社員研修に使える助成金【2026年】対象研修と申請方法
社員研修に人材開発支援助成金を使うための2026年度要件を解説。集合研修、eラーニング、定額制、OJT、資格講座の選び方、助成率、10時間要件、対象外研修、計画届と必要書類が分かります。
この記事でわかること
- 現在の職務に直接必要な10時間以上のOFF-JTは、人材育成支援コースの人材育成訓練が基本候補です。
- 高度デジタル、定額制、IT未経験者のOJT付き訓練、将来職務のリスキリングは別メニューを比較します。
- 職業訓練実施計画届は訓練開始日の6か月前から1か月前までに提出し、受講料・出席・賃金の証拠を残します。
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社員研修で助成金を検討できる会社
社員研修に使う中心制度は、人材開発支援助成金です。事業主が雇用する労働者へ、職務に関連する専門的な知識・技能を身に付けさせる訓練を計画に沿って行った場合に、訓練経費や訓練中の賃金の一部を助成します。
一般的な社外研修なら人材育成支援コース、高度デジタル・定額制なら人への投資促進コース、新規事業・DX・将来職務への訓練なら事業展開等リスキリング支援コースが主な候補です。
研修費を支払えば自動的に助成される制度ではありません。対象事業主・労働者、訓練時間、職務との関連、計画提出、費用負担、受講記録、申請期限をすべて確認します。
| 確認項目 | 判断内容 | 確認資料 |
|---|---|---|
| 受講者 | 雇用保険被保険者、雇用区分、受講日 | 被保険者記録、労働者名簿 |
| 研修 | 職務との関連、時間、OFF-JT・OJT、実施方法 | カリキュラム、日程、講師資料 |
| 費用 | 事業主負担、対象経費、支払日、価格 | 見積、契約、請求、振込 |
| 期限 | 計画届、変更届、支給申請 | 工程表、提出控え |
研修形式から使うコースを選ぶ
社員研修という呼び方だけでは、対象コースを決められません。研修後の職務、講座のレベル、受講方法、OJTの有無、受講者の雇用区分を順に確認します。
人材開発支援助成金の全体像を知りたい場合と、実施予定の研修が対象か判断したい場合では必要な情報が違います。この記事では、実際の研修形式から選ぶ順番に絞って整理します。
| 研修形式 | 主な候補 | 重点確認 |
|---|---|---|
| 現在職務の外部研修 | 人材育成支援コース | 10時間以上、職務との直接関連 |
| 定額制・受け放題 | 人への投資促進コース | 対象ID、受講履歴、月額 |
| 高度デジタル | 人への投資促進コース | 対象レベル、資格・講座要件 |
| OJT+OFF-JT | 認定実習・有期実習等 | 認定、対象者年齢・雇用区分 |
| 新規事業・DX・将来職務 | 事業展開等リスキリング支援 | 事業・人事計画との対応 |
外部集合研修は人材育成訓練を確認
営業、製造、介護、経理など、現在の職務に直接必要な10時間以上のOFF-JTは、人材育成支援コースの人材育成訓練が基本候補です。
eラーニングは受講ログと修了を確認
オンライン研修も対象候補ですが、本人の受講時間、進捗、修了を確認できる必要があります。好きな時間に動画を見るだけで会社が実施状況を確認できない設計は避けます。
定額制研修は人への投資促進コースを確認
サブスクリプション型の研修サービスは、人への投資促進コースの定額制訓練が候補です。契約ID数ではなく、対象労働者の受講実績を残します。
OJT付き訓練は認定メニューを選ぶ
新卒者やIT未経験者、有期契約労働者等へOJTとOFF-JTを組み合わせる場合は、認定実習併用職業訓練、有期実習型訓練、情報技術分野認定実習併用職業訓練などの要件を比較します。
新規事業・DX研修はリスキリング支援を確認
事業展開、DX・GX、将来担当する職務のための10時間以上のOFF-JTは、事業展開等リスキリング支援コースが候補です。経営計画・人材育成計画との関係を示します。
対象事業主・労働者の基本要件
申請事業主は、雇用保険適用事業所の事業主であることが基本です。対象労働者は、その事業所の雇用保険被保険者で、訓練期間中も適正に賃金を支払われている必要があります。
職業能力開発推進者を選任し、事業内職業能力開発計画を策定して従業員へ周知します。有期実習型訓練など一部の扱いは異なるため、利用メニューのパンフレットを確認してください。
代表者、取締役、個人事業主本人など、雇用保険被保険者でない人の研修は対象になりません。内定者、派遣労働者、休業・育休中の人は、コースごとの対象時点と雇用関係を確認します。
雇用保険適用事業所が申請する
研修会社や受講者本人ではなく、訓練を実施して費用を負担する事業主が申請します。本社一括申請を使う場合も要件があります。
対象労働者は雇用保険被保険者が基本
受講日、訓練期間、支給申請時の雇用状況を確認します。外注先や取引先を一緒に受講させても、その費用まで対象になるとは限りません。
社内の人材育成計画を先に整える
研修の申込み前に、会社の人材育成方針、必要能力、対象者、受講後の活用を事業内職業能力開発計画へ整理します。
2026年度の主な助成率と賃金助成
人材育成支援コースの人材育成訓練では、正規雇用労働者等に対する経費助成率は中小企業45%、大企業30%、賃金助成は中小企業1人1時間800円、大企業400円が基本です。非正規雇用労働者の経費助成率は70%です。
訓練修了後に対象者の賃金を5%以上引き上げる、または資格等手当を新設して3%以上の賃金増加を満たす場合は、助成率・助成額が加算されます。正規雇用労働者等は経費60%・45%、非正規雇用労働者は85%、賃金助成は1,000円・500円となる区分があります。
受講者1人当たりの経費限度額、賃金助成の限度時間、年度の支給上限があるため、受講料へ率を掛けただけでは見込み額を計算できません。企業規模、訓練時間、雇用区分を入れて試算します。
| 対象・企業規模 | 通常の経費助成 | 通常の賃金助成 |
|---|---|---|
| 正規等・中小企業 | 45% | 1人1時間800円 |
| 正規等・大企業 | 30% | 1人1時間400円 |
| 非正規雇用労働者 | 70% | 中小800円・大企業400円 |
| 賃金要件等を満たす場合 | 正規等60%・45%、非正規85% | 中小1,000円・大企業500円 |
対象経費と会社負担の確認方法
事業外訓練では、受講料、教科書代など訓練に直接要する経費が対象候補です。事業内訓練では、部外講師への謝金、会場・設備の借上費、教材費、訓練コース開発費などが対象になる場合があります。
旅費、宿泊費、食費、通常業務で使う汎用機器、資格試験の受験料などは、同じ研修に伴う支出でも一律に対象とはなりません。利用コースの「対象となる経費/ならない経費」を費目ごとに確認します。
申請事業主が支給申請日までに対象経費を全額負担していることが基本です。受講者に一部を負担させる、研修会社から実質的な返金を受ける、助成金利用時だけ価格が違うといった取引は、対象性に影響します。
外部研修は受講料の内訳を残す
研修本体、教材、試験、システム利用、宿泊を分けた見積・請求を受け取ります。セット価格でも、対象外費用を区分できるようにします。
社内研修は講師・会場・教材を記録する
誰が何時間教え、どの会場・教材を訓練専用に使ったかを記録します。通常会議や日常の業務指示との違いを説明できるようにします。
受講者へ費用を転嫁しない
会社が負担したと申請する費用を、給与控除や立替精算で受講者に負担させないようにします。負担関係を契約・振込記録で確認します。
対象外になりやすい研修内容・実施方法
職務に必要な知識・技能の習得ではなく、社会人としての一般常識、意識啓発、趣味・教養、福利厚生、商品説明、通常の会議を主目的とするものは対象外になりやすい研修です。
業務の遂行中に行うOJTだけ、実訓練時間が10時間未満、講師と受講者が同じ場所・時間で通常業務を行うだけのものは、人材育成訓練のOFF-JT要件と合いません。
eラーニングで本人確認・受講時間・修了を確認できない場合、録画を視聴できる状態にしただけの場合も、実施を証明しにくくなります。
見落としやすい注意点
- 職務との直接関係がない一般教養・趣味・福利厚生
- 商品・サービスの説明だけで技能習得がない
- 通常業務の中で行うOJTだけの訓練
- 実訓練時間が10時間未満
- 参加者、受講時間、修了を確認できないオンライン研修
- 計画届より前に開始した研修
計画届・変更届・支給申請の順番
職業訓練実施計画届は、訓練開始日の6か月前から1か月前までに提出します。研修日が決まってから申請可否を調べ始めると、提出期限へ間に合わないことがあります。
訓練日、受講者、カリキュラム、講師など計画内容を変更するときは、変更届の期限と必要性を確認します。無断で別講座へ変更すると、計画と実績が一致しません。
訓練終了後は、原則として終了日の翌日から2か月以内に支給申請します。eラーニングや定額制訓練は、支給要件を満たした時点の考え方を最新パンフレットで確認してください。
| 段階 | 主な作業 | 期限の基準 |
|---|---|---|
| 社内準備 | 推進者選任、事業内計画策定・周知 | 計画届提出まで |
| 計画届 | 対象者・研修・費用の計画を提出 | 開始日の6か月前から1か月前 |
| 研修実施 | 出席・受講ログ・賃金を記録 | 認定計画どおり |
| 変更 | 日程・内容・対象者等の変更届 | 変更前など所定期限 |
| 支給申請 | 申請書と証拠書類を提出 | 原則、終了翌日から2か月以内 |
研修ケース別の対象判断
同じ会社でも、営業担当向けの提案研修、全社員向けの定額制IT研修、IT未経験者へのOJT付き訓練では、使うメニューと証拠が異なります。全研修を1つのコースへまとめないでください。
研修会社の「助成対象」という表示は、受講する会社・労働者の要件を保証しません。自社の雇用区分、計画提出日、費用負担、受講実績を管轄労働局へ確認します。
営業担当者の提案力研修
現在の営業職に直接必要な10時間以上の外部OFF-JTなら、人材育成訓練を検討します。一般的な自己啓発ではなく、商談分析、提案設計、交渉など職務との関係を示します。
全社員向け定額制IT研修
人への投資促進コースの定額制訓練を検討します。契約だけでなく、対象ID、受講講座、学習時間、修了を受講者単位で記録します。
未経験者へのIT研修と社内実習
情報技術分野認定実習併用職業訓練など、OJTとOFF-JTの組合せを対象にするメニューを確認します。訓練計画の認定と対象者年齢等の要件があります。
支給申請に必要な研修記録
計画届、カリキュラム、受講者一覧、雇用保険の確認資料、契約書、見積書、請求書、振込記録、出席簿、修了証、賃金台帳、出勤簿を一続きで確認します。
集合研修は開始・終了時刻と休憩、eラーニングはログイン・学習・修了、OJTは指導者・実施日・評価を記録します。研修会社の修了証だけで、会社が申請する全要件を証明できるわけではありません。
2026年5月14日以降に提出された計画に基づく支給申請では、受講料等の価格設定に関する疎明書である様式第28号が必要です。契約内容と価格内訳を研修会社へ早めに確認します。
手続きを進めるポイント
- 職業訓練実施計画届・変更届・提出控え
- カリキュラム、日程、講師、実訓練時間
- 対象労働者一覧と雇用保険資料
- 見積、契約、請求、振込記録
- 出席簿、受講ログ、修了証
- 賃金台帳、出勤簿、訓練日の賃金記録
- 受講料等の価格設定に関する様式第28号
研修会社を選ぶときの確認事項
助成金の受給を保証する研修会社や、助成額を前提に不自然な価格を設定する提案には注意が必要です。研修内容と価格、一般販売価格、助成金利用時の追加費用を確認します。
申請代行を依頼できる業務には資格上の制限があります。書類作成・提出を誰が行うか、研修会社、社会保険労務士、自社の役割を契約前に明確にしてください。
研修の質も助成可否と同じくらい重要です。受講後の職務成果、講師経験、演習、評価方法、サポートを比較し、助成金がなくても必要な研修かを判断します。
一般価格と助成金利用時価格を比較する
同じ内容で価格差がある場合は理由と内訳を確認します。2026年度の様式第28号でも価格設定の説明が求められます。
申請支援の担当範囲を契約へ書く
計画届、変更届、支給申請、労働局対応を誰が行うかを明記します。最終的な申請内容は事業主も確認し、提出版を保存します。
研修効果を助成金以外でも評価する
修了率、成果物、業務時間、品質、売上など、研修目的に合う指標を決めます。採択・支給だけを成功基準にしないでください。
社員研修助成金のよくある質問
研修開始後に計画届を出しても、その研修をさかのぼって対象にはできません。開始日の1か月前までに提出できる日程を組みます。
研修中の賃金は、コースと実施方法により賃金助成の対象になります。eラーニングや通信制など賃金助成の対象外となる方法もあります。
1日だけの研修も対象ですか
人材育成訓練は実訓練時間10時間以上が基本です。複数日に分ける場合も、同じ訓練コースとして内容・日程が計画されているか確認します。
社員が自分で選んだ資格講座も対象ですか
業務命令の訓練と、労働者が自発的に受講する訓練では使うメニューが違います。自発的職業能力開発訓練の制度導入・費用負担要件を確認します。
オンライン研修にも賃金助成がありますか
実施方法によって異なります。eラーニング・通信制は賃金助成の対象外となる場合があるため、経費助成と分けて確認してください。
申請前チェックリスト
- 受講者が申請事業所の雇用保険被保険者である
- 研修形式に合うコース・メニューを選んだ
- 職務との関連と10時間以上のOFF-JTを確認した
- 開始日の6か月前から1か月前までに計画届を提出できる
- 対象経費を事業主が全額負担する
- 出席・受講ログ・修了・賃金の記録を残せる
- 2026年5月14日改正の様式第28号を確認した
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公式情報・出典
制度内容や日程は改定される場合があります。申請前に最新版をご確認ください。
