症対策支援補助金は6月30日に受付を終了しました。終了済み制度を現在申請できる制度として案内せず、次年度準備の参考として対象品・必要書類・実施記録を確認します。
| 制度 | 主な支援 | 現在の状況 |
|---|---|---|
| エイジフレンドリー補助金 熱中症対策コース | 補助率1/2、上限100万円 | 5月20日~10月31日、予算到達で早期終了あり |
| 東京都 暑さに配慮した職場環境づくり奨励金 | 20万円定額、年間1,000社予定 | 第3回8月24日~28日、第4回10月19日~23日予定 |
| 佐賀市 職場の熱中症対策支援補助金 | 補助率1/2、従業員ありは上限20万円 | 6月30日で受付終了 |
| その他の自治体制度 | 冷却機器、WBGT計、作業服等を地域別に支援 | 所在地ごとに受付中・終了・次回未定を確認 |
熱中症対策の義務化が適用される作業を判定する
改正労働安全衛生規則の対象となる「暑熱な場所」は、WBGTが28度以上または気温が31度以上の場所です。事業場内の固定した作業場だけでなく、出張先、複数の作業場所、作業場所間の移動も含みます。
その場所で継続して1時間以上または1日当たり4時間を超えて行うことが見込まれる作業が、熱中症を生ずるおそれのある作業に当たります。非定常作業や臨時作業でも、条件を満たす見込みなら対象です。
この数値は対策を始める唯一の境界線ではありません。身体作業強度、防護服、直射日光、放射熱、暑熱順化の有無、疾患等によっては、28度未満でも予防措置が必要です。数値を下回ったことだけで安全と判定しないようにします。
気温だけでなくWBGTを作業場所で把握する
WBGTは気温に加えて湿度、風速、輻射熱を考慮する暑さ指数です。天気予報や地域の推計値は事前判断に使えますが、炉、厨房、屋根上、日なたと日陰など現場内で条件が異なる場合は、作業場所での実測を基本にします。
作業時間は予定段階で判定する
実際に1時間を超えてから対策を始めるのではなく、作業計画、工程表、過去の所要時間から超える見込みを判定します。請負現場や配送先など日ごとに場所が変わる場合も、責任者と連絡方法を作業前に決めます。
元請・下請が混在する現場でも各事業者が対応する
混在作業では元方事業者だけが対応すればよいわけではありません。各事業者が自社の作業従事者に対する報告体制と対応手順を整え、現場全体の緊急連絡網、搬送先、入退場管理と接続します。
事業者が先に整える3つの義務
対象となる暑熱作業では、熱中症の自覚症状がある作業者や、異常が疑われる作業者を見つけた人が報告できる体制を整えます。連絡先だけでなく、誰が連絡を受け、誰が現場へ行き、誰が救急要請を判断するかまで決めます。
次に、作業からの離脱、身体の冷却、必要に応じた医師の診察・処置、緊急連絡網、搬送先の連絡先と所在地を含む実施手順を作ります。最後に、その体制と手順を関係作業者へ周知します。
報告体制は一人作業でも機能させる
電話や無線、定時連絡、巡視、バディ制、位置情報、ウェアラブル等から現場に合う方法を組み合わせます。ウェアラブルだけでは状態を正確に把握できない場合があるため、定時連絡や巡視を省略する理由にはしません。
実施手順は現場名と搬送先まで具体化する
汎用のポスターを貼るだけでなく、現場住所、責任者、救急車を誘導する入口、最寄りの医療機関、冷却場所、冷却資材、夜間休日の連絡方法を記載します。拠点が複数ある会社は作業場ごとに作ります。
周知は掲示だけで終わらせない
掲示、メール、文書配布、朝礼、入場時教育などで周知し、外国人労働者には理解できる言語や図示を使います。教育日、対象者、使用資料、参加記録を残すと、実施状況を後から確認できます。
2025年の職場熱中症は確定値で1,803人
厚生労働省の確定値では、2025年の職場における熱中症による死亡・休業4日以上の死傷者は1,803人で、前年比546人、約43%増でした。死亡者は19人で、前年比12人、約39%減です。
死傷者数は統計開始以来最多で、製造業、建設業、商業、運送業、警備業など幅広い業種で発生しています。屋外作業だけの課題と考えず、厨房、倉庫、工場、バックヤード、車両周辺、訪問業務を含めてリスクを洗い出します。
設備購入の有無だけでなく、教育を実施したか、持病や健康診断の所見へ配慮したか、異常を早く見つけられたかが重篤化防止に影響します。補助金の記事であっても、設備費だけに判断を狭めないことが重要です。
エイジフレンドリー補助金の申請対象を確認する
2026年度エイジフレンドリー補助金は、1年以上事業を実施し、役員を除く自社の労災保険適用の60歳以上の高年齢労働者が常時1人以上就労している中小企業事業者を対象とします。派遣先が派遣労働者のために申請する制度ではありません。
中小企業の規模は業種別に判定します。小売業は労働者50人以下または資本金5,000万円以下、卸売業は100人以下または1億円以下、サービス業は100人以下または5,000万円以下、その他の業種は300人以下または3億円以下が目安です。
熱中症対策コースでは、60歳以上の対象労働者が、屋外または温湿度調整後も室温31度・WBGT28度を超える屋内の暑熱作業へ就いていることを説明します。単に会社へ60歳以上の従業員が在籍しているだけでは、申請する機器との関係が不足します。
60歳以上の労働者と機器の使用場所を結び付ける
対象者の人数、雇用関係、従事する作業、作業場所、作業時間、暑さ、導入機器の使用方法を一覧にします。個人が着用する電動ファン付き作業服等は、原則として対象となる高年齢労働者の人数分が上限です。
屋内作業は温湿度調整をしても下がらない理由を示す
炉、蒸気、厨房設備、開放扉、建物構造などにより空間全体を冷やせない場合は、既存空調、換気、測定値、熱源の位置を示します。一般的な事務室の空調更新を熱中症対策コースへ当てはめないようにします。
補助率・上限・申請期間を金額へ置き換える
熱中症対策コースの補助率は2分の1、補助上限は100万円です。消費税は補助対象経費に含まれません。税抜120万円の対象経費が認められれば計算上の補助額は60万円、税抜240万円なら計算上120万円でも上限100万円です。
申請受付は2026年5月20日から10月31日で、支払請求書の受付期限は2027年1月31日です。審査には目安として約2か月を要するため、締切間際の申請では、交付決定後の発注、納品、支払、報告を期限内に終えられないおそれがあります。
交付申請後に審査があり、すべての申請者へ交付されるわけではありません。また、予算額に達した場合は早期終了があります。必要な安全措置は自費でも先に実施し、補助申請する設備だけ発注時期を管理します。
| 税抜の対象経費 | 補助率1/2の計算 | 上限適用後 |
|---|---|---|
| 40万円 | 20万円 | 20万円 |
| 120万円 | 60万円 | 60万円 |
| 200万円 | 100万円 | 100万円 |
| 240万円 | 120万円 | 100万円 |
補助対象になり得る機器は仕様まで確認する
エイジフレンドリー補助金の対象可否は、商品名だけでなく用途、設置場所、仕様、使用者数で決まります。販売会社の「補助金対応」という表示だけで発注せず、2026年度リーフレットとQ&Aへ型番・仕様を照合します。
見積書には、メーカー、型番、数量、単価、税抜額、機能が分かる資料を付けます。冷却機器の場合は熱排気、移動式か、標準使用期間、容量、通信・集中管理機能など、公式条件を確認できる仕様書が必要です。
電動ファン付き作業服・冷却装備
体温を下げる機能がある電動ファン付き作業服は、熱中症リスクの高い作業場や屋外作業で使用する場合に対象候補です。補助対象数量は高年齢労働者の人数分が基本となるため、予備分や全社員分を一括計上しないようにします。
移動式スポットクーラー
作業場または休憩場所に設置する移動式で、熱排気を屋外等へ逃がせるスポットクーラーが候補です。標準使用期間5年以上などの条件も確認します。排熱が同じ空間へ戻る設置では、かえって周囲を暑くするため配置図も用意します。
冷凍ストッカーと集中管理型ウェアラブル
アイススラリーや保冷剤を冷やす専用冷凍ストッカーは、最大400Lまでが対象候補です。ウェアラブルは、本人だけへの通知ではなく通信で集中管理でき、熱中症に関する異常を検知する目的で深部体温を推定できる機能が必要です。
2026年度に対象外と明記された物品を先に外す
2026年度Q&Aでは、WBGT指数計は補助対象外です。安全管理ではWBGT把握が重要でも、エイジフレンドリー補助金で購入費が出るとは限りません。東京都や市区町村ではWBGT計が対象になる場合があるため、制度ごとに区別します。
保冷剤、首に巻く冷却材、アイススラリー、スポーツドリンク等の消耗品そのものも対象外です。扇風機、送風機、サーキュレーター、気化式冷風機、水冷式エアコン、大容量スポットクーラー、保冷温庫、冷凍冷蔵庫も同コースでは対象外とされています。
建物の屋根への遮熱塗装、壁への断熱材組込みも対象外です。安全上必要な工事をしない理由にはせず、別の省エネ・建物改修制度、自費、賃貸人との負担分担を検討します。
| 品目 | 同コースでの扱い | 確認点 |
|---|---|---|
| 電動ファン付き作業服 | 対象候補 | 暑熱作業、体温低下機能、対象者人数 |
| 移動式スポットクーラー | 対象候補 | 熱排気、標準使用期間、設置場所 |
| 専用冷凍ストッカー | 対象候補 | 冷凍専用、最大400L |
| WBGT指数計 | 補助対象外 | 測定は必要、他制度・自費を確認 |
| 扇風機・送風機・サーキュレーター | 補助対象外 | 自治体制度では別判断 |
| 保冷剤・飲料・アイススラリー | 補助対象外 | 消耗品費として自社負担 |
| 遮熱塗装・断熱工事 | 補助対象外 | 省エネ・改修制度を別途確認 |
補助金を探す前に職場の暑熱リスクを一枚へまとめる
機器カタログから対策を選ぶのではなく、作業場所、時間帯、熱源、WBGT、身体作業強度、服装、人数、年齢、休憩場所、異常時の連絡方法を一枚のリスクマップへ整理します。日ごとに場所が変わる仕事は、代表的な作業パターンを分けます。
測定値は、日時、場所、高さ、日なた・日陰、作業内容、測定器を記録します。導入後も同じ条件で測定し、作業中断回数、休憩の取りやすさ、体調不良の申告、ヒヤリハットと合わせて対策の効果を確認します。
作業場所を点ではなく動線で見る
工場なら熱源前だけでなく、材料受入、搬送、検品、休憩所までの動線を確認します。配送なら荷台、積込場所、運転席、納品先、待機場所を分けます。涼しい休憩場所まで遠い場合は、移動時間も暑熱ばく露に含めて考えます。
暑熱順化と個人差をリスクへ加える
新規入職、長期休暇明け、梅雨明け、急な気温上昇時は暑熱順化が不十分です。持病、服薬、睡眠不足、前日の飲酒、朝食未摂取、体調不良も確認し、個人情報へ配慮しながら作業変更や休憩頻度へ反映します。
作業環境・作業時間・健康管理を重ねて対策する
熱中症対策は、一つの機器で完結しません。熱源を遮る、通風・冷房を行う、涼しい休憩場所を設けるという作業環境管理に、作業時間短縮、休憩、暑熱順化、水分・塩分、巡視を重ねます。
さらに、健康診断結果や当日の体調を踏まえて作業を調整し、熱中症の症状、予防、救急処置、過去事例を教育します。補助対象にならない対策も含めて実施計画を作り、その一部の設備費だけを制度へ申請します。
作業環境管理で熱を入れない・逃がす
発熱体と労働者の間に遮へい物を設け、屋外では直射日光と照り返しを遮る簡易屋根等を検討します。通風や冷房設備を設け、散水で湿度が上がる場所ではWBGTがかえって悪化しないか確認します。
冷房を備えた休憩場所を作業場所の近くへ置く
休憩場所は足を伸ばして横になれる広さを確保し、氷、冷たいおしぼり、水風呂、シャワー等の身体冷却手段を用意します。休憩場所までの移動が長い、鍵が掛かる、荷物置場と兼用で休めない状態を避けます。
休憩と水分・塩分を記録で確認する
本人の喉の渇きだけに任せず、作業前後と作業中に水分・塩分を摂取できる時間を設けます。持病等で塩分制限がある労働者は、主治医・産業医等へ相談し、全員へ同じ摂取量を強制しません。
業種別に設備と運用の組合せを変える
同じWBGTでも、身体作業強度、防護具、熱源、移動、単独作業の有無で優先対策が変わります。補助対象品の一覧から選ぶのではなく、現場で最も危険なばく露を減らす組合せを選びます。
| 現場 | 主なリスク | 組み合わせる対策 |
|---|---|---|
| 建設・屋根・道路 | 直射日光、照り返し、重作業、現場移動 | 日よけ、時間変更、休憩所、冷却服、バディ制 |
| 工場・炉・溶接 | 放射熱、屋内蓄熱、防護服 | 遮へい、局所冷却、排熱、作業交代、測定 |
| 倉庫・物流・配送 | 荷台蓄熱、積込、単独行動、移動先の差 | 積込時間短縮、車両連絡、冷却拠点、定時確認 |
| 厨房・食品製造 | 蒸気、火気、湿度、滑り、衛生服 | 排気、局所冷房、休憩、交代、衛生と冷却の両立 |
| 警備・巡回・訪問 | 立位、日なた、一人作業、休憩場所不足 | 配置変更、定時連絡、巡回ルート、携帯冷却、退避先 |
| 介護・清掃 | 入浴介助、防護具、狭い室内、利用者対応 | 作業交代、換気冷房、体調確認、休憩確保 |
熱中症が疑われたときの対応手順を止まらず実行する
異常を認めたら作業を中断し、涼しい場所へ移し、衣服を緩め、身体を冷やします。意識状態、呼び掛けへの反応、水分を自力で摂取できるかを確認し、必要に応じて救急隊を要請または医師の診察を受けさせます。
判断に迷う状態で本人を一人にしないことが重要です。休ませた後に作業へ戻すかは本人の希望だけで決めず、症状、作業内容、医療機関の指示を踏まえます。搬送した場合は家族連絡、現場引継ぎ、発生状況の記録も行います。
緊急連絡網に役割と代替者を書く
発見者、現場責任者、安全衛生担当、救急要請者、入口誘導者、家族連絡者を決め、担当者不在時の代替者も記載します。現場住所と入口が分かりにくい場合は地図や目印を添えます。
発生記録を翌日の予防へつなげる
発生日時、場所、WBGT・気温、作業、服装、休憩、水分、暑熱順化、症状、対応、搬送先を記録します。個人を責める材料にせず、工程、配置、設備、教育、報告の改善へ使います。
東京都の奨励金は国制度と対象・支給方法が異なる
東京都の暑さに配慮した職場環境づくり奨励金は、本社または主たる事業所が都内にある小規模企業等で、熱中症を生ずるおそれのある作業を行う職場があること等を要件とします。奨励金額は1社20万円の定額です。
申請には、WBGT値の活用と熱中症予防対策、対象物品の購入、両方の報告が必要です。物品を買うだけでは完了しません。年間1,000社を4回に分け、各回事前エントリーが予定数を超えた場合は抽選となります。
第3回事前エントリーは2026年8月24日から28日、第4回は10月19日から23日の予定です。第3回の対象事業取組期間は2027年1月31日まで、第4回は3月31日までとされています。申請時には必ず特設サイトの最新日程と募集要項を再確認します。
事前エントリー通過は支給決定ではない
事前エントリーを通過しても、必要な取組、物品購入、報告、支給申請を行い、審査で支給決定されなければ振り込まれません。抽選結果を採択や受給確定と表現しないようにします。
GビズIDと支払証拠を先に用意する
申請はJグランツを使うため、GビズIDを確認します。物品の支払関係書類、雇用保険被保険者資格取得等確認通知書、会社概要、履歴事項全部証明書、納税証明書等が必要です。
自治体の熱中症対策補助金は所在地から探す
自治体制度は、国制度で対象外となるWBGT計、扇風機、冷却ベスト等を対象に含む場合があります。その一方で、対象業種、従業員数、購入期間、最低事業費、固定式空調の扱い、地域内事業所、税の滞納要件などが独自に設定されます。
検索時は「都道府県名 職場 熱中症 補助金」「市区町村名 暑さ対策 事業者」「産業振興 熱中症 奨励金」に加え、職場環境改善、人材定着、労働災害防止、物価高騰対策の名称も確認します。
佐賀市の終了制度から対象・対象外を学ぶ
2026年度佐賀市制度では、スポットクーラー、業務用扇風機、空調服・冷却ベスト、WBGT計測器等を対象としていました。一方、飲食物・消耗品、休憩室の新増改築、固定式のルームエアコン、他制度の対象経費は除外していました。
終了済み制度は次年度の実施を保証しない
前年度の要綱やチラシは、見積項目、必要書類、記録方法を準備する参考にはなります。ただし、次年度も同じ制度が実施される、補助率・上限・対象品が同じとは限らないため、予算へ受給見込みを確定計上しません。
設備の発注前に補助対象と資金計画を確定する
エイジフレンドリー補助金は、交付決定前に契約、発注、購入を行った経費を支払いません。交付決定後に取組を開始し、取組がすべて完了した後に代金を支払います。前払いも認められないため、販売会社と支払条件を確認します。
安全上すぐ必要な機器まで申請結果を待つのではなく、緊急対応用に自費で先行する物と、交付決定後に発注する申請対象物を分けます。同じ機器を国・自治体の両方へ重複計上しないよう、見積・請求書・支払を制度別に管理します。
補助金は後払いです。設備の税抜本体費、消費税、対象外品、設置・運搬、保守、運転費、予備品、入金までの立替を分けて、補助金が減額または不交付でも安全対策を継続できる予算を用意します。
見積取得と発注は別の行為として管理する
申請前に比較見積や仕様確認を行っても、注文書、契約、購入予約、工事着手は交付決定後にします。担当者だけでなく購買部門と現場責任者へ発注禁止期間を共有します。
対象外費用を含む総額で資金を準備する
上限100万円は受給予定額ではありません。補助率、上限、対象外費、消費税、審査、実績確認によって入金額が変わります。申請額と自社の支払総額を別々に管理します。
申請は現場確認から支払請求まで逆算する
申請書では、対象労働者、暑熱作業、現状のリスク、導入機器、数量、期待する効果を結び付けます。カタログの効果説明を写すだけでなく、どの場所で誰がどの時間帯に使い、既存対策の不足をどう補うかを記載します。
| 段階 | 行うこと | 残す証拠 |
|---|---|---|
| 現場確認 | 作業・対象者・暑さ・既存対策を特定 | 測定記録、写真、作業表 |
| 仕様選定 | 年度Q&Aと機器仕様を照合 | カタログ、型番、比較見積 |
| 交付申請 | 申請書と添付資料を郵送またはJグランツで提出 | 提出控え、受付記録 |
| 交付決定後 | 契約・発注し、計画どおり導入 | 注文書、納品書、設置写真 |
| 完了後 | 代金を支払い、効果と使用状況を確認 | 振込記録、使用記録 |
| 支払請求 | 2027年1月31日までに必要書類を提出 | 報告書、請求書類一式 |
申請は郵送またはJグランツで行う
2026年度リーフレットでは郵送またはJグランツで申請し、メール申請はできません。郵送時は消印を確認できない料金別納・料金後納や、受付日を確認できない宅配便を避けます。
導入後の写真と使用記録を残す
納品物、型番、設置場所、熱排気、使用者が分かる写真を残します。導入前後の作業環境、休憩、異常申告、作業中断等を記録し、機器を保管したままにしないよう運用責任者を決めます。
支払請求期限から発注期限を逆算する
納期が長いスポットクーラーやシステムは、10月末の申請では2027年1月31日の支払請求に間に合わない可能性があります。審査、交付決定、発注、納品、検収、支払、書類作成に必要な日数を見積もります。
職場の熱中症対策補助金で失敗しやすい点
失敗の多くは、法令対応と補助金を混同する、旧年度の対象品を使う、商品名だけで対象と判断する、交付決定前に発注する、導入後の運用がないという形で起こります。年度の公式Q&Aへ戻れる確認表を作ります。
熱中症対策義務化を設備購入義務と説明する
2025年6月の改正で明確に義務化された中心事項は、対象作業における報告体制、悪化防止の手順、関係者への周知です。特定商品を買えば法令対応が完了する、すべての会社に冷却服購入が義務という説明は避けます。
WBGT指数計も補助対象だと思い込む
WBGT把握は予防対策上重要ですが、2026年度エイジフレンドリー補助金ではWBGT指数計は補助対象外です。東京都や自治体制度では扱いが異なるため、制度名と年度を付けて判定します。
冷風機とスポットクーラーを同じ物として申請する
同コースでは、移動式で熱排気できるスポットクーラーが対象候補です。気化式冷風機、水冷式エアコン、大容量スポットクーラー、扇風機等は対象外とされているため、型番と構造を確認します。
交付決定通知を待たずに発注する
暑くなる前に確保したいという事情があっても、交付決定前の契約・発注・購入は補助対象外です。安全上待てない設備は自費導入へ切り分け、申請対象品と注文書を混ぜません。
機器を配って報告体制を作らない
冷却服やウェアラブルを導入しても、異常時の報告先、作業離脱、身体冷却、搬送判断が不明なら重篤化を防げません。設備担当、安全衛生担当、現場責任者が同じ手順を共有します。
職場の熱中症対策補助金のよくある質問
2026年7月29日時点の公式情報を基に、検索時に迷いやすい点を整理します。対象可否は、申請する制度の最新募集要項、リーフレット、Q&Aと事務局で確認してください。
60歳以上の従業員がいない会社も申請できますか
2026年度エイジフレンドリー補助金の熱中症対策コースは、役員を除く自社の労災保険適用の60歳以上の労働者が常時1人以上必要です。東京都や自治体制度は別の対象要件なので、所在地から探します。
WBGT計は補助対象ですか
2026年度エイジフレンドリー補助金のQ&Aでは、WBGT指数計は補助対象外です。東京都の奨励金や一部自治体制度では対象となる場合があるため、同じ品目でも制度別に確認します。
スポットクーラーならどれでも対象ですか
いいえ。エイジフレンドリー補助金では、移動式で熱排気できることなどが条件です。気化式冷風機、水冷式エアコン、大容量スポットクーラー等は対象外とされています。
空調服は全社員分を申請できますか
電動ファン付き作業服は対象候補ですが、補助対象となる数量は暑熱作業へ就く高年齢労働者の人数分が基本です。対象者と使用場所を申請資料へ対応させます。
飲料、塩飴、保冷剤も対象ですか
2026年度エイジフレンドリー補助金では、アイススラリー、スポーツドリンク、保冷剤等は対象外です。冷却用の専用冷凍ストッカーは仕様を満たす場合に対象候補です。
申請結果が出るまで熱中症対策を待ってもよいですか
待てません。報告体制、対応手順、周知、休憩、水分、作業変更など必要な安全対策は直ちに実施します。補助申請する設備だけ、交付決定前に発注しないよう分けます。
国と自治体の制度を両方使えますか
制度ごとに併用条件は異なりますが、同じ機器・同じ経費へ重複して補助を受けることはできません。対象品、請求書、支払、使用場所を分け、双方の要項と窓口へ確認します。
申請前チェックリスト
法令対応と補助申請を同じ担当者だけへ任せず、安全衛生、現場、総務、購買、経理で確認します。未確認項目には、確認先、期限、回答を記録します。
手続きを進めるポイント
- 作業場所ごとにWBGT・気温・作業時間を確認した
- 継続1時間以上または1日4時間超となる作業を特定した
- 報告先、責任者、代替者を含む報告体制を作った
- 作業離脱、身体冷却、救急要請、搬送先を手順化した
- 手順を関係作業者へ理解できる方法で周知した
- 2025年確定値と2026年ガイドラインを社内教育へ反映した
- 60歳以上の労災保険適用労働者と暑熱作業を対応させた
- 事業実績1年以上と中小企業規模を確認した
- 2026年度Q&Aで型番・仕様・台数を確認した
- WBGT指数計や扇風機等の対象外品を申請費から外した
- 国・都道府県・市区町村の受付状況を公式ページで確認した
- 交付決定前に契約・発注・購入しないよう購買へ共有した
- 対象外費、消費税、立替資金を含む総予算を用意した
- 導入前後の写真、測定、使用、教育の記録方法を決めた
- 2027年1月31日の支払請求期限から納期を逆算した
申請前チェックリスト
- 法令対象となる作業と3つの義務を確認した
- 国制度の対象事業者・対象労働者を確認した
- 2026年度Q&Aで対象機器と対象外品を確認した
- 交付決定後の発注と後払い資金を計画した
- 自治体制度の受付中・終了・次回予定を確認した
次に確認するページ
公式情報・出典
制度内容や日程は改定される場合があります。申請前に最新版をご確認ください。
