特定求職者雇用開発助成金の対象者・支給額・申請方法【2026年】
特定求職者雇用開発助成金の特定就職困難者コースについて、対象者、ハローワーク等の紹介要件、2026年の支給額、雇用条件、6か月ごとの申請方法を公式情報で解説します。
この記事でわかること
- 高年齢者、障害者、母子家庭の母等の就職困難者を、ハローワーク等の紹介で継続雇用する事業主向けです。
- 対象者の属性だけでなく、紹介機関、雇用保険、継続雇用の見込み、採用前の関係を確認します。
- 支給額は対象者区分、短時間労働者かどうか、中小企業かどうかで異なり、原則6か月ごとの支給対象期に分けて申請します。
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特定就職困難者コースの対象になる採用
特定求職者雇用開発助成金の特定就職困難者コースは、高年齢者や障害者、母子家庭の母等の就職困難者を継続して雇用する事業主を支援します。対象者本人が申請するのではなく、雇い入れた事業主が支給申請します。
対象者の属性だけでは足りません。ハローワーク、地方運輸局、または本助成金の取扱いに同意した適正な有料・無料職業紹介事業者等からの紹介で雇い入れる必要があります。
雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者として雇い入れ、対象労働者が65歳以上に達するまで、かつ2年以上継続して雇用することが確実と認められることが基本要件です。
| 確認項目 | 見る内容 | 確認先・資料 |
|---|---|---|
| 対象者区分 | 年齢、障害、母子家庭の母等の該当 | 紹介機関、対象者確認書類 |
| 紹介経路 | 対象となるハローワーク等からの紹介 | 紹介状、紹介事業者の同意状況 |
| 雇用保険 | 一般被保険者または高年齢被保険者 | 週所定労働時間、雇用契約 |
| 雇用期間 | 65歳まで、かつ2年以上の継続雇用見込み | 就業規則、契約更新条件 |
| 過去の関係 | 採用前の雇用・役員・親族等の除外要件 | 職歴、会社との関係 |
対象者区分と支給額
支給額は、対象労働者の区分、短時間労働者かどうか、中小企業か大企業かで変わります。以下は2026年7月29日時点で厚生労働省が掲載する特定就職困難者コースの代表的な区分です。
短時間労働者以外の高年齢者(60歳以上)や母子家庭の母等を中小企業が雇い入れる場合は60万円で、1年間を6か月ごとの2期に分けて各30万円を申請します。
短時間労働者以外の重度障害者等は、中小企業で240万円、3年間、6期に分ける区分があります。同じ「障害者採用」でも、障害の区分と短時間かどうかで助成対象期間・各期額が異なります。
| 対象労働者 | 合計支給額 | 対象期間 | 各期 |
|---|---|---|---|
| 高年齢者・母子家庭の母等(短時間以外) | 60万円 | 1年 | 30万円×2期 |
| 身体・知的障害者(重度等を除く、短時間以外) | 120万円 | 2年 | 30万円×4期 |
| 重度障害者等(短時間以外) | 240万円 | 3年 | 40万円×6期 |
| 高年齢者・母子家庭の母等(短時間) | 40万円 | 1年 | 20万円×2期 |
| 身体・知的・精神障害者(短時間) | 80万円 | 2年 | 20万円×4期 |
60歳以上の高年齢者
短時間労働者以外を中小企業が雇い入れる代表区分は合計60万円、短時間労働者は40万円です。採用日時点の年齢と雇用条件を確認します。
母子家庭の母等・父子家庭の父
対象者確認には所定の申立書等を使用します。本人の申告だけで決めず、ハローワーク等が対象区分を確認した紹介であることが重要です。
身体・知的障害者
重度障害者等を除く短時間以外の中小企業区分は合計120万円、2年間です。障害の区分と短時間労働者かどうかで支給額が変わります。
重度障害者等
短時間以外の中小企業区分は合計240万円、3年間、6期です。長期の申請管理になるため、担当者変更時も台帳を引き継げるようにします。
短時間労働者
短時間労働者には別の支給額表が適用されます。求人票と実際の週所定労働時間を一致させ、途中変更がある場合は労働局へ連絡します。
求人を出す前に紹介経路を決める
本助成金で最も重要な確認の一つが紹介経路です。自社サイト、知人紹介、従業員からの紹介などで先に採用を決め、その後ハローワークへ相談しても、対象となる紹介要件を満たさない可能性があります。
民間の人材紹介会社を利用する場合は、その事業者が厚生労働省の定める項目へ同意し、本助成金を取り扱えるかを採用前に確認します。単に有料職業紹介の許可を持つだけで足りるとは限りません。
求人票の労働条件と実際の雇用契約も一致させます。週所定労働時間が変わると短時間労働者区分や雇用保険の扱いに影響するため、内定後ではなく求人作成時に確認してください。
有期契約で雇う場合の更新条件
有期雇用労働者として雇い入れる場合、厚生労働省は2023年10月1日以降、自動更新、つまり本人が望む限り更新できる契約のみを支給対象と案内しています。
雇用契約書には「自動更新」であることを記載します。自動更新と書いてあっても、就業規則の解雇要件を超える更新条件が付いている場合は対象になりません。
契約期間の長さだけでなく、65歳までかつ2年以上継続雇用する見込みと整合するかを確認します。求人票、労働条件通知書、雇用契約書、就業規則で更新表現をそろえてください。
支給申請は6か月ごとに繰り返す
本助成金は、対象期間を原則6か月ごとの支給対象期に分け、期ごとに支給申請します。合計額が60万円でも、採用直後に60万円を一括で受け取る制度ではありません。
各期の申請では、対象労働者を継続雇用し、対象期間の賃金を適正に支払っていることを確認します。対象期間中の離職、実労働時間の減少、賃金未払いなどがあると支給額や可否に影響します。
申請案内が労働局から送付される場合でも、届くことを前提に期限管理を任せないでください。雇入れ日、賃金締切日、支給対象期、申請期限を自社で台帳に記録します。
| 時期 | 行うこと | 残す資料 |
|---|---|---|
| 採用前 | 対象者区分と紹介経路を確認 | 求人票、紹介状、確認メモ |
| 雇入れ | 雇用契約と雇用保険手続き | 契約書、資格取得記録 |
| 各支給対象期 | 雇用・勤怠・賃金を記録 | 出勤簿、賃金台帳、振込記録 |
| 各期終了後 | 期限内に支給申請 | 申請書、対象労働者雇用状況等申立書 |
第1期は採用時の条件も重点確認される
紹介経路、雇入れ日、対象者区分、雇用保険、契約内容を確認できる資料をそろえます。求人条件と契約条件に変更がある場合は理由を説明できるようにします。
第2期以降も自動支給ではない
第1期が支給されても、次期は改めて申請が必要です。各期の雇用、勤怠、賃金支払いを確認し、対象期に対応する申請書を使用します。
離職・休業・労働時間変更は記録する
対象期間中に雇用条件や実労働時間が変わった場合は、支給額へ影響する可能性があります。自己判断で申請書だけ調整せず、事実と資料を労働局へ示します。
申請案内が届かなくても期限を確認する
住所変更や担当者不在で案内を見落とす可能性があります。採用時に支給対象期の予定を登録し、各期終了前に管轄労働局へ確認してください。
採用ケースで支給区分を確認する
たとえば、中小企業がハローワークの紹介で62歳の求職者を週30時間、期間の定めなしで採用する場合を考えます。高年齢者の区分、雇用保険、紹介経路、65歳までかつ2年以上の継続雇用見込みを満たすかを確認します。
短時間労働者に該当しない区分で要件を満たせば、合計60万円、1年間、30万円ずつ2期が代表的な支給区分です。ただし、対象者と事業主の除外要件、実際の賃金支払いなどを満たして初めて審査対象になります。
同じ人を週20時間で採用するケースでは、短時間労働者の40万円区分となる可能性があります。採用後に勤務時間を変更すると支給区分へ影響するため、申請前に管轄労働局へ確認してください。
申請書類は雇入れ日と対象期に合う版を使う
2026年4月1日更新の申請書類には、第1期支給申請書、第2〜6期支給申請書、対象労働者雇用状況等申立書、対象者区分ごとの申立書・確認票などがあります。
雇入れ日や支給対象期間の初日によって使用できる様式が異なります。過年度に採用した対象者の第2期以降を申請する場合、最新様式を機械的に使わず、厚生労働省ページの案内を確認してください。
電子申請も利用できます。紙・電子のどちらでも、雇用契約書、出勤簿、賃金台帳、振込記録、対象者確認書類の内容を申請書と一致させます。
書類の確認ポイント
- 第1期または第2〜6期の支給申請書
- 対象労働者雇用状況等申立書
- 対象者区分を確認する申立書・確認票
- 雇用契約書・労働条件通知書
- 出勤簿・賃金台帳・賃金振込記録
対象外・不支給につながりやすいケース
対象者と知りながら自社が直接勧誘し、形式的に紹介機関を通しただけの採用は、紹介要件を満たさない可能性があります。紹介日、面接日、内定日、雇入れ日の順序を記録します。
対象労働者が過去に自社で働いていた、代表者や役員と一定の関係がある、雇入れ前後に事業主都合離職があるなど、事業主側の要件も確認が必要です。
各支給対象期中に支払った賃金が申請書と合わない、労働時間が大きく減った、契約更新条件が対象要件と異なる場合も審査へ影響します。採用部門だけで進めず、人事・給与担当と申請台帳を共有してください。
見落としやすい注意点
- 対象となる紹介を受ける前に採用を決めた
- 民間紹介会社が本助成金の取扱い要件を満たしていない
- 有期契約が本人の希望による自動更新になっていない
- 雇用契約、勤怠、賃金台帳の内容が一致しない
- 6か月ごとの支給申請期限を逃した
事業主側の共通要件も確認する
対象者と紹介経路が要件を満たしても、労働保険料の滞納、労働関係法令違反、不正受給歴、事業主都合離職など、雇用関係助成金の共通要件やコース固有の除外要件に該当すると支給されない場合があります。
対象者の採用だけを人事部門で確認せず、労務・経理・経営側の状況も申請前に点検します。過去の離職者数や離職理由を確認する必要がある場合は、該当期間を労働局へ確認してください。
他の雇入れ助成金との選び分け
試行雇用から適性を確認したい場合はトライアル雇用助成金、障害者の職場設備や介助者等の費用はJEEDの障害者雇用納付金制度に基づく助成金が候補になることがあります。
対象者が成長分野等人材確保・育成コースの要件を満たす場合は、特定就職困難者コース等より高い助成額となる可能性があります。ただし、賃金引上げや訓練など追加要件があるため、採用計画に合うかを比較します。
| 目的 | 主な候補 | 確認点 |
|---|---|---|
| 就職困難者を継続雇用 | 特定就職困難者コース | 対象者・紹介・継続雇用 |
| 試行雇用で適性確認 | トライアル雇用助成金 | 紹介と試行雇用計画 |
| 成長分野で雇用・育成 | 成長分野等人材確保・育成コース | 賃上げまたは訓練要件 |
| 障害者の設備・介助 | JEEDの各種助成金 | 事前認定と対象費用 |
特定求職者雇用開発助成金のよくある質問
高齢者や障害者を採用すれば自動的に対象になるわけではありません。対象者区分、紹介経路、雇用保険、継続雇用、事業主共通要件をすべて確認します。
人材紹介会社経由でも対象になる可能性はありますが、厚生労働省が定める同意を行った紹介事業者等であることが必要です。求人を依頼する時点で助成金の取扱いを確認してください。
トライアル雇用助成金など他制度との関係は、同じ対象期間・同じ労働者について併給調整が生じることがあります。制度を変更・併用する前に管轄労働局へ具体的な採用条件を示して相談します。
直接応募の人を採用しても対象ですか
原則として対象となるハローワーク等の紹介が必要です。直接応募後に形式だけ紹介を付けるのではなく、採用決定前に紹介要件を満たす流れを確認します。
助成金は採用直後に一括で入りますか
一括ではなく、原則6か月ごとの支給対象期に分けて申請します。各期の雇用と賃金支払いを確認した後に審査されます。
対象者が途中で退職した場合はどうなりますか
退職時期・理由により対象期の支給可否が変わる可能性があります。離職理由を正確に記録し、申請前に管轄労働局へ確認してください。
申請前チェックリスト
- 対象者の年齢・障害・世帯等の区分を紹介機関と確認した
- ハローワーク等の対象となる紹介を経て採用する
- 雇用保険の被保険者として継続雇用する条件を満たす
- 有期契約の場合は本人が望む限り自動更新となっている
- 6か月ごとの支給対象期と申請期限を台帳で管理する
- 雇入れ日・対象期に合う2026年度様式を選んだ
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公式情報・出典
制度内容や日程は改定される場合があります。申請前に最新版をご確認ください。
