人材開発支援助成金2026の7コース・助成率・申請方法
2026年度の人材開発支援助成金について、7コースの選び方、対象訓練、経費助成・賃金助成、計画届、様式28号、申請でつまずきやすい点を公式情報で整理します。
この記事でわかること
- 雇用する労働者へ職務に関連する訓練を計画的に実施する事業主等を支援します。
- 2026年度は7コースがあり、通常訓練、デジタル人材、リスキリング、教育訓練休暇、建設、障害者訓練で選択肢が異なります。
- 訓練開始前の計画届に加え、2026年5月14日以降の一部支給申請では受講料等の価格設定に関する疎明書が必要です。
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人材開発支援助成金は誰の何を支援する制度か
人材開発支援助成金は、事業主等が雇用する労働者に、職務に関連する専門知識や技能を習得させる訓練を計画に沿って実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部などを助成する制度です。
社員が個人で受講料を申請する制度ではありません。雇用保険適用事業所の事業主が、対象労働者、訓練目的、カリキュラム、実施期間、費用負担を整理して申請します。
外部講座であれば何でも対象になるわけではなく、趣味・教養、通常業務の説明、法定講習の扱いなどはコースと訓練内容により判断が分かれます。まず「誰を、どの職務へ、何の技能を身につけさせるか」を一文にしてください。
| 質問 | 整理する内容 | 確認資料 |
|---|---|---|
| 誰を育成するか | 正規・非正規、年齢、雇用保険加入 | 雇用契約書、被保険者情報 |
| 何を学ぶか | 現在または将来の職務との関係 | 職務記述、訓練カリキュラム |
| どう受講するか | 通学、同時双方向、eラーニング、OJT | 日程、受講管理方法 |
| 誰が払うか | 事業主負担、労働者負担、定額制契約 | 見積書、契約書、請求書 |
2026年度の7コースを訓練目的で比較
2026年度は、人材育成支援、教育訓練休暇等付与、人への投資促進、事業展開等リスキリング支援、建設労働者認定訓練、建設労働者技能実習、障害者職業能力開発の7コースです。
社員向けの一般的な職務訓練は人材育成支援、高度デジタル人材や定額制研修、自発的訓練は人への投資促進、新規事業やDX・GXに伴う技能習得は事業展開等リスキリング支援が主な候補です。
コース名が似ていても助成対象と申請書類は異なります。研修会社の商品名ではなく、公式パンフレットの訓練区分へ当てはめます。
| コース | 主な利用場面 | 最初の確認 |
|---|---|---|
| 人材育成支援 | 職務に関連するOFF-JT、OJT付き訓練、非正規の正社員化訓練 | 訓練時間と実施方式 |
| 教育訓練休暇等付与 | 有給の教育訓練休暇制度を導入・利用 | 制度導入と休暇取得実績 |
| 人への投資促進 | 高度デジタル、定額制、自発的訓練、長期休暇 | 訓練メニューと費用負担 |
| 事業展開等リスキリング支援 | 新規事業、DX、GXに必要な技能 | 事業展開との具体的関係 |
| 建設労働者認定訓練 | 建設事業主等が認定職業訓練を実施 | 建設要件と認定訓練 |
| 建設労働者技能実習 | 建設労働者へ技能実習を実施 | 対象実習と受講記録 |
| 障害者職業能力開発 | 障害者の能力開発施設・訓練を運営 | 施設・対象者・訓練要件 |
人材育成支援コース
現在の職務に必要なOFF-JT、認定実習併用職業訓練、有期雇用労働者等の正社員化を目指す訓練などが中心です。一般的な社員研修はまずこのコースを確認します。
教育訓練休暇等付与コース
有給の教育訓練休暇制度等を新たに導入し、労働者が実際に休暇を取得して訓練を受ける取組を支援します。制度規定と利用実績の両方が必要です。
人への投資促進コース
高度デジタル人材、成長分野、定額制訓練、自発的職業能力開発、長期教育訓練休暇など複数のメニューがあります。2026年度の新規採用助成等も専用資料で確認します。
事業展開等リスキリング支援コース
新規事業の立上げやDX・GXなど、事業展開に伴い新たに必要となる知識・技能の訓練が対象です。既存業務の通常研修との違いを事業計画で示します。
建設労働者認定訓練コース
建設事業主等が職業能力開発促進法による認定職業訓練を行う場合の支援です。建設業であればすべて対象になるのではなく、認定訓練と対象事業主の要件を確認します。
建設労働者技能実習コース
建設労働者に技能実習を受けさせる場合の経費や賃金の一部を助成します。実習の種類、受講者、企業規模、訓練日ごとの記録が必要です。
障害者職業能力開発コース
障害者の職業能力開発に必要な施設・設備の設置や運営等を支援するコースです。一般企業の単発研修とは申請主体や事業内容が異なります。
助成率と助成額はコース・訓練・企業規模で変わる
人材開発支援助成金は、訓練経費に率を掛ける経費助成、訓練時間中の賃金に対する1人1時間当たりの賃金助成、OJTの実施助成などを組み合わせます。すべてのコースに同じ率が適用されるわけではありません。
2026年度の人材育成支援コースでは、一般的な人材育成訓練の例として、中小企業の正規雇用労働者は経費助成45%、非正規雇用労働者は70%、賃金助成は1人1時間800円です。賃金要件または資格等手当要件を満たす場合は助成率・額が引き上げられる区分があります。
人への投資促進や事業展開等リスキリング支援は別の率・上限です。検索結果で見た最大助成率を自社の講座へそのまま当てはめず、選んだ訓練メニューの詳細版パンフレットで確認してください。
| 要素 | 計算の基準 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 経費助成 | 認められた受講料等×助成率 | 1人・1訓練・年度の上限 |
| 賃金助成 | 対象時間×1人1時間当たり助成額 | eラーニング等は対象外の場合 |
| OJT実施助成 | 対象者・訓練ごとの定額 | 認定された訓練方式か |
| 制度導入助成 | 休暇制度等の導入・利用に対する定額 | 制度規定と利用実績の両方 |
2026年度の変更点と様式28号
2026年度は、人材育成支援コースに45歳以上の被保険者を対象とする中高年齢者実習型訓練が新設されました。人への投資促進コースでは新規採用助成・職務代行助成、事業展開等リスキリング支援コースでは設備投資加算が案内されています。
さらに2026年5月14日の支給要領改正により、人材育成支援、人への投資促進、事業展開等リスキリング支援の一部支給申請では、受講料等の価格設定に関する疎明書(様式第28号)が必要になりました。
電子申請画面の改修前に申請する場合は、厚生労働省の案内に従い、その他の必要書類欄へ様式28号を添付します。計画届を提出した時期ではなく、支給申請日と対象訓練の条件で必要性を確認してください。
対象訓練かどうかを見分ける
対象訓練の判定では、職務関連性、実訓練時間、受講方法、講師・訓練機関、受講料の負担、受講記録を確認します。研修名にDXやリスキリングと書かれているだけでは、対象とは決まりません。
eラーニングや通信制訓練は対象になり得ますが、経費助成のみとなる訓練や、進捗・修了を確認できる仕組みが必要な区分があります。ライブ配信が同時双方向型に当たるか、録画視聴時間をどう記録するかも事前に確認します。
定額制サービスでは、契約期間中に誰がどの講座を受講したかを追える管理画面が重要です。利用していないアカウント分や職務と関係のない講座を含め、契約額全体が助成対象になるとは限りません。
| 確認事項 | 質問例 | 保存する資料 |
|---|---|---|
| カリキュラム | 科目・時間・到達目標は何か | 講座案内、時間割 |
| 実施方式 | 通学・ライブ・録画・OJTの内訳 | 実施要領、配信仕様 |
| 受講記録 | 出席・進捗・修了を証明できるか | ログ、修了証、出席簿 |
| 価格 | 通常価格と割引、関連会社向け価格は何か | 見積、価格表、様式28号資料 |
申請は訓練開始日から逆算する
利用コースと訓練を決めたら、訓練実施計画届の提出期限を詳細版パンフレットで確認します。訓練を申し込んだ日ではなく、訓練開始日を基準に事前手続きが必要になるため、研修会社との契約前に労働局へ相談すると安全です。
訓練中は出席、受講時間、OJT、賃金支払いを対象者ごとに記録します。集合研修の出席簿だけでなく、オンライン受講ログや業務命令書、訓練時間中の賃金が確認できる資料もそろえます。
訓練終了後は、コースごとの期間内に支給申請を行います。計画から訓練内容を変更した場合は、変更届が必要かを実施前に確認してください。
| 時期 | 実施内容 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 企画 | 訓練目的・対象者・コースを決める | 職務との関係を文章化 |
| 開始前 | 計画届と必要資料を提出 | 公式期限より社内締切を早く設定 |
| 訓練中 | 受講と賃金の記録を残す | 対象時間と通常業務を区別 |
| 終了後 | 支給申請書と証拠書類を提出 | 様式28号の要否を確認 |
研修ケース別の選び方
営業担当者10人へ外部講師による提案力研修を行う場合は、職務関連性と実訓練時間を確認し、人材育成支援コースを起点に検討します。研修の目的を「能力向上」とだけせず、担当業務で必要な技能と評価方法まで記載します。
製造会社が新しいAI検査事業を始めるため、技術者へ画像解析研修を実施する場合は、事業展開等リスキリング支援コースが候補です。新規事業の計画と、受講後に担当させる職務のつながりが重要です。
全社員が使える定額制学習サービスを契約する場合は、人への投資促進コースの定額制訓練を確認します。契約しただけではなく、対象者、対象講座、受講実績、職務関連性を管理できる体制が必要です。
営業研修は職務との関係を具体化する
提案、交渉、顧客分析など、担当業務で使用する能力をカリキュラムと結びつけます。抽象的な自己啓発やモチベーション向上だけでは対象判断が難しくなります。
AI研修は事業展開と受講後の配置を示す
AIという名称だけでリスキリング支援になるわけではありません。新事業・DX計画、習得する技能、受講後に担当する職務を一続きで説明します。
定額制研修は利用実績を受講者単位で残す
契約アカウント数だけでなく、対象労働者が受講した講座、時間、修了状況を出力できるか確認します。管理画面の保存期間も契約前に確認してください。
不支給・減額を防ぐ記録のそろえ方
計画届の訓練名・時間と、請求書や修了証の内容が違うと説明が必要になります。研修会社が講座名を変更した場合も、同一訓練と分かる案内や変更履歴を保存します。
訓練時間に通常業務、移動、休憩、懇親会が含まれていると、対象時間から除外される可能性があります。時間割と出席記録を細かく分けてください。
受講料を労働者へ転嫁している、関連会社との取引価格を説明できない、助成金を前提に通常価格を上回る受講料を設定しているなど、費用の妥当性に疑義があると審査へ影響します。2026年度の様式28号対応も含め、価格根拠を残します。
見落としやすい注意点
- 訓練開始前の計画届が間に合っていない
- 職務と訓練内容の関係を説明できない
- 受講時間・出席・修了を証明できない
- 計画と実際の講座・費用・対象者が一致しない
- 支給申請時に必要な様式28号を添付していない
支給申請で準備する証拠書類
支給申請では、計画届の控え、訓練カリキュラム、雇用契約書、出勤簿、賃金台帳、受講記録、修了証、請求書、支払記録などを使って、計画どおり訓練と賃金支払いを行ったことを示します。
オンライン訓練は受講ログ、集合研修は出席簿、OJTは指導者と実施内容の記録をそろえます。研修会社が作る資料だけでなく、事業主側の勤怠・給与記録との一致を確認します。
労働局へ相談するときの準備
相談前に、対象者の雇用形態、訓練開始日、1日ごとの時間割、実施方式、受講料、事業主負担額、受講後の職務を1枚にまとめると、該当コースと不足資料を確認しやすくなります。
研修会社の営業資料だけで対象可否を判断せず、管轄労働局の回答と申請年度の詳細版パンフレットを正本にします。回答日、担当窓口、質問内容を社内メモへ残してください。
人材開発支援助成金のよくある質問
経営者本人だけの研修は、雇用する労働者への訓練を支援する本制度の対象とは原則として異なります。自治体の経営者研修支援など別制度を確認してください。
オンライン研修も対象になり得ますが、録画配信、同時双方向、通信制で対象経費や賃金助成の扱いが変わります。講座を購入する前に、該当コースの詳細版パンフレットで実施方式を照合します。
同じ訓練費を別の補助金へ重複申請できるとは限りません。ITツール導入費と社員研修費を分け、他制度の対象期間・対象経費との重複を労働局と各事務局へ確認します。
経営者や役員の研修は対象ですか
雇用する労働者の職業訓練を支援する制度であり、雇用保険被保険者ではない経営者・役員だけの受講は対象と異なります。受講者ごとの被保険者資格を確認します。
eラーニングにも賃金助成がありますか
eラーニングや通信制は経費助成のみとなる訓練があります。同時双方向型を含め、訓練方式ごとの助成範囲を該当コースの詳細版で確認してください。
研修費を先に支払ってもよいですか
契約・支払いの可否と計画届の期限はコースで確認します。少なくとも訓練開始前の計画手続きを終えずに受講を始めることは避け、労働局へ相談します。
申請前チェックリスト
- 対象者が雇用保険の被保険者か確認した
- 7コースから訓練目的に合うものを選んだ
- 職務とカリキュラムの関係を説明できる
- 訓練開始前の計画届期限を確認した
- 出席・受講時間・賃金支払いを記録できる
- 2026年5月14日改正の様式28号の要否を確認した
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公式情報・出典
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