働き方改革推進支援助成金の5コース・対象経費・申請方法【2026年度】
2026年度の働き方改革推進支援助成金について、5コース、対象事業主、成果目標、対象経費、助成率、交付申請期限、設備導入で失敗しない順序を公式資料に基づいて解説します。
この記事でわかること
- 働き方改革推進支援助成金は、設備購入そのものではなく、労働時間短縮、年休促進、勤務間インターバル等の成果目標を達成するための環境整備を支援します。
- 2026年度は業種別課題対応、労働時間短縮・年休促進、勤務間インターバル、取引環境改善、団体推進の5コースです。
- 交付申請期限は2026年11月30日午後5時ですが、予算により早期終了する可能性があり、交付決定前の発注・契約・購入は対象外となるおそれがあります。
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働き方改革推進支援助成金の目的
働き方改革推進支援助成金は、生産性を高めながら労働時間の縮減、年次有給休暇の取得促進、勤務間インターバルの導入、業種特有の長時間労働課題などを改善する中小企業・小規模事業者を支援する制度です。
勤怠ソフト、機械設備、コンサルティング等の費用が対象候補になりますが、設備を買えば支給される制度ではありません。最初に労働時間制度の現状を確認し、コースに定める成果目標を設定し、その達成に必要な取組として経費を計画します。
2026年度は2026年4月13日に受付が始まり、交付申請期限は11月30日午後5時です。国の予算に制約があるため期限前に受付を締め切る場合があり、導入時期から逆算して早めに申請します。
| 確認項目 | 見る内容 | 主な資料 |
|---|---|---|
| 事業主 | 中小企業、労災保険、指定事業場 | 会社概要、適用関係書類 |
| 現状 | 36協定、残業、年休、インターバル | 協定届、勤怠、年休管理簿 |
| 成果目標 | 短縮・制度導入の達成条件 | 就業規則、事業実施計画 |
| 経費 | 成果目標に必要な取組か | 見積書、仕様書、導入効果資料 |
2026年度の5コースを選び分ける
2026年度は、業種別課題対応コース、労働時間短縮・年休促進支援コース、勤務間インターバル導入コース、取引環境改善コース、団体推進コースの5コースです。
会社単独の時間外労働・年休課題なら労働時間短縮・年休促進、終業から次の始業までの休息時間を整えるなら勤務間インターバル、建設・運送・病院等の業種課題なら業種別課題対応を軸に比較します。
| 会社の課題 | 主な候補 | 先に確認すること |
|---|---|---|
| 残業上限・年休制度 | 労働時間短縮・年休促進 | 36協定、年休管理簿、就業規則 |
| 勤務間の休息時間 | 勤務間インターバル | 現在の終業・始業時刻 |
| 建設・運送・医療等 | 業種別課題対応 | 対象業種、業種別成果目標 |
| 取引先要因の長時間労働 | 取引環境改善 | 取引条件と改善協議 |
| 業界全体の改善 | 団体推進 | 団体要件、構成事業主 |
業種別課題対応コース
建設業、自動車運転業務、医師、情報通信業、宿泊業など、業種固有の時間外労働課題に対応します。対象業種ごとに成果目標と上限が異なります。
労働時間短縮・年休促進支援コース
時間外・休日労働の上限設定、年休の計画的付与、時間単位年休と特別休暇の導入を目標にする中小企業向けです。
勤務間インターバル導入コース
終業から次の始業まで一定の休息時間を確保する制度を新規導入し、適用対象を拡大し、または休息時間数を延長する取組が中心です。
取引環境改善コース
取引先との調整や価格転嫁、短納期・急な仕様変更等の取引課題を改善し、労働時間等の設定改善へつなげる2026年度のコースです。
団体推進コース
事業主団体等が構成事業主の働き方改革を進めるため、市場調査、セミナー、好事例収集、共同設備等を行うコースです。個社申請とは申請主体が異なります。
対象事業主の共通条件
個社向けコースでは、労災保険の適用事業主であり、資本金または常時使用する労働者数が業種別の中小企業要件を満たすことが基本です。卸売業、小売業、サービス業、その他の業種で基準が異なります。
全ての指定事業場で、年次有給休暇の付与実績にかかわらず年休管理簿を作成していることが必要です。常時10人以上の労働者を使用する指定事業場では、年休の時季指定に関する定めがある就業規則を作成し、交付申請前に労働基準監督署へ届け出ます。
成果目標に関連する36協定、就業規則、年休制度が法令に適合していない場合、助成金の計画より先に是正が必要です。助成金を申請することで労働法上の義務を満たしたことにはなりません。
中小企業区分を業種と人数で判定する
小売業は資本金5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、その他は3億円以下または300人以下が基本です。
指定事業場ごとの労務資料をそろえる
複数拠点を指定する場合、各事業場の36協定、就業規則、年休管理簿、勤怠が必要です。本社だけ整っていても他拠点の要件を満たすとは限りません。
成果目標を設備より先に決める
労働時間短縮・年休促進支援コースの成果目標は、時間外・休日労働を月60時間以下または60時間超80時間以下へ設定すること、年休の計画的付与制度を新たに導入すること、時間単位年休と特別休暇を新たに導入することなどです。
「古い機械を更新したい」ではなく、「作業時間を1日2時間短縮し、36協定の上限を月60時間以下へ変更する。その手段として設備を導入する」のように、現状、改善手段、成果目標をつなぎます。
賃上げ加算や割増賃金率加算を選ぶ場合は、対象労働者、引上げ前後の時間当たり賃金、就業規則、賃金台帳など追加資料が必要です。
| 成果目標 | 取組の例 | 確認資料 |
|---|---|---|
| 時間外・休日労働の上限設定 | 36協定を月60時間以下等へ短縮 | 新旧36協定、勤怠 |
| 年休の計画的付与 | 労使協定と就業規則を整備 | 協定、就業規則 |
| 時間単位年休・特別休暇 | 制度を新規導入 | 就業規則、周知資料 |
| 賃金引上げ | 時間当たり賃金を引上げ | 賃金規定、賃金台帳 |
対象になる取組と対象外になりやすい購入
対象候補には、労務管理担当者・労働者への研修、外部専門家によるコンサルティング、就業規則・労使協定の整備、人材確保、労務管理用ソフトウェア・機器、デジタル式運行記録計、労働能率を高める設備・機器の導入・更新があります。
対象経費は、謝金、旅費、借損料、会議費、雑役務費、印刷製本費、備品費、機械装置等購入費、委託費など、コースの支給要領に定める範囲で計上します。見積金額の全額がそのまま助成されるわけではありません。
原則として乗用自動車、パソコン、タブレット、スマートフォンの導入・更新は対象外です。汎用品でも業務に必要という説明だけで対象になるとは限らず、成果目標への直接的な効果と支給要領上の扱いを確認します。
設備の導入効果を時間で示す
導入前後の作業工程、処理件数、作業人数、所要時間を測定し、どの労働者のどの時間を削減できるかを事業実施計画へ落とします。
相見積りと価格根拠を保存する
見積書、仕様書、比較表を保存し、選定理由を説明できるようにします。関連会社や代表者と関係する事業者からの購入は、追加確認が必要になる場合があります。
助成率と上限額の考え方
労働時間短縮・年休促進支援コースでは、成果目標ごとの助成上限額・加算額の合計と、対象経費の合計額に補助率3/4を掛けた額のいずれか低い額が交付額の基準です。
常時使用する労働者数が30人以下で、労務管理用機器や労働能率増進設備など一部の取組にかかる所要額が30万円を超える場合は、補助率4/5となります。企業人数だけで自動的に4/5になるわけではありません。
上限額は選ぶコース、成果目標、現在の36協定、休息時間、賃上げ人数・率などで変わります。記事の「最大○万円」を自社の見込額として資金計画へ入れず、コース別リーフレットの上限表で試算します。
| 区分 | 補助率 | 上限の決まり方 |
|---|---|---|
| 原則 | 対象経費の3/4 | 成果目標別上限との低い方 |
| 30人以下の一部取組 | 対象経費の4/5 | 所要額30万円超などの条件あり |
| 賃上げ加算 | 基本額へ上限加算 | 引上げ率と対象人数で変動 |
| 取引・団体コース | 専用の計算 | 各コースの支給要領で確認 |
申請から支給までの正しい順序
申請は、現状分析、コース・成果目標の決定、見積取得、交付申請、交付決定、発注・契約・導入、成果目標の達成、費用支払い、支給申請の順です。交付決定前に発注や契約をすると、対象経費として認められないおそれがあります。
2026年度の交付申請期限は11月30日午後5時です。事業は交付決定の日から2027年1月31日までに実施します。採択後の導入期間が短くなりすぎないよう、納期と就業規則・36協定の施行日を逆算します。
電子申請にはJグランツを利用できます。GビズIDプライムの取得には時間を要する場合があるため、電子申請を選ぶなら見積取得と並行して準備します。
交付決定前は契約・発注をしない
見積取得と発注は別です。申請前に販売事業者へ納期を確認しても、正式な注文書、契約、支払いを交付決定前に行わないよう社内決裁を管理します。
2027年1月31日までに実施を終える
設備の納品だけでなく、設置、運用、規程改定、成果目標の達成、支払いを期限内に完了できる工程を作ります。
支給申請用の証拠を実施中から残す
研修写真、議事録、周知資料、設備の設置前後写真、銘板、出力帳票、勤怠、振込記録を、取組ごとに保存します。
想定ケースで申請可能性を確認する
従業員20人の食品製造会社が包装機を導入し、毎日の包装作業を3時間短縮して残業上限を月60時間以下へ変更するケースを考えます。労災保険、中小企業区分、年休管理簿、就業規則、現在の36協定を確認し、設備導入前後の工程時間を測定します。
設備費が200万円でも、その3/4の150万円が必ず支給されるわけではありません。選んだ成果目標の上限額、30人以下の4/5特例の対象設備か、対象経費の範囲、交付決定後の発注かで算定します。
対象になりやすい計画
現状の長時間労働を勤怠で示し、設備による作業短縮を数値化し、36協定・就業規則の変更と一体で成果目標を達成する計画です。
対象外になりやすい計画
老朽化した設備の更新だけが目的、導入効果が売上増だけ、交付決定前に契約済み、汎用パソコンの購入が中心という計画は見直しが必要です。
支給申請で必要になる証拠書類
支給申請書と事業実施結果報告書に加え、交付申請時の計画を実施したこと、費用を支払ったこと、成果目標を達成したことを示す資料が必要です。
設備なら発注書、契約書、納品書、請求書、振込記録、設置写真、型番写真、導入設備から出力した帳票等をそろえます。研修やコンサルティングなら日時、場所、実施者、参加者、内容、成果物、写真を残します。
成果目標に応じて新しい36協定、就業規則、労使協定、年休管理簿、賃金台帳、勤怠などを提出します。作成日、施行日、届出日、周知日が計画と一致しているか確認してください。
書類の確認ポイント
- 交付申請書、交付決定通知、事業実施計画
- 発注・契約・納品・請求・振込の一連の証憑
- 設備・研修・コンサル等を実施した写真と成果物
- 新旧36協定、就業規則、労使協定、周知記録
- 成果目標を確認する勤怠、年休管理簿、賃金台帳
不支給を防ぐ7つのチェック
最も注意したいのは、交付決定前の発注・契約です。販売事業者のキャンペーン期限や納期を理由に先に注文すると、助成対象外となる可能性があります。
次に、成果目標と設備の効果がつながっていないケースです。売上、品質、顧客満足の改善だけでなく、労働時間等の設定改善へどう寄与したかを示します。
見落としやすい注意点
- 年休管理簿や必要な就業規則の届出が交付申請前に整っていない
- 交付決定前に発注・契約・支払いを行った
- 設備導入効果と成果目標の因果関係を説明できない
- パソコン・スマートフォン等の汎用品を主な対象経費にした
- 2027年1月31日までに納品・支払い・制度実施を終えられない
- 写真、議事録、勤怠など実施証拠が不足している
- 同じ経費へ別の国・自治体補助を重ねている
働き方改革推進支援助成金のよくある質問
機械設備は対象になる可能性がありますが、単なる更新や生産増強ではなく、労働能率を高めて成果目標を達成するために必要であることを示します。
11月30日まで待てるとは限りません。予算による早期締切があり、交付決定後から1月31日までの実施期間も必要なため、申請準備は早めに始めます。
勤怠ソフトは対象ですか
労務管理用ソフトウェアは対象候補ですが、コースの成果目標に必要で、交付決定後に導入し、支給要領上の対象経費を満たすことが必要です。
パソコンも一緒に買えますか
原則としてパソコン、タブレット、スマートフォンは対象外です。セット販売であっても、対象と対象外の費用を区分して確認します。
補助率4/5は全ての小規模企業に適用されますか
適用されません。常時使用する労働者数30人以下に加え、一部の改善事業で所要額30万円を超えるなどの条件があります。
申請前チェックリスト
- 自社の課題と2026年度の5コースを対応させた
- 全指定事業場の年休管理簿、就業規則、36協定を確認した
- 設備より先に成果目標と労働時間短縮効果を決めた
- 交付決定前に発注・契約・支払いをしない体制がある
- 2026年11月30日午後5時と早期締切を考慮した
- 2027年1月31日までに取組と支払いを完了できる
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公式情報・出典
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