両立支援等助成金の6コース・支給額・申請方法【2026年度】
2026年度の両立支援等助成金について、男性育休、介護、育休復帰、業務代替、柔軟な働き方、不妊治療・女性の健康課題の6コースを支給額と申請実務から解説します。
この記事でわかること
- 両立支援等助成金は、育児・介護・不妊治療等と仕事を両立できる制度を整え、実際の休業取得や制度利用まで行った事業主を支援します。
- 2026年度は6コースで、会社の制度を作るだけでなく、面談、支援プラン、利用実績、職場復帰、継続雇用などをコース別に確認します。
- 支給額は男性育休の1人目20万円、育休取得・復帰の各30万円、業務代替手当の最大240万円など、取組によって大きく異なります。
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両立支援等助成金を利用する前に知るべきこと
両立支援等助成金は、従業員が育児、介護、不妊治療、月経や更年期に起因する健康課題と仕事を両立できる職場環境を整え、対象労働者が実際に休業または制度利用をした事業主へ支給される助成金です。従業員本人へ直接支給される給付ではありません。
多くのコースは中小企業事業主が対象です。育休中等業務代替支援コースの手当支給等の一部は企業規模要件がないなど例外があるため、コース名だけで対象を決めず、2026年度の支給申請の手引きで事業主・労働者・取組の要件を確認します。
この制度では、就業規則に制度名を追加しただけでは支給されません。方針の周知、対象労働者との面談、支援プラン作成、休業・制度利用、原職等への復帰、継続雇用という一連の実績を資料で示す必要があります。
| 軸 | 確認する内容 | 主な資料 |
|---|---|---|
| 会社 | 企業規模、雇用保険、就業規則、一般事業主行動計画等 | 会社情報、届出控え |
| 労働者 | 雇用保険、休業・制度利用、復帰、継続雇用 | 契約書、資格取得記録 |
| 取組 | 環境整備、面談、プラン、業務代替、手当 | 規程、面談記録、支援プラン |
| 期限 | 休業開始、復帰、利用期間、申請期間 | 工程表、勤怠、申請管理表 |
2026年度の6コースを目的から選ぶ
2026年度は、出生時両立支援、介護離職防止支援、育児休業等支援、育休中等業務代替支援、柔軟な働き方選択制度等支援、不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援の6コースです。
男性社員が育休を取る場面と、育休中の業務を同僚が代替する場面は別のコースです。同じ休業を複数コースで申請できない組合せもあるため、「誰が、いつ、何日休み、会社が何を整え、誰が業務を代替したか」を先に整理します。
男性の育休取得を進める
出生時両立支援コースは、雇用環境整備や業務体制整備を行い、男性労働者が子の出生後8週間以内に育休を開始する場合などが対象です。
家族介護による離職を防ぐ
介護離職防止支援コースは、介護休業、短時間勤務・在宅勤務等の両立制度、業務代替、介護休暇の有給化を支援します。
育休取得から職場復帰まで支える
育児休業等支援コースは、育休復帰支援プランに基づく業務引継ぎ、連続3か月以上の育休、原職等復帰と6か月以上の継続雇用を確認します。
同僚への手当や代替要員を支援する
育休中等業務代替支援コースは、育休取得者または短時間勤務者の業務を代替する労働者への手当、新規雇用・派遣受入れを対象にします。
育児期の柔軟な働き方を増やす
柔軟な働き方選択制度等支援コースは、時差出勤、テレワーク、短時間勤務、保育サービス費用補助、養育両立支援休暇などを複数導入して利用実績を作ります。
不妊治療と女性の健康課題に対応する
不妊治療、月経に起因する症状、更年期に起因する症状について、利用できる制度と相談体制を整備し、対象労働者が制度を利用した場合のコースです。
6コースの支給額を比較する
支給額はコースごとに定額、利用者数、利用期間、手当支給額などで決まります。見出しの最大額だけで選ぶと、対象者の休業日数や制度利用実績が合わないことがあります。
2026年度は、男性育休1人目20万円、育児休業等支援コースの育休取得時30万円・職場復帰時30万円、介護休業40万円、柔軟な働き方の制度利用20万円または25万円などが代表例です。
| コース・種別 | 主な要件 | 主な支給額 |
|---|---|---|
| 出生時両立支援・男性育休 | 出生後8週以内に育休開始 | 1人目20万円、2・3人目各10万円 |
| 出生時両立支援・取得率上昇 | 取得率30%以上上昇かつ50%達成等 | 60万円 |
| 介護離職防止・介護休業 | 連続5日以上の介護休業と職場復帰 | 40万円 |
| 育児休業等支援 | 育休取得時・同一労働者の職場復帰時 | 各30万円 |
| 育休中等業務代替・手当 | 業務体制整備と代替者への手当 | 整備費最大20万円+手当の3/4 |
| 柔軟な働き方 | 3制度または4制度以上を導入・利用 | 20万円または25万円 |
| 不妊治療・女性の健康課題 | 各制度を合計5日(回)利用 | 区分ごとに30万円 |
出生時両立支援コースの条件
男性労働者の育児休業取得では、育児・介護休業法上の雇用環境整備措置を複数実施し、育休取得者の業務代替に関する規定と体制を整えます。1人目は子の出生後8週間以内に開始する5日以上、2人目は10日以上、3人目は14日以上の育児休業が主な基準です。
支給額は1人目20万円、2人目・3人目は各10万円です。男性育休取得率の上昇等は、前事業年度の取得率が前々事業年度より30%以上上昇し、50%以上になる場合などに60万円が支給されます。
取得率上昇等は1事業主1回限りで、同一年度や同じ育休について申請できない組合せがあります。対象者数、出生年度、取得率の分母・分子を年度別に保存します。
育休日数は勤務実態と一致させる
育休申出書、会社の承認記録、出勤簿、賃金台帳、社会保険手続の期間を照合します。休業日に通常勤務した記録があれば、日数の算定に影響します。
取得率の計算根拠を年度別に保存する
子が出生した男性労働者数と育休取得者数を、申請年度の前事業年度・前々事業年度で集計します。出生届や育休申出の社内記録と一致させます。
介護離職防止支援コースの4つの支援
介護休業は、対象労働者との面談で介護支援プランを作成・実施し、連続5日以上の介護休業を取得させ、職場復帰後も申請日まで継続雇用する場合に40万円が主な支給額です。
介護両立支援制度は、時差出勤、短時間勤務、在宅勤務、フレックスタイム、介護サービス費用補助のうち、1制度を導入・利用すると20万円、2制度以上を導入して1制度以上を利用すると25万円です。
業務代替支援は、介護休業取得者の代替要員を新規雇用・派遣受入れした場合20万円、代替者へ手当を支給した場合は休業代替5万円、短時間勤務代替3万円が基準です。2026年度に新設された介護休暇制度有給化支援は30万円です。
| 種別 | 取組 | 主な支給額 |
|---|---|---|
| 介護休業 | 連続5日以上取得し職場復帰 | 40万円 |
| 介護両立支援制度A | 1制度導入・利用 | 20万円 |
| 介護両立支援制度B | 2制度以上導入・1制度以上利用 | 25万円 |
| 業務代替 | 新規雇用・派遣受入れ | 20万円 |
| 介護休暇有給化 | 有給化し一定基準以上利用 | 30万円 |
育休取得・職場復帰は一続きで管理する
育児休業等支援コースは、育休取得時30万円と職場復帰時30万円の2段階です。職場復帰時は、育休取得時と同一の労働者・同一の育児休業が対象になります。
育休開始前に面談し、育休復帰支援プランを作成して業務を引き継ぎます。対象労働者が連続3か月以上の育児休業を取得し、休業中に業務情報を提供し、終了前面談を行い、原則として原職等へ復帰させます。
復帰日だけで申請できるわけではなく、申請日まで6か月以上継続雇用することが主な条件です。異動させる場合は、原職等復帰の定義と労働条件が要件を満たすか確認します。
面談と支援プランを育休開始前に作る
面談日、労働者の希望、引継ぎ、休業中の情報提供、復帰後の働き方を記録します。後から一括作成した記録では実施時期を説明できません。
原職等復帰と6か月雇用を確認する
復帰先の職務、勤務地、所定労働時間、賃金を休業前と比較します。復帰後6か月の勤怠・賃金を申請資料まで連続して保存します。
育休中等業務代替支援コースの金額計算
育児休業取得者の業務を同僚が代替し手当を受ける場合、業務体制整備費は最大20万円、業務代替手当は支給した手当の3/4で最大240万円です。短時間勤務者の業務代替では、整備費最大20万円、手当の3/4で最大108万円です。
育休取得者の代替要員を新規雇用または派遣受入れする場合は、代替期間により7日以上の9万円から1年以上の81万円まで段階的に設定されています。求人や派遣契約を結ぶ前に、対象期間と業務代替の対応関係を整理します。
手当の名称だけではなく、誰のどの業務を、誰が、いつからいつまで代替し、いくら追加支給したかを示します。通常賃金に含まれていた手当を名称変更しただけでは、追加負担を説明できません。
代替業務の見直しと効率化を先に行う
業務棚卸し、廃止・縮小、自動化、分担変更などを記録し、残った代替業務と手当の対象を対応させます。
手当規定と給与支払を一致させる
就業規則等へ制度を定め、賃金台帳と振込記録で実際の追加支給を示します。複数の代替者がいる場合は個人別に計算します。
柔軟な働き方と女性の健康課題への支援
柔軟な働き方選択制度等支援コースは、対象制度を3つ導入して利用すると20万円、4つ以上導入して利用すると25万円です。子の看護等休暇を有給化し、対象労働者が一定基準以上利用した場合は30万円です。
不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コースは、不妊治療、月経に起因する症状、更年期に起因する症状の3区分です。各区分について利用可能な制度を就業規則等に定め、両立支援担当者を選任し、対象労働者が合計5日(回)利用すると各30万円が主な支給額です。
健康情報は要配慮個人情報に当たり得ます。助成金資料を集める場合も、診断名を必要以上に社内共有せず、閲覧権限、保存場所、本人同意を決めて扱います。
| 取組 | 利用基準の概要 | 支給額 |
|---|---|---|
| 柔軟な働き方3制度 | 対象労働者が一定基準以上利用 | 20万円 |
| 柔軟な働き方4制度以上 | 対象労働者が一定基準以上利用 | 25万円 |
| 子の看護等休暇有給化 | 有給化し一定基準以上利用 | 30万円 |
| 不妊治療制度 | 合計5日(回)利用 | 30万円 |
| 月経・更年期対応制度 | 区分ごとに合計5日(回)利用 | 各30万円 |
申請は従業員の出来事から逆算する
両立支援等助成金には全コース共通の一つの申請日があるわけではありません。出生日、育休開始日、介護休業開始日、制度利用開始日、職場復帰日、継続雇用期間の満了日など、コースごとの基準日から申請期間を数えます。
年度途中で手引きや様式が差し替えられることがあります。厚生労働省の2026年度手引きは6月29日に差し替えられているため、保存済みPDFだけを使わず、提出直前に掲載日と様式版を再確認します。
制度整備を休業・利用開始より先に行う
就業規則、労使協定、社内周知、担当者選任、面談、支援プランなど、対象者が利用を開始する前に必要な取組を工程表へ並べます。
申請期間はコース別手引きで確定する
対象者ごとに申請開始日と末日を記録し、本社等所在地を管轄する労働局へ提出先を確認します。育休取得時と復帰時を同じ期限として管理しないようにします。
必要書類と不支給を防ぐ確認点
共通して、就業規則・労働協約、雇用契約書、雇用保険の記録、出勤簿、賃金台帳、休業申出書、社内周知資料などが必要になります。コースに応じて、面談シート、育休復帰・介護支援プラン、代替業務一覧、手当規定、給与支払記録を追加します。
規程に制度があっても周知記録がない、面談日が休業開始後、支援プランが実態と合わない、復帰後6か月を待たずに申請した、代替手当が給与明細へ反映されていないといったずれは、支給判断へ影響します。
書類の確認ポイント
- 取組前に最新の就業規則・労使協定を整備した
- 方針周知、面談、支援プランを日付付きで保存した
- 休業・制度利用と勤怠・賃金の期間が一致する
- 業務代替者と追加手当の対応を個人別に示せる
- 復帰後の職務・労働条件・継続雇用を確認した
両立支援等助成金のよくある質問
従業員が育休を取っただけで自動的に支給される制度ではありません。育休前の雇用環境整備、業務体制、面談・プラン、必要日数、復帰後の雇用などをコース別に確認します。
就業規則の整備と助成金申請は、育児・介護休業法の義務を免除するものではありません。法定制度を満たしたうえで、助成金固有の追加要件を実施します。
男性社員が5日育休を取れば20万円ですか
1人目の必要日数だけでなく、出生後8週間以内の開始、雇用環境整備、業務体制整備、対象者・事業主要件を満たす必要があります。
同じ育休で複数コースを申請できますか
同一の対象者・育休について併給できない組合せがあります。出生時両立支援と育児休業等支援、業務代替支援の対象行為を申請前に労働局へ示して確認します。
制度を作っただけで申請できますか
多くの種別で対象労働者による休業または制度利用の実績が必要です。導入日、利用日数、面談、継続雇用まで確認してください。
申請前チェックリスト
- 対象となる出来事と6コースのどれを使うか整理した
- 休業・制度利用より前に規程、周知、面談、プランを整える
- 対象者の雇用保険、休業・利用日数、復帰を確認した
- 業務代替の範囲と追加手当を個人別に記録する
- コースごとの申請開始日と申請末日を管理する
- 2026年度の最新手引きと差替え後様式を確認した
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